ジョン・レノン

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ジョン・レノン

生誕65周年、没後25年を経過して
なお色褪せないジョン・レノンの永遠の名曲を集めた決定盤、
2枚組ベスト・アルバムが登場!

(初出『Groovin'』2005年9月25日号)

ジョン・レノン-A.jpg ロック史上、いやポピュラー・ミュージック史上最高峰のバンド、ザ・ビートルズのメイン・ソングライターとして切磋琢磨を続けたポールとジョン。バンド解散後は2人は全く別の道を歩み、残念ながら新たな創作を続けているのはポールのみであるが、奇しくも日本における今年の9月は、ポールのニュー・アルバムと、ジョンのベスト・アルバムが揃うこととなった。それこそあらゆる世代のリスナーに対して自分の表現を発表するチャンスにいまだ恵まれているポールに比して、過去を顧みることしかできないジョンの作品が今もなお愛され、期待し続けられているのはなぜか。もちろんお互いの楽曲はすべて素晴らしいことを前提にあえて言わせてもらうならば、紆余曲折はありながらもバランスを取りながら作品を生み出し続けているポールに対して、自分の感情の振幅をそのままストレートに表現し、ある種の青さ/幼さ/もどかしさといった、我々が恥ずかしがり、外に出せない感情をダイレクトに表現していたジョンの楽曲に、特に若い新しい世代が次々にやられていることにあるのではないか。
 CDショップで洋楽コーナーを見ているような30代以上のファンは、今聴いているものがどんなジャンルであっても、ビートルズやジョンのベスト盤は家のラックに入っていそうなものである。それでもリリースが続くのは、それこそ孫の代にあたる若いリスナーにも届けることで、ジョンを知らない世代にも彼の魅力を発見してもらいたいのだろうし、最新リマスター音源でのリリース、更には2枚組という本作に、過去のベスト盤を持つファンにも楽しめる内容になっているからである。
 おそらく単品のアルバムとしてはこれ以上ない、バランスのとれた(もちろんコアなファンからはあれがない、これがないというのがありそうだが、そういう方はオリジナル・アルバムの再発作品をどうぞ)選曲には、だれもが一度は耳にしたことのあるスタンダード・ナンバーがずらりと並び、初めての方にも頭から最後まで楽しめる内容となっている。今、あらゆるジャンルで洋楽お手軽コンピレーションが多くリリースされているが、ある意味このアルバムも1アーティストのベスト・アルバムながら、ロック・ポップの最強"コンピ"であることは間違いない。

Text by 作山和教(宇都宮FKDインターパーク店

『決定盤ジョン・レノン~ワーキング・クラス・ヒーロー』
ジョン・レノン/決定盤-J.jpg




東芝EMI
9月30日発売
CD(2枚組)
TOCP-67782〜3
¥3,500(税込)

ジョン・レノンを聴いてみたい、既発のベスト盤しか持ってないという方に最高の最新ベスト・アルバムがリリース。2枚組38曲、最新リマスター音源からチョイスされた楽曲は全てがグレイト。日本盤の初回特典は、紙サックパッケージ仕様+オノ・ヨーコ最新インタヴュー付。

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