フェア・ウォーニング

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フェア・ウォーニング

6年もの永き眠りから醒め、ついに活動を再開したフェア・ウォーニング!
メロディアス・ハード・ロック・シーンの頂点を極めたバンドの伝説の続きが
再び始まろうとしている…。

(初出『Groovin'』2006年7月25日号)

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 彼らが颯爽とデビューを果たした1990年代初頭といえば、いわゆるグランジやオルタナといった音楽が主導権を握り、HR/HMにとっては最も過酷な時代であった。そんな時代背景もあってか、彼らはこれまでその才能を過小評価され続けてきたように思える。傑作と言われている3rdアルバム『GO!』は、日本だけで10万枚という輝かしい実績を上げているが、これだけの才能を持ち併せながら残念なことに世界的な知名度を獲得するには至らなかった。その後バンドは数々の不運と相次ぐメンバーの脱退により、周知のとおり活動休止に追い込まれたのである。
 しかし彼らが眠っている間に、HR/HMシーンに再び夜明けが訪れようとしている。黄金時代を担った大物たちの活発な動きや、80年代HR/HMの遺伝子を受け継いだ活きの良い若手新人バンドの台頭も相俟って、現在、各地でHR/HMへの熱が次第に高まってきており、フェア・ウォーニングにとっても、正当な評価を獲得するのに申し分ない環境が整いつつあるのだ。そう、彼らにとっては絶好の機会での再結成となったのである。今回再結成の舞台に立ったのは、ウレ・リトゲン(B)、トミー・ハート(Vo)、ヘルゲ・エンゲルケ(G)、C.C.ベーレンズ(Ds)の4人で、残念なことにアンディ・マレツェク(G)の名前はない。しかし、そのことを微塵も感じさせない、完全な姿で彼らは帰ってきたのである。
 相変わらずのズバ抜けたメロディ・センスで叙情的かつメロディアスなフレーズを次々と生み出すウレ。スカイ・ギターの音色をフィーチュアし、確かなテクニックでメロディを紡ぎだすヘルゲ。そして彼らの楽曲にはこの声しかないとさえ思える情熱的なトミーのヴォーカル。6年前となんら変わらない、いや、それをはるかに超越したフェア・ウォーニングの持ち味をすべて凝縮した13曲の楽曲を完成させたのである。ファンの期待する方向性を的確にとらえ、それを形にすることができる才能を備え、頑なに自身のスタイルを貫いてきたフェア・ウォーニング。彼らがより大きな舞台で活躍し、正当な評価を受けるための準備は整った。彼らがその資格を持つ数少ないバンドの1つであると、私は信じている。

Text by 矢部信之(市原白金通り店)

『ブラザーズ・キーパー』
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マーキー・インコーポレイティド
7月26日発売
[初回限定盤]DVD付 MIZP-60005 ¥3,500(税込)
[通常盤]MICP-10604 ¥2,600(税込)

6年の眠りから醒め、ついに息を吹き返した"美旋律の権化"、フェア・ウォーニングの奇跡の復活アルバム。溢れ出る哀愁のメロディと卓越したギター・テクニック、熱く情熱的な歌唱…。活動休止前と何ら変わることのない感動の世界がここにある。初回限定盤は特殊仕様3Dアートワーク+ドキュメンタリー映像を収録したDVD付き2枚組。

【フェア・ウォーニング 日本オフィシャルサイト】http://www.marquee.co.jp/avalon/fairwarning.html

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