コブクロ

ARTIST PICK UP

コブクロ

これまで大切に育てられてきた「桜」がメジャー・シングルとして発売。
春を待つこの時期にこそ、たくさんの人へ届くことを願ってやまない、
強さと優しさを併せ持った、永く聴き続けていきたい名曲。

(初出『Groovin'』2005年11月25日号)

 これまで、ライヴの定番曲として歌い続けられてきた「桜」。この曲は、1998年の9月、コブクロを結成するきっかけともなった一番古い曲であり、ファンの間ではもはや言うまでもないほど有名な、コブクロの代表曲とも言えるほどの曲。そしてどの曲よりも数多く、あらゆる場所で歌われてきた曲でもある。アルバムではインディーズ時代の『Root of my mind』(2000年3月発売)に収録されている。
 「桜」「さくら」「サクラ」…毎年春が来ると、同じ花の名前がつけられた新しい作品がリリースされる。新しい季節をもっとも強く感じさせ、私たちが触れることのできる「四季」というものを何より象徴している花だからだろう。けれどコブクロの「桜」は春ではなく、今この時期に私たちのもとに届けられた。その理由は…「僕等の『桜』は、冬の寒さに打ち拉がれない花です。だから、どうしても冬にリリースしたかったのです。冬を越え、そして春が来た時、一人でも多くの人の心にこの曲が咲いている事を願って…」(by コブクロ)。
 桜の花が咲く様子や散っていくさまを歌った曲は多い。けれどコブクロの「桜」には、そうやって花を咲かせる「まで」の様子が、さまざまな言葉で描かれている。さらに、自分自身を桜の花に置き換えていたり、大切に持ち続けている思いや大事な人を花に例えていたり、「桜」そのものを前にした時の沸き上がるコブクロ-A.jpg感情までも、見事に歌い上げている。きっと今作の中に描かれたさまざまな様子の桜は、人が生きていく上でとても重要な「強さ」「優しさ」そして「感動」といった「理想」そのものなのだろう。この曲のように、大切なことをいつも忘れないように生きていきたい、生きていこう……彼らの見事なハーモニー、そして気さくな人柄、温かさに溢れたライヴでこの曲を聴くたびに、何度も何度もそう思ってきたことを、改めて今作で思い出した。
 これまでも幾度と無くレコーディングを試みてきたという今作だが、まだその時の自分達の力では、この曲の持つ魅力のすべてをCDの中に収めきれない事がわかり断念してきたという。2001年のメジャー・デビューから早5年…昨年からはセルフ・プロデュースもこなし、少しずつ自信をつけてきた彼らが、ファンはもちろん、彼らをとりまく多くの人たちと一緒に大切に育ててきた「桜」は、作品の中にもあるように、長い時間を超えて春を迎えた。正直なところ、もしかしたら「桜」はこれから先も、ライヴでのみ耳にできる特別な曲なのかもしれないと思っていた。なので実はちょっとした淋しさを一瞬感じてしまった。なんだか隣にいてくれた人が遠くに行ってしまうような…。けれど同時に、これからより多くの人にこの曲の素晴らしさが伝わることへの期待感も強く持つことができた。
 コブクロにとってもファンにとっても、とても大切な思いの詰まった「桜」。曲の中で歌われている「さくら」は、誰の中にも「咲くLove」でもある。寒さも少しずつ増して、温かさというものに敏感になってくるこの時期、そっと届けられたこの曲が、改めて自分にとって本当に大切なもの、大事な人を思い出させてくれることだろう。

Text by 二宮万里(編集部)

『桜』
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ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
Maxi Single
[初回盤]DVD付 WPZL-30036 ¥1,500(税込)
[通常盤]WPCL-10238 ¥1,200(税込)

長い間ライヴの定番曲として育てられてきた「桜」が遂にメジャー・シングルとしてリリース。コブクロを語る上で外すことの出来ない、永く聴き続けていきたい名曲です。この曲を聴いて、あなたは何を、誰のことを思い出しますか?初回盤のみ「桜シート」封入。DVDには「桜」のVideo Clipとメイキング&秘蔵映像を収録。

※写真は左が[初回盤]、右が[通常盤]です。

【コブクロ オフィシャルホームページ】http://www.kobukuro.com/

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