melody.

2年3ヶ月ぶりとなるニュー・アルバム『Be as one』が完成！
日本語と英語をスムーズに行き交う、邦楽、洋楽の枠を超えた全12曲、
melody.の表情豊かなクリスタル・ヴォイスに出会えます!!

（初出『Groovin'』2006年4月25日号）

　透明な中にも色々な色があって、強く発色するものや淡く発色するものもあると思う。melody.の1stアルバム『SIncerely』には、淡く発色する繊細な透明感が宿っていたように思う。そして、この度届けられた2ndアルバム『Be as one』は、1st以上の透明感がある中にも様々な色が見えてくる、凄くカラフルなアルバムになっているように感じる。よりmelody.というアーティストを認識できるアルバムだと思う。
　生粋の日本人でありながらハワイで生まれ育ったmelody.。ネイティヴ・イングリッシュを自在に操る彼女にとって、邦楽、洋楽、ジャンルといった隔たりはもはや無いに等しい。アルバムに収録されている楽曲も、日本語詞と英語詞のものがあるが、アルバム全体を通しても全く違和感を感じることはなく、言語に関係なく全てにmelody.自身のポジティヴな世界観が表現されている。また、リリースまでに2年3ヶ月という長い期間が費やされたアルバムだが、歌声も新鮮さを失う事はない。むしろこれまで以上に女性らしさが増し、透明感に更に艶やかさが加わった事により、アーティストとしての魅力も増したように感じる。melody.の中にある言葉、感情、恋愛、生活、そして生きている事、すなわち未来もひっくるめて、melody.自身が大切に育ててきた感情や事柄を、今作でもストレートに表現している。
　世代を超え、誰もが共感できるmelody.らしさに溢れた歌詞は、決して特別な事を語っているのではない。等身大のmelody.の感じたまま、ありのままを表現している。自らの内面を語るというのは非常に難しい事だと思う。人は内面が成長していくにつれて、こうかつな自分が現れ正直さを失ってしまう…。ところがmelody.の詞の世界にはそういう部分が見当たらない。そのまっすぐさが気持ちいい。時にはベールに包まれた表現もあるが、そんな時でもポジティヴな世界は揺るがない。そして何よりも、表情豊かな歌は1つ1つ丁寧に表現され、キュートな歌声と出会い、素敵なストーリーを創り上げている。甘く、艶やかで、透明感に満ちたヴォーカルは心にスッと溶け込み、聴く者の感情の一部へと昇華していく。様々な場面の一部分を切り取ったかのように、様々なメロディに包まれた『Be as one』は、新たなmelody.の魅力を存分に引き出している。
　未来へ向かって成長し続ける…そんな過程を楽しむかのように、melody.は歌い、そして心から音楽を愛する。本作『Be as one』は、完成したものではなく、これからも変化を遂げていくであろう、melody.の輝く未来までも感じられる作品だと思う。

Text by 有田幸恵（すみや 静岡本店）