ARTIST PICK UP
川江美奈子
心で言葉を感じました。
"しあわせ"について、ふと考えたときに思ったこと…。
ちょっぴり、自分を好きになってみてください。
(初出『Groovin'』2005年8月25日号)
まっすぐな言葉で綴られた"しあわせ"を、彼女なりに表現した楽曲なのではないだろうか。誰でも口では色々言っても、心の中では"しあわせ"になりたいし、"しあわせ"を追い求めていると思う。でもそんな"しあわせ"の中にだって、ふと疑問に思ったりすることって無い?この「しあわせ」という楽曲には、それについての明確な答えというわけじゃないけれど、ちょっとしたヒントになる何かが詰まっていると思う。
「しあわせ、走りだしたい衝動」…というフレーズが出てくるんだけど、なんか分かる!ふふふっって感じだなぁ。"しあわせ"な時って、どこかふわふわとするっていうか、ちょっぴり落ち着かない感じって無い!? そわそわ、ドキドキ。そんなときのキモチを、コレだよ!って感じで表現してくれているように思う。…どうかな?なんか好きだなって思ったので、はじめにこんなお話から入っちゃいましたが…。
川江美奈子というシンガー。イメージの中では、かなりまっすぐで自分をしっかり持った芯の強い女性だったんだけど、この「しあわせ」という楽曲を聴いてからはちょっぴり変わった。しっかりとした芯の強さと言うのは変わらないけれど、川江美奈子という人は、いつも自分を探してる人なのかなぁ?と。もしかしたら、自分探しの最中にふと心に浮かんだ"しあわせ"とは?という言葉を、彼女なりのイメージで手繰り寄せて綴ったのであろう、ものすご〜く素直な心を感じる。きっと、彼女の一番純粋な気持ちが込められてるんじゃないかな。
そしてやはり川江美奈子というシンガーについて、特に伝えなければならない事。それは声。ただのキレイな声っていうのはよくあるでしょ、この世の中。でも彼女の歌声には、また聴きたくなるあったかさ、それがあると思う。ずっと聴いていたいというよりも、心にふっと沸き上がってきて、体というか心が自然に聴きたいというキモチになる。そんな声だと思う。聴けば聴くほど、心の中に芽生えたあったかさ、みたいなものが育っていく。初めて聴いた時よりも段々と印象が強くなっていく…そんな感じかな。
そんな彼女が紡ぎだした「しあわせ」という楽曲。心にすっと溶け込む感覚が気持ちいいと思う。感覚で、「あ、分かる」って伝わってくる感じ。自分に足りなかった何かに満たされる感じ…分かるかな?少なくとも私はそんな風に思うんだけど、どうかな?そして彼女の楽曲の多くはピアノの音色が印象的なんだけれど、今作ではギターの音色がとても心に響いてくる。前作までとは印象がまるで違うようにも感じる。そして、ギターの音色もどこまでも優しくて、彼女の声がどこまでも誠実で、思わず目の奥がじんわりときてしまった。こういう優しさを感じられる事って、それも1つの"しあわせ"だと思う。彼女の歌声には、私たちにちょっぴり"しあわせ"のきっかけをくれる何かがある。その何かを捕まえられるかどうかは、それぞれの心次第だけど、感じてくれたら嬉しい。
ちょっぴり自分を信じて好きになってみたら、どうだろう。心が震えるって分かる?彼女の歌声を聴いたとき、それを感じられたあなた、ちょっぴり自分のことを愛してあげられたのかもしれないね。そしたらちょっぴり他の人にも優しくなれるかもしれないよ。
Text by 有田幸恵(すみや本店ソフト館)
『しあわせ』
Dreamusic
9月7日発売
Maxi Single
MUCD-5080
¥1,050(税込)
まっすぐな言葉と純粋なメロディで綴られた、心がほわっとなる楽曲。川江美奈子の、心に直接響く歌声と優しいギターの音色とが、心の奥底に染み込みます。"しあわせ"について誰でも感じる事、思う事をまっすぐな言葉で表現しています。NHK23時連続ドラマ「ダイヤモンドの恋」EDテーマ。必聴盤。
【川江美奈子 Official Website】http://www.minakokawae.com/