Leyona

テーマはAFRICA＋ASIA＝AfricAsia（アフリケイジャ）。
Leyonaのニュー・アルバム『SPICE！』はグルーヴィーなサウンドに
彼女のオーガニックな歌声が映える抜群の1枚。

（初出『Groovin'』2005年7月25日号）

　この原稿が『Groovin'』に載る頃はもう夏真っ盛りでしょうが、只今梅雨の真っ最中…にもかかわらず暑い！「本当に梅雨時なの？」と疑ってしまうくらい雨は降らないわ、熱帯夜のような日が続くわで、早くも夏バテ気味…。そんな時、運良くゲットできたLeyonaのニュー・アルバム『SPICE！』。どんなに暑くてもこれを聴ければ、暑さも心地よく感じてしまうから不思議だ。
　Leyonaといえば、今年4月にミニ・アルバム『NU WORLD』、6月にニュー・シングル『新世界』をリリースしたばかり。そして早くもフル・アルバムが発売されるとは、彼女の止めどもなく溢れてくる音楽への思いからすれば自然の流れなのかもしれない。まさに驚異のリリース・ラッシュである。
　そんなLeyonaの溢れる熱情を満喫できるニュー・アルバム『SPICE！』。今作のテーマは、AFRICA＋ASIA＝「AfricAsia」（アフリケイジャ）。この聞きなれない言葉は、彼女が敬愛する黒人音楽にアジア人としてどのように新しい音楽を作り出しアプローチするか、というテーマから作られたもの。また本作も前作に続いてプロデューサーに朝本浩文、元ロッキン・タイムの山本タカシとアフリカ・セネガル出身のパーカッション奏者、ラティール・シーと共に結成された制作チームという布陣。Leyona自身も大好きなサーフィンに向かうウキウキ感がグルーヴィーなサウンドと共に伝わってくる「Have Mer-Sea」、大地から湧き上がる生命力の強さを感じる「太陽は知ってる」、パーカッションとギターの優しい音色にのせて過ぎ去った恋が綴られる「夢に吹く風」、Leyonaの故郷である広島の風景を歌った「R185」、これぞAfricAsia！と思わずにはいられない「Unity」など心地よいナンバーと共に、先行シングル「新世界」からも伝わる内面を深く追求した「Searchin'」「Eternity」など、聴き逃せないナンバーが収録されている。
　この夏は"FUJI ROCK FESTIVAL '05"他、多くの野外イヴェントに出演予定のLeyona。この夏は、彼女の歌声がきっとあなたの生活の"SPICE"となるはず！

Text by 大野裕子（パルシェ店）