ビーチ・ボーイズ・フェア 2005
ここ数年の『ペット・サウンズ』再評価、そして昨年はブライアン・ウィルソンによる『スマイル』の新録盤の発表と、今年1月〜2月にかけてのブライアンの『スマイル』ツアーでの来日もあり、日本でも再びビーチ・ボーイズ熱再燃といった様相を呈してきた。それに加えて7月31日には、マイク・ラヴとブルース・ジョンストンによるビーチ・ボーイズの14年ぶりとなる来日（フジロックフェスティバル '05）も控えており、さらにこれに合わせたリリースも相次いでいる。そこでこのコーナーでは、ビーチ・ボーイズやブライアン・ウィルソン関係の作品や書籍などから最近リリースされたものを中心に取り上げてみた。是非これを機に、ビーチ・ボーイズのサウンドやハーモニーの素晴らしさを改めて実感して頂けたらと思う。
Text by 土橋一夫（編集部）
（初出『Groovin'』2005年6月25日号）
ライアン・ウィルソン
『スマイル DVD』
ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
DVD（2枚組）
WPBR-90482〜3
¥6,900（税込）
来日公演も大成功させ大きな話題となったブライアン・ウィルソン。本作は彼がL.A.で行った「スマイル」ツアーの模様と、デヴィッド・リーフ監督によるブライアンの伝記映画「ビューティフル・ドリーマー」をカップリングした豪華DVD。ボーナス映像にはヴァン・ダイク・パークスとブライアンの対談やロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのハイライトなど見逃せないシーンも満載！
ブライアン・ウィルソン
『スマイル』
ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
CD
WPCR-11916
¥2,625（税込）
長らくオクラ入りとなっていたあの幻の『スマイル』が、昨年初めてその全貌を明らかにした！しかもブライアン・ウィルソンのソロ名義の新録作品として。来日公演でも証明されたその内容は、37年前のコンセプトでありながら斬新な優れたもの！楽曲の美しさ、楽器編成、コーラス・ワーク、どれをとっても素晴らしい。日本盤はボーナス・トラック2曲追加。
ビーチ・ボーイズ
『サウンズ・オブ・サマー
ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ』
東芝EMI
発売中
CD
TOCP-67657
¥2,300（税込）
※3ヶ月限定特別価格
昨年アメリカで発売された本作は、ビーチ・ボーイズの全米トップ40ヒットのうち上位30曲をCD1枚に凝縮した充実の内容で、全世界で200万枚以上の売り上げを記録。62年の「サーフィン・サファリ」から88年の「ココモ」まで、レーベルを越えて網羅された選曲とその流れは無理もなく、魅力的だ。今年のフジロックでビーチ・ボーイズ体験をされる方には、その予習編としても最適。
ビーチ・ボーイズ
『サイツ・アンド・サウンズ・オブ・サマー
ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ』
東芝EMI
発売中
CD+DVD
TOCP-67658
¥3,800（税込）
『サウンズ・オブ・サマー』のCDにDVDをプラスした、豪華2枚組。このDVDには64年の「ザ・タミー・ショー」の出演映像4曲（一部初製品化）や、66年の「スループ・ジョン・B」と『ペット・サウンズ』のPV、67〜68年のハワイ公演とイギリス公演から「神のみぞ知る」のライヴ・モンタージュに、68年の「エド・サリヴァン・ショー」から2曲の計10トラックが収録され、マニアも見逃せない。
ビーチ・ボーイズ
『エンドレス・ハーモニー』
東芝EMI
7月6日発売
DVD
TOBW-3251
¥3,800（税込）
カール・ウィルソンが亡くなった直後の98年に制作されリリースされた本作は、『アン・アメリカン・バンド』と並んで称される、ビーチ・ボーイズの優れたドキュメンタリー作品。バンド結成から98年までを追い、幻の『スマイル』関係も含む貴重な映像も多数あり。しかもDVD化に際して「フレンズ」のPVなどレアなボーナス映像も追加された、ファン必見の1枚。価格も安くなって、再リリース！
ビーチ・ボーイズ
『サーフィン・U.S.A.』
東芝EMI
7月6日発売
CD
TOCP-53525
¥1,500（税込）
※3ヶ月限定特別価格
63年にリリースされた初期ビーチ・ボーイズの代表作にして、全米3位を記録した「サーフィン・U.S.A.」や美しいバラード「ロンリー・シー」などサーフ・サウンドを堪能できる1枚。この頃からブライアン・ウィルソンがソングライティングの面でも頭角を現すことに。「ミザルー」などのインスト曲5曲も彼ららしいサウンドで、まさに夏を満喫できる永遠の名盤。3ヶ月限定特別価格の廉価盤としてリイシュー！
ビーチ・ボーイズ
『ペット・サウンズ』
東芝EMI
7月6日発売
CD
TOCP-53502
¥1,500（税込）
※3ヶ月限定特別価格
66年発表の名盤にして、ブライアンのソングライター／プロデューサーとしての才能を世に知らしめた本作が廉価盤でリイシュー。「神のみぞ知る」に代表される美メロと、ロックやポップスといったジャンルの枠を超えたアレンジは、本作を唯一無二の芸術作品に昇華させた。なお公開中のドリュー・バリモア／アダム・サンドラー主演の映画『50回目のファースト・キス』挿入歌として、「素敵じゃないか」が使用されている。
キース・バッドマン・著／宮治ひろみ・訳
『ザ・ビーチ・ボーイズ・ダイアリー』
毎日コミュニケーションズ
7月25日発売
書籍
A4版変形／550ページ
¥3,990（税込）
昨年秋にイギリスで出版された、ビーチ・ボーイズの活動とその歴史を詳細に調べ上げ、ダイアリー形式で克明に記したバイオグラフィー本が遂に日本語版で登場！スタジオでのブライアンやバンドの様子に加え、ライヴの模様やバックステージなどを収めたレアな写真や、レコーディングに参加したミュージシャン等の情報を記録した当時のAFMシートなど、今まで見られなかった貴重な資料も満載。情報量は圧巻！
