シュガー・ベイブ

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シュガー・ベイブ

リリース30周年を記念してのリマスター盤が、
ボーナス・トラック満載で遂にリリース!
山下達郎、大貫妙子、村松邦男らの活動の原点がここに!

(初出『Groovin'』2005年12月25日号)

 今もなお多くの音楽ファンやミュージシャンからのリスペクトを集め続ける伝説のバンド、シュガー・ベイブ。山下達郎、大貫妙子、村松邦男らを擁し、唯一のアルバム『SONGS』を残した彼らの活動は、73年の結成から解散した76年まで実に3年ほどという短期間だったが、75年にリリースされたこの『SONGS』が今年発売30周年を迎えたのを記念して、新たにリマスタリング&ボーナス・トラック収録という形でリイシューされた。実はこの『SONGS』、過去3回リイシュー(規格変更も含めると4回)されてきたが、今回はボーナス・トラックが9曲も収録されており、ファンなら聴き逃せない内容となっている。しかもプロデューサーである大滝詠一による新たなマスタリングで、音質も向上。J-POPSの流れや歴史にちょっとでも興味を持たれた方なら必聴モノの1枚だ。
 シュガー・ベイブの結成は、73年のこと。元々それ以前に組んでいたバンドの解散記念として山下達郎らが72年に自主制作したアルバム『ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY』が、伊藤銀次と駒沢裕城を通じて大滝詠一に渡ったことから、山下と大滝の繋がりが生まれる。その頃、四谷のロック喫茶「ディスクチャート」に山下と共に出入りしていた大貫妙子や野口明彦、そして前出の『ADD SOME〜』からの仲間である村松邦男や鰐川己久雄と共にシュガー・ベイブを結成した山下は、いわゆるはっぴいえんどの解散コンサート「CITY-Last Time Around」にコーラス隊として参加したのを皮切りに、大滝が興したレーベル、ナイアガラからその第1弾として75年にレコード・デビューすることになり、こうして生まれたのがこの『SONGS』だ。
 なお今回は、ニッポン放送でのデモに加え、新たに74年の4月池袋シアターグリーンでのライヴから「想い」「いつも通り」(いずれも初製品化で、「想い」は長門芳郎作詞、小宮やすゆう作曲)、そして「ためいきばかり」のdiff.mix version(稲垣次郎らによるブラスをフィーチャーした今回初出となる別ミックス)と、「SUGAR」のwild mix version(布谷文夫らによるかけ声が違う未発表ヴァージョン)、「DOWN TOWN」のカラオケまで収録されており、既に以前の『SONGS』をお持ちの方でも楽しめる内容になっている。
 本作には若い頃の山下達郎や大貫妙子らがいかに自身が聴いてきたアメリカン・ミュージックの影響を独自に消化し、新たなものとして表現しようとしていたのかを証明する音資料が一杯詰まっている。ソロとして今もなお第一線で活躍する彼らの活動の原点と煌めきが詰まった本作、あなたの耳でその音の輝きを是非ご確認頂きたい。

Text by 土橋一夫(編集部)

『SONGS』〜30th Anniversary〜
シュガー・ベイブ-J.jpg




Sony Music Records/NIAGARA
発売中
CD
SRCL-5003
¥2,100(税込)

リリース30周年を記念して『SONGS』がリマスター&ボーナス・トラック満載でリイシュー!今もなお輝きを失わないサウンドと、楽曲クオリティの高さは、まさにJ-POPSのお手本。その後ソロとして活躍する、山下達郎、大貫妙子、村松邦男らの活動の原点がここに。


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