柴咲コウ

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柴咲コウ

柴咲コウ、前作『蜜』より約1年10ヶ月ぶりとなる
待望のニュー・アルバム『ひとりあそび』がついに登場!
思わずニヤケてしまうような、アーティスト性の高い作品に仕上がっています。

(初出『Groovin'』2005年12月25日号)

柴咲コウ-A.jpg 日本中を感動の嵐に包み込んだ「世界の中心で、愛をさけぶ」。小説、映画、TVドラマと、全てのメディアに絡んだ人間として、広告塔"柴咲コウ"をマスコミはこぞって取り上げた。小説に対するコメント、個性的な演技力、ドラマをより魅力的なものに演出してしまう歌唱力。2004年の"セカチュー現象"が盛り上がるに連れて、もはや柴咲コウは日本を代表するエンターテイナーとなっていった。そんな彼女をブラウン管で見つけるたびに嬉しく感じていた反面、いち音楽関係者としての、不安のようなものを感じてならなかった。
 彼女の1stアルバム『蜜』は、"伸び盛りのタレント・柴咲コウ"がリリースした作品として、各メディアから取り上げられ、そして絶賛され、驚異的な実売枚数を記録した。しかし実際の注目すべき点は、リリース後1年半以上を経過し既にノン・プロモーションと言える状況の現在でも、地道にそのセールスを伸ばしているということである。もはや「使い捨ての音楽」という有難くない汚名まで付けられている現在のJ-POPシーンにおいて、長い期間に渡り、多くのリスナーを増やすことのできる作品を生み出すということは、トップ・ミュージシャンと言われる人たちでさえも非常に困難とされている。そう分析するならば、"タレントが出したCD"なんて肩書きが1年以上もの間、この世の中で通用するほど甘くは無いことがご理解いただけるのではないだろうか?それ程に彼女の1stアルバム『蜜』は、完成度の高い作品であったと言えるのである。
 そんな前作より約1年10ヶ月…ついに待望の2ndアルバム『ひとりあそび』が届けられた。全11曲中、9曲を柴咲コウ自身が作詞を手掛け、言葉の選び方や使い方も実に豊かに成長していた。そして楽曲の所々にピュアなエッセンスが感じられたり、前作からは想像もつかない大胆なアレンジも加えられたりといった、実にクリエイティヴな作業が随所に施され、アーティスト・柴咲コウの世界観が漂うアルバムに仕上がっている。「今までとは違った音楽にトライしてみよう、といったことが目標であり、とかく自分らしさ、〜流と言われる時代に、あえて〜らしさから離れる事に徹した」とは、制作スタッフのコメントである。事実、大ブレイクしたシングル「かたち あるもの」(ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」主題歌)以降にリリースされたシングル達は、そこそこの実績は上げていたものの、軒並み大きなブレイクを作ることは無かった。それだけ世の中の柴咲コウのイメージは固まっており、本人でも払拭し切れないほどの存在となってしまった感があったと思われる。 
 そう考えると、新作アルバム『ひとりあそび』は、いつしか"ひとり歩き"をしてしまった彼女自身のイメージからの脱却なのかもしれない。そして、アーティスト・柴咲コウ自身が自然に求めている音楽感を充分に楽しめる作品として、全ての音楽ファンを楽しませてくれるであろう。今まで以上に存在感のある柴咲コウの成長が感じられたことが、本作からの何よりの大きな発見であった。

Text by 押尾武史(三島店)

『ひとりあそび』
柴咲コウ-J.jpg




ユニバーサル J
発売中
CD
UPCH-1450 
¥3,059(税込)

約1年10ヶ月ぶりとなる待望のニュー・アルバムがついに登場。なんと作詞は全11曲中、9曲を彼女自身が手掛けるといった自信作!様々なアレンジにも引き立てられ、思わずニヤケてしまうようなアーティスト性の高い作品に仕上っています。

【柴咲コウ OFFICIAL SITE】http://official.stardust.co.jp/kou/

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