レッド・ホット・チリ・ペッパーズ

SPECIAL SELECTION

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ

進化し続ける伝説、感動の2枚組!
レッド・ホット・チリ・ペッパーズが4年ぶりに放つ、問答無用の超大作!
『ステイディアム・アーケイディアム(STADIUM ARCADIUM)』を聴け!!

(初出『Groovin'』2006年4月25日号)

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 ドッドッスタン、ドッドッスタン…。一音でそれと分かるチャドのドラムが8ビートを刻み、ジョン・フルシアンテのカッティングとフリーのベースがすべてを包み込むようにゆっくりと動き出す。そして、7thアルバムのタイトル曲「カリフォルニケイション」を想起させるアンソニー独特のヴォーカルがその上を滑らかに転がり出す。レッド・ホット・チリ・ペッパーズのニュー・シングル「ダニー・カリフォルニア」は、これまでのどんなシングルとも違うメロウでタフで密度の濃い曲だ。この原稿を書いている前日(4月3日)に全世界でラジオ解禁されたばかりだが、僕はこの音源を受け取ってから丸1日リピートし続けている。
 手元に歌詞がないので細部までは聴き取れないが、コーラスでくり返される"California rest in peace(カリフォルニアよ、安らかに眠れ)" "California show your teeth(カリフォルニアよ、笑顔を見せてくれ)"というフレーズがココロの奥に触れてくる。「カリフォルニケイション」「バイ・ザ・ウェイ」から連なる3部作としてひとりの女性を描いたこの曲は、自分たちの出自であるハリウッドやカリフォルニアという都市の光と闇を誰よりも知っている彼らだからこその歌だと思う。
 また一方で、次々と表情を変えながら展開するジョンのギターがグイグイと曲を引っ張っていく。ミドル・テンポでありながらも最後までギリギリの緊張感を持続する様は、前々作『カリフォルニケイション』で獲得した新たなレッチリの魅力だ。たとえばここには『母乳』の頃の破天荒でクレイジーなレッチリはいない。アンソニーの無軌道でマッチョなラップやフリーのバッキバキのチョッパー・ベース、ジョンの耳をつんざくハードなギターもない。『カリフォルニケイション』以降のレッチリはそれらすべてを呑み込んでより自由度を増し、自分たちが表現したいものを自分たちのやり方で曲にしてきた。レッチリがレッチリを超えてきた証左でもあり、その延長線上にこの曲がしっかりと位置付けられる。
 前作『バイ・ザ・ウェイ』以来4年ぶりにリリースされる9thアルバム『ステイディアム・アーケイディアム』は、ジュピター(木星)とマーズ(火星)と名付けられた2枚組全28曲収録のバンド史上かつてない大作となった。残念ながら現時点でシングル以外の曲を聴くことはできないが、大きくそびえ立つアルバムの全貌は文字どおり計り知れない。また、今年の夏には3度目となるフジロックへの出演が決定し、さらには「ダニー・カリフォルニア」を映画『デスノート』(人気コミックが原作の超話題作)に主題歌として提供するなど、かつてない規模で注目度が高まっている。2006年は有無を言わさずレッチリの年になるだろう。
 いつの頃からか、レッチリには"世界最強"というフレーズが付いてまわるようになった。僕は思う。20年以上のキャリアを積み重ねてレッチリが獲得したものは、心から信頼するメンバーとの確かな絆とプレイする喜び、ただそれだけなんじゃないだろうかと。これだけ永きに亘って活動してきたバンドが得たものは、その実本当にシンプルで強固なものだ。レッチリは、世界最高のバンドだと思う。

Text by 鈴木 篤(すみや本社 営業企画部)

『ステイディアム・アーケイディアム』
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ワーナーミュージック・ジャパン
5月10日発売
CD(2枚組)
WPCR-12300〜1
¥2,980(税込)

世界中が待ち焦がれた4年ぶりのアルバムは、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ初の2枚組超大作!映画『デスノート』主題歌となる1stシングル『ダニー・カリフォルニア』も同時発売!その音に唸れ!! アルバムをご購入頂いた方に、先着でB3ポスターをプレゼント。また旧作5タイトルも紙ジャケ仕様で初回限定発売!

【レッド・ホット・チリ・ペッパーズ 日本オフィシャルサイト】http://www.wmg.jp/rhcp/

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