マドンナ

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マドンナ

衝撃のドキュメンタリー映画『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ』から15年…。
素顔のマドンナ再び!13年ぶりのジャパン・ツアーに先駆け、
マドンナのツアー・ドキュメンタリーが到着!!

(初出『Groovin'』2006年7月25日号)

マドンナ-A.jpg 「わずか35ドルを持ってN.Y.へやってきた」…あまりにも有名なマドンナのエピソードである。あえて語るまでもないとは思うが、17歳でN.Y.にやってきた時、彼女はダンサー志望だった。歌い始めたのは、ミュージカルのオーディションで歌唱力を評価されてからだ。その後、ディスコのDJ兼プロデューサーに自主制作のデモ・テープが渡り、それが縁でワーナー傘下のサイアーと契約。当時ディスコで流行り(必要不可欠)だった、12inchシングルを3枚作るという契約だった。最初のシングルがダンス・チャートでヒットし、続くシングル「バーニング・アップ」もダンス・チャートでNo.1を記録。そして1stアルバム『バーニング・アップ(原題:Madonna)』をリリースし、続くアルバム『ライク・ア・ヴァージン』では、全米はもちろんのこと世界11ヶ国でNo.1を記録した。折りしもMTVの登場で、ミュージック・クリップが売上げの重要な鍵を握り始めた頃である。そんな事情も手伝って、世界中のいたるところでマドンナのファッションを真似た女の子たちが登場した。   
 それからは、常にダンス・ミュージックの第一線で活躍し続けているマドンナ。一方で、常にスキャンダラスなゴシップがつきまとう。ショーン・ペンとの結婚、そして離婚。「パパ・ドント・ブリーチ」では歌詞で論争を巻き起こしたり、「ライク・ア・プレイヤー」では神を冒涜したとして宗教団体に糾弾されたり。そして衝撃の写真集『SEX』の発売…他にもまだまだ。これ以上書くとDVDの紹介が出来なくなってしまうのでこの辺で止めておくが、ここまででもお分かりのように、マドンナという人は何かを表現するにあたり、誰にでも絶賛されるような妥協したものを作るのではなく、確固たる信念と情熱を持って臨んでいるという志の高いアーティストなのである。結果、ユーザーにどのように受けとめられようと、その事に悩んだり悔いたりすることはない。本当のプロのエンターテイナーなのだ。
 そんな姿をこのDVDでも垣間見ることが出来る。前回のツアー「リ・インヴェンション・ツアー」のダンサーのオーディション風景から始まり、リハーサル、実際のステージでのパフォーマンスが堪能できる。ツアー・メンバーとの交流はファミリーとも言えるような濃密さである。そして、家族とのオフ・ショットは一見の価値あり。夫のガイ・リッチーとの何気ない会話や、2人の子供達とのやりとりは、ステージ上では見せないマドンナの素顔をチラリと覗けたような気にさせる。1991年に公開されたドキュメンタリー映画『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ』の続編とも言われているが、家族を持つマドンナがより鮮明にクローズ・アップされており、ファンだけでなく、さまざまな局面でマドンナを目にしたり、聴いてきた人たちにも是非観てほしい。
 よく"歌姫"とか"ディーヴァ"なんていう表現を女性アーティストにするが、この人はそんな次元を超えている。いつだったか、何かのショウでマドンナを讃えるパフォーマンスがあったのだが、マドンナの扮装をしたダンサー&モデルは全て男性(ドラッグ・クイーンかも)だった。最後にマドンナ本人が登場し、キメのポーズで立つダンサー達をつついて「ふん、女にはムリってことね」というような事を言っていた。さすが、親分です。

Text by 濱田尚子(静岡本店)

『アイム・ゴーイング・トゥ・テル・ユー・ア・シークレット』
マドンナーJ.jpg




ワーナーミュージック・ジャパン
7月26日発売
DVD+CD
WPZR-30163〜4
¥3,480(税込)

13年ぶりのジャパン・ツアーが決定したマドンナのドキュメンタリーDVDとライヴCDの2枚組。前回のツアー「リ・インヴェンション・ツアー」を中心に、ツアーのメンバーや家族とのプライヴェート・ショットが盛り込まれた120分に及ぶ映像。またCDは初のライヴ・トラック14曲を収録。

【マドンナ 日本オフィシャルサイト】http://www.wmg.jp/artist/madonna/

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