bonobos

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bonobos

全編をつつみ込むグッド・ヴァイブレーション、
そして眩いばかりのメロディと、差し込む陽の光のように僕らをやさしく照らす言葉。
これぞbonobosが奏でる「光り輝く毎日のためのサウンド・トラック」!

(初出『Groovin'』2005年11月25日号)

bonobos-A.jpg 今年の夏も、たくさんのフェスでたくさんのスペシャルな瞬間が生まれた。その中のひとつ、たとえばフジロックで、フィールドを埋め尽くすオーディエンスを揺らしたbonobos(以下、ボノボ)の「THANK YOU FOR THE MUSIC」は、この夏の笑顔と共に僕らの心に刻み込まれるアンセムとなった。「街のざわめき」や「夜の闇」、その「すべてをつなぐメロディーと/今歩いていくよ」と高らかに歌われるこの曲は、音楽を愛するすべての人のど真ん中に届くホントに普遍的な名曲で、ボノボの決定打となった。
 そして、そんな勢い溢れるボノボから早くも新しい音楽が届いた。『GOLDEN DAYS』、全6曲34分。「THANK YOU〜」を含む2ndアルバム『electlyric』から半年、ツアーやフェスで得た強固なグルーヴと自分たちの音楽への確信、そして新たなるチャレンジに満ちた素晴らしい作品だ。なんと言っても『GOLDEN DAYS』というタイトルが素晴らしい。ボノボの音楽が持つ本質的にポジティヴな空気や零れ落ちんばかりの幸福感、そしてメンバーの5人の佇まいやパーソナリティーがこれ以上なく表れたタイトルだと思う。レゲエやダブをベースにしながら幅広い要素を貪欲に取り込んできたボノボは、その鮮やかなサウンドの先進性だけでなく、誰もが口ずさみたくなるポップな歌メロと美しい日本語の響きを併せ持っているからこそ、僕らの心を掴んで放さない。どこか懐かしさを覚えるメロディーと歌詞、普段の生活の延長線上にある音楽、つまりは『GOLDEN DAYS』=「光り輝く毎日」のためのサウンド・トラックなのだ。
 ヴォーカルの蔡忠浩とギターの佐々木"コジロヲ"康之がそれぞれ3曲ずつ書いた今作は、ボノボらしいキラキラしたメロディーと柔らかな想いに溢れている。そして、それぞれに描かれる日常の風景は、5人のメンバーによって奏でられた瞬間に共振を呼び起こす。3曲目の「運命の人」にこんなフレーズがある。「見えない力が舞い降りてくるのさ/どんな日にもずっとあなたを優しく照らすよ」。ボノボの音楽を聴いていると、普段は形にならない様々な想いが手に取れるモノとして感じられる。柔らかな太陽の光や窓から吹き込んでくる風、張りつめた夕暮れの空や誰かの住む町に浮かぶ月、夜明けの匂い。そんな毎日の暮らしの中で生まれる幾つかの瞬間にフッと感じるもの、願いや祈り、信じること、そして愛することがボノボの歌には確かに存在している。
 このややこしくこんがらがった世界では、毎日を生き抜いていくのにやっぱりしんどくなる時だってある。「悪い予感」なんて何もなくても、この世界のどこかで今日も誰かのもとに「悲しい便り」が届いている。僕らは、"知らない"というだけでやり過ごしていたり、"知ろうとしない"ことで誰かを傷つけてはいないだろうか。僕は強く思う…誰かを信じることは時にとても辛く厳しいことなのかもしれないし、何かを知ろうとすることはホントに勇気がいることなのかもしれない。でも僕らにできることは目の前のキミを愛することだけだし、誰かを愛すること、信じることが僕らを繋げていく。ボノボも歌ってるじゃないか、「今きみを照らしてんのが/愛っていうのさ ホントだぜ」ってね。

Text by 鈴木 篤(すみや本社 営業企画部)

『GOLDEN DAYS』
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Dreamusic
発売中
CD
MUCT-1015
¥1,500(税込)

傑作アルバム『electlyric』から半年、全国ツアーや夏フェスを経てそのグルーヴは高まるばかり!そんな勢いと充実度をギュッと閉じ込めたbonobosのニュー・アイテムが早くも登場!全編に満ち溢れるポジティヴな空気は変わらずに、新しい魅力満載の全6曲!

【bonobos オフィシャルサイト】http://www.bonobos.jp/

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