倉木麻衣

TBS系全国ネット 毎週木曜22時ドラマ「ガチバカ！」主題歌としてO.A.中の
倉木麻衣の2006年第1弾シングル『ベスト オブ ヒーロー』がリリース！
春を待ちわびるこの季節に、一足早く温かな風を運んでくるポップ・ナンバー！

（初出『Groovin'』2006年1月25日号）

　2005年の倉木麻衣は、これまで以上に精力的な活動で世間を賑わし、私たちを楽しませてくれた。作品もコンスタントにリリースし続け、1月には19thシングル「Love,needing」を発表。その2ヶ月後の3月に20thシングル「ダンシング」、6月にも21thシングル「P.S♡ MY SUNSHINE」をリリースするなど、積極的に作品を制作し待ちわびるファンを喜ばせた。そしてその作品全てが、彼女から沸き起こる制作意欲を感じるものばかりで、これまでにない挑戦的な楽曲が多く感じられた。「Love,needing」においては初のセルフ・プロデュース作品で、学業と両立をしながら音楽活動を続けてきた彼女が卒業と同時に音楽活動に専念し、より集中出来る環境とゆとりある時間で生まれる楽曲はどれもふくよかさを増したように感じた。そして、当然シングル・リリースが続けば期待するのが アルバム・リリース。その期待にしっかりと応えるように、8月には通算5作目となるニュー・アルバム『FUSE OF LOVE』をリリース。ダンサブルなナンバーもあれば、しっとりと聴かせるバラードもありと緩急様々な倉木麻衣を感じられる仕上がりは、何倍もアーティストとして成長を感じさせるものだった。9月には全国ツアー「Mai Kuraki Live Tour 2005 LIKE A FUSE OF LOVE」もスタート。「"心と心のつながり"を意識して1会場1会場回ってきた」という彼女の思いはしっかりとオーディエンスへと届き、10月末まで続いた14会場16公演は全て超満員、揺るぎない一体感を感じられる熱いステージとなったようだ。そして間髪入れずに、11月9日には通算22作目となるシングル「Growing of my heart」をリリース。この曲は、読売テレビ・日本テレビ系全国ネット月曜夜7時30分放送のアニメ「名探偵コナン」オープニング・テーマとしても話題となりロング・ヒットを記録した。こうして走り続けてきた彼女の2005年はNHK紅白歌合戦の出演で締め括られる。3年連続出場となったこの年は、全国規模で展開された紅白で聴きたい歌を募るアンケート「スキウタ」による投票によって選ばれたデビュー・シングル「Love, Day After Tomorrow」を披露。彼女の人気を決定付けたこの曲は、デビューから7年経った今でも色褪せる事のない原点の名曲として再び私たちへと強く印象付けた。
　そしていよいよ、2006年の倉木麻衣が始動する事となった。2月8日にシングル『ベスト オブ ヒーロー』をリリースする。タイトル曲は、現在TBS系全国ネット 毎週木曜22時ドラマ「ガチバカ！」の主題歌として絶賛O.A.中。熱血教師と生徒の心の交流を描いたこのドラマ、"バカ"が付くほど一本気で生徒たちにどこまでも真剣に向き合い、毎日が"ガチンコ勝負"の型破りな教師を高橋克典が熱演。どこか冷めた現代っ子の生徒たちに果敢に立ち向かう教師の熱血感が、いつしか生徒たちの心を動かしていく…そんな"現代版 金八先生"的なこのドラマを彼女の歌声で大いに盛り上げている。ドラマにリンクされた歌詞はもちろん倉木麻衣の書き下ろしによるもので、作曲とアレンジは「Stand Up」「feel fine!」を手掛けた徳永暁人（doa）が担当している。彼女を熟知した徳永によるアレンジは、これまで手掛けた楽曲の印象に通ずるもので、彼女の明るくポジティヴな側面を最大限に引き出した、軽快なビートが小気味よい爽やかなサウンドとなっている。春を待ちわびるこの季節に、まるで一足早く温かな風を運んできてくれたような心地よさである。
　人との出会いがあって、その結び目で生まれる何気ない励ましの言葉や、後押しをしてくれるメッセージというのは、いつになっても忘れる事のない大切な宝物だったりする。それは親友や恋人が呟く言葉だったり、家族や恩師からのアドバイスかもしれない。そんなターニング・ポイントに立つ自分を迷いから導いてくれる心の"ヒーロー"、きっとあなたの人生の中にもいるのではないだろうか？この曲は、そんな自分だけの"ヒーロー"をふと思い出させてくれる。笑顔で背中を押してくれるような彼女の歌声のエールはきっと、世代を超えて多くの人の心へと届く事だろう。

Text by 浜田幸子（編集部）