ARTIST PICK UP
MO'SOME TONEBENDER
MO'SOME TONEBENDERがシングル『ペチカ』に続き、ニュー・アルバムをリリース!
今作は骨太ロックはもちろん、いつ聴いても何か心に残る感情豊かなもの。
あなたはアルバムを聴いて、何を思う?
(初出『Groovin'』2005年11月25日号)
私が今年のSUMMER SONICで一番楽しみにしていたのが、MO'SOME TONEBENDER(モーサム・トーンベンダー)だった。彼らは3ピースとは思えないぐらいに骨太なロックを鳴らし、そしてまたそのグルーヴをもって、大いにファンを沸かしているバンドだ。そして、その日見たどのバンドより素晴らしいステージングで、私的にも彼らがベスト・アクトだった。
言うまでもなく、MO'SOME TONEBENDERは生粋のライヴ・バンドだ。彼らは自分たちの立ち位置をライヴ活動によって作り上げて来たと言っても過言ではない。そんな彼らだが、今年は何故かライヴの本数が極端に少なかった。少なくとも今年前半は、本当に数えるぐらいしかなかったと思う。勘のいい人たちは「これは何かあるな」と思っていたかもしれないが、まさに大正解!10月にリリースされたシングル『ペチカ』に続き、なんとフル・アルバム『Rockin' Luuula』をリリースする!
アルバムは透き通った、どこかはかないギター・ストロークから始まる。そこに百々氏の繊細なヴォーカルが乗っかった瞬間、真っ白な世界に引き込まれ、それと同時に頭も真っ白になって歌詞がスーッと入ってくる。曲の後半ではバンドによる熱い演奏が始まり、この流れるサウンドが何の抵抗も無く全身の細胞へと行き渡る。続く「ロッキンルーラー」のカッティング混じりのギター・リフ。もう一気にテンション上がってしまう!シンプルな4ビートのドラムにカッティング混じりのリフというシンプルさで、初めて聴いた人でも自然と体が反応するはず。ここではピアノも絡んできて、よりダンサブルなロッキンビート・ナンバーに。ちなみに、このピアノを弾いているのは椎名林檎!また彼女は「マッシュポテト・ブギー」でもゲスト参加している。続いて百々氏使用の"赤のムスタング"をモチーフにしたと思われる「Red Guitar C'mon」(歌詞が微笑ましいッス)。個人的に中盤のハイライト「Have you ever seen the stars?」は、イントロから既に名曲の予感。幻想的なライティングが似合いそうな切ないナンバー。冬の澄んだ夜空にポツンといるような寂しさも感じる。
終盤にはトカゲについて本気で歌う「トカゲ」や、この曲のレコーディングは絶対に気持ち良かっただろうな、と思うぐらいにフラストレーションを爆発させている歌詞が印象的な「ボルケーノラブ」、そして私的にオススメなのが「happy icecream」!とにかくノレる!ベースが全体をグイグイ引っ張るナンバーで、コーラスも図太い声で「happy icecream」と連呼。それを聴いて「あぁ、ライヴではきっとベースの武井氏がコーラスをするんだろうなぁ〜」と思い、この次の武井氏は一体どんなステージ衣装なのか…?とまで考えさせてくれるライヴ向けナンバーとなっている(爆)。ちなみに私がサマソニで見たときは"レスラー風"の衣装で、なぜか受身も取っていた!そして、この怒濤のモーサム・ロックの波が終わると、切ないサウンドと歌詞が涙腺を刺激する「ペチカ」。この曲でアルバムは締め括られている。
この1枚のアルバムの中に様々な世界、感情が共存している。時にハッピーに、時に可愛らしく、時にワイルドに、そして時に切なく…。私はこのアルバムで幾つもの世界を旅した。あなたも是非!
Text by 野村 翼(鎌倉深沢店)
『Rockin' Luuula』
コロムビアミュージックエンタテインメント
12月7日発売
CD
COCP-50879
¥2,940(税込)
MO'SOME TONEBENDERのニュー・アルバム!彼らの豊かな感性でいくつもの世界が作られ、その全てに共通するのはバンドの放つ圧倒的なグルーヴ感!ズッシリとした骨太ロックから繊細なナンバーまで、これを聴いて何も感じないなんて嘘でしょう!初回盤は特殊パッケージ仕様。
※写真は通常盤のジャケットです。
【MO'SOME TONEBENDER official webs site】http://www.mosome.com/