RIP SLYME

RIP SLYME、メジャー・デビューからの活動を振り返るべく
初のベスト・アルバム『グッジョブ！』をリリース！
こりゃもう、「マジやばいくらい、いいぜ」!!!

（初出『Groovin'』2005年8月25日号）

　まさに『グッジョブ！』（＝GOOD JOB!）を実感するアルバムである。気付けば、RIP SLYMEもメジャー・デビューを果たしてから約4年半、今やいわずもがなのJ-HIP HOPの頂点に立つアーティストとなった。そんな彼らの、デビュー・シングル「STEPPER'S DELIGHT」から最新シングル「黄昏サラウンド」までのシングル全曲と、インディーズで再発された「マタ逢ウ日マデ」他、15曲をほぼ時系列に沿って収録したベスト・アルバム、しかも"初のベスト・アルバム"ともなれば、何を買い迷うことがあるだろうか!! RIP初心者には最適な作品だろうし、すでにお好きなアナタにも新曲2曲に加え、初回盤にはボーナス・トラック1曲がプラスされ、更にはお馴染みの豪華特典アリと、こちらも抜かりない"グッジョブ！"が施されているので、迷わずこのアルバムを手にして欲しい。
　正直、J-POPにおいてHIP HOPというジャンルがここまで定着するとは思わなかった。個人的にはメロディーの受け皿に見合った言葉数を良しとしていただけに、ラップ特有の韻を踏む遊び要素は斬新に感じても、それでもやはりメロディーと歌詞がストレートに飛び込んでくる方がしっくりきていた。けれど、RIP SLYMEだけは妙に気になっていたのである。彼らのサウンドにはHIP HOPで括るには表現しきれない、斜に構えた体にもスルリと入り込んでくるようなポップス要素があったからだ。この人懐っこさといったら…気付けば体でビートを刻み、言葉は曖昧でもその馴染みやすいメロディーを口ずさんでいたほど。そんな抜群のノリの良さは冒頭の「STEPPER'S DELIGHT」「雑念エンタテインメント」の2曲で既に十分伝わるだろうし、続く「One」のメロウな切なチューンに、HIP HOPの概念を完全に打ち破られる事だろう。その他にも、ファンク・フレイヴァーの満載の「FUNKASTIC」、ボッサ調の「楽園ベイベー」、ドラムンベースを大胆に盛り込んだ「JOINT」など、DJ FUMIYAのトラック・メイカーとしての飽くなき探究心は、毎回私たちに期待以上の充実感をもたらしてくれた。
　RYO-Z、ILMARI、PES、SU、DJ FUMIYA…この4MC＋1DJである限り、どんなサウンドであろうとRIP SLYMEには変わりない。それはポピュラリティに富んだトラックに加え、個性豊かな声色を持つ4人による絶妙なMCがあってこそなし得た"奇跡"なのかもしれない。これからも彼らは、オリジナリティに磨きをかけて、我が道を突き進んで行く事だろう。ボヤボヤしていると置いて行かれるぜ！さぁ、急いでこの『グッジョブ！』でRIP SLYMEを予習&復習せよ!!
　また、別冊『Groovin'』にて本作『グッジョブ！』を更に大研究！発売日に店頭にて配付するのでこちらもお見逃し無く！

Text by 浜田幸子（編集部）