河口恭吾

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河口恭吾

ナチュラルな歌声と日本語を大切にした飾らない歌詞で、人々を魅了している河口恭吾。
約10ヶ月ぶりのニュー・シングル『ホントは幸せ』は、
これからの季節にピッタリの軽快なナンバー!

(初出『Groovin'』2006年6月25日号)

恋人の誕生日にお手製のベストをプレゼントする彼女。海を見つめながら寄り添う2人の背中には、手編みのハート・マークが完成する…。今一番イケてる男、速水もこみちが出演するドラマ仕立てのこのCM、バックには「I LOVE YOU」…ここで静かに流れているのは、言わずと知れた尾崎 豊の名曲を河口恭吾が情感豊かに歌い上げたものだが、オリジナルにはない"温もり感"が印象的だ。15秒の胸キュン・ストーリーを更に甘く盛り上げているこの曲は、視聴者に深い余韻を残す。その証拠に、昨年夏のO.A.開始直後から、レコード店やメーカーに問い合わせが殺到、今年2月には、その声に後押しされる形で待望のCD化もされた。有線をきっかけに口コミで人気を呼び、ロング・ヒットとなった「桜」同様、彼の歌声には一瞬にして人々の心を捉えるサムシングがあるようだ。
 2000年にデビューした河口恭吾は、2003年にリリースした1stアルバム『STARS FROM DECADE〜輝ける星たち〜』の中に収録されていた「桜」で一躍注目を集め、以後、コンスタントに作品を発表。2004年には紅白歌合戦に初出場を果たし、日本レコード大賞では金賞&作曲賞も受賞した。同時にツアーにも力を注ぎ、"より多くの人に歌を届けたい"という思いから、滅多にコンサートが行われないような小さな町にも積極的に出向くなど、彼らしいハート・ウォーミングなエピソードも印象深い。そんなきめ細やかな配慮が、幅広い層に受け入れられる所以のひとつなのだろう。
河口恭吾-A.jpg                        さて、着実にステップ・アップしてきた彼が、話題のCMソング「I LOVE YOU」を収録したベスト・アルバムに続き、ニュー・シングル『ホントは幸せ』をリリースする。約10ヶ月ぶりのリリースとなる今作は、これからの季節にピッタリの軽快なナンバー。ナチュラルなヴォーカリゼーションと、カラっとしたアコースティック・ピアノの響きが爽やかなコントラストを描くアップ・チューンだ。「出会ったばかりの僕らはいつでも笑っていたのに/近頃じゃまるでケンカするために会ってるみたいだ」…そんな歌詞で始まるこの曲は、いわゆるマンネリに陥ったカップルの情景を男性の目線から綴った曲で、女性側としてはちょっぴり興味深い内容だ。"僕"は、2人でいることの幸せを見失わないようにしようと、健気に思いを巡らす。"男は釣った魚に餌をやらない"なんてステレオ・タイプなイメージを盲信していた私は、この曲を聴いて目から鱗が落ちた…(と言ったら言い過ぎか)。男は女とカップルになった時点で、それまで恋愛に費やしてきたエネルギーを別な方向に使い、恋人関係になっても尚、2人の距離感をあれこれ考え悩むのは女だけかと思っていたが、意外と男性も苦悩しているのかも…としみじみと思ってしまった。"君の目に今僕はどう見える/本当の言葉で話してよ"と訴えかけるフレーズなどは、何とも微笑ましいではないか。母性本能をくすぐるというか何というか、河口恭吾の新たなる魅力を発見したような気がする。
 久々の新曲で、新鮮な一面を覗かせてくれた河口恭吾。今後の作品がますます楽しみだ!

Text by 池 佐和子

『ホントは幸せ』
河口恭吾-J.jpg



日本クラウン
6月28日発売
Maxi Single
CRCP-10143
¥1,000(税込)

約10ヶ月ぶりのリリースとなるニュー・シングル『ホントは幸せ』。河口恭吾のナチュラルなヴォーカリゼーションと、カラっとしたアコースティック・ピアノの響きが爽やかなアップ・チューン。マンネリに陥ったカップルの情景を男性の目線から綴った歌詞が興味深い。

【河口恭吾 official web site】http://www.miraclebus.com/kyogo/

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