スピッツ

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スピッツ

スピッツ、初の公認・公式コンプリート・シングル・コレクション!
デビュー曲「ヒバリのこころ」から最新シングル「春の歌」まで、
全30枚のシングルを完全網羅した記念碑的アルバム、2枚同時リリース!

(初出『Groovin'』2006年3月25日号)

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 今年デビュー15周年を迎えるスピッツが、その15周年記念日にあたる3月25日に、デビューから今に至るまでのシングル曲を網羅したコンプリート・シングル・コレクション『CYCLE HIT 1991-1997』と『CYCLE HIT 1997-2005』を2枚同時リリースした。いわゆるベスト盤的作品としては、1999年のリリース以来200万枚を超えるセールスを記録した『RECYCLE Greatest Hits of SPITZ』というアルバムがある(現在は生産終了)。しかし、これに収録されているのは1993年の「君が思い出になる前に」から「楓」までのシングル13曲で、スピッツの全体像をつかむにはいささか物足りない部分もあった。そこで今回、デビュー曲の「ヒバリのこころ」にはじまり最新シングル「春の歌」まで全30曲を発売順に並べた2枚のアルバムとして『CYCLE HIT』がリリースされ、僕らファンは過去の楽曲に対して分け隔てなくフラットに接することができるようになった。そうやってはじめて僕らはスピッツというバンドが本来持つ魅力を、その時々のシングル曲を通じて存分に味わうことができるのだ。
 シングル全30曲をこうやって改めて聴いてみると、バンドの基本方針とでもいうべきものがあるとするならスピッツはそれがまったくブレないバンドだなと思う。僕がスピッツをはじめて聴いたのは2ndアルバム『名前をつけてやる』で、草野マサムネというキャラクターにとりわけ強い印象を持ったことを覚えている。圧倒的にポップなメロディと独特な言葉選び、そして一発でそれと分かる歌声が作り出す世界は当時においても充分にオリジナリティ溢れるものだった。はじめて聴くのにエヴァーグリーンな佇まいで、どこか懐かしさを感じさせるメロディは、当時も今も変わらずに多くのファンを惹きつけている魅力のひとつだと思う。そしてもうひとつの魅力はその詞で、スピッツは直接的で生々しい生への肉薄を表現する稀有なバンドだと思う。15年にも及ぶ活動の中で、その都度新しいサウンドを取り入れ様々な表情を見せてはいても、根っこの部分は変わらずに、むしろその強度はどんどん増すばかりだ。彼らの確信は揺らぐことがないんだろう。
 スピッツを聴いているとふっと呼び起こされる記憶がある。10代の頃の記憶。それはたとえば村上春樹が「ノルウェイの森」の中で言っている"少年期の憧憬"のようなものだろう。決して充たされることのなかった、そしてこれからも永遠に充たされることのないイノセントな憧れ。そんなものを抱いていたことさえも忘れてしまった遠い記憶。スピッツは僕らのココロの奥底に隠れているそんな想いを強く、そして激しく揺さぶり続ける。

Text by 鈴木 篤(すみや本社 営業企画部)

『CYCLE HIT 1991-1997
Spitz Complete Single Collection』
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ユニバーサル J
発売中
CD
UPCH-9231
¥2,800(税込)

『1991-1997』は、デビュー曲「ヒバリのこころ」から「スカーレット」までを収録。初回盤は特殊スリーブケース仕様+レア音源「めざめ(空も飛べるはず)」を収録したボーナスCD+アーティスト・フォト・コレクション封入。また『1997-2005』を同時購入の方に、先着でオリジナル・ステッカーをプレゼント。

『CYCLE HIT 1997-2005
Spitz Complete Single Collection』
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ユニバーサル J
発売中
CD
UPCH-9232
¥2,800(税込)

『1997-2005』は、「夢じゃない」から最新シングル「春の歌」までを収録。初回盤は特殊スリーブケース仕様+レア音源「夢追い虫(early version)」を収録したボーナスCD+アーティスト・フォト・コレクション封入。また『1991-1997』を同時購入の方に、先着でオリジナル・ステッカーをプレゼント。

【スピッツ OFFICIAL WEB SITE】http://spitz.r-s.co.jp/

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