湘南乃風

SPECIAL SELECTION

湘南乃風

等身大で無器用なラヴ・ソング「純恋歌」が驚異のロング・ヒット!
ジャパニーズ・レゲエ・シーンを牽引する湘南乃風が、待望の3rdアルバムをドロップ。
4人の男たちによるリアルな"うた"を体感せよ!

(初出『Groovin'』2006年8月25日号)

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 「目を閉じれば 億千の星 一番光るお前がいる」…そんな印象的なフレーズで始まる「純恋歌」。今年3月にリリースされたこのシングルは、ノン・タイアップにも拘わらず根強いヒットを続け、50万枚を超えるセールスを記録している。聴いているこちらが照れてしまうほど、ストレートで飾り気のない無骨なラヴ・ソング。他愛ない日常を背景に、愛する人に対する思いを切々と綴り、弱い自分もバカ正直にさらけ出す。コワモテ(!?)揃いのジャパニーズ・レゲエ界の"切り込み隊長"として君臨する湘南乃風にとっては、ある意味、"冒険"とも取られかねないシングルだったと思う。けれどジャンルの枠を飛び越えたこの曲で、彼らは一気にメイン・ストリームへと浮上。この曲で初めて彼らに興味を持った人も多いだろうし、レゲエうんぬんは関係なく、幅広い層へのアピールになったのは間違いない。「方向転換?」なんて声も聞こえてきそうだが、そういった引き出しは、もともと彼らが持っていたものだ。レゲエというスタイルを追求しつつも、大衆に受け入れられる音楽を作り出せる素養。これまでも、決してレゲエにがんじがらめなスタンスではなく、日本語や日常生活のリアリティーを大切にし、自らの育ってきた環境やバック・ボーンを素直に楽曲に反映させてきた。レゲエと日本カルチャーの絶妙な融合こそが彼らの最大の魅力であり、多くの人に愛される所以なのだ。
 さて、変化球ナシの直球勝負でシーンを引っ掻き回している湘南乃風が、前作より約2年振りとなるニュー・アルバム『湘南乃風 〜Riders High〜』をリリースする。「純恋歌」はもちろん、真木蔵人が監督を務めたPVでも話題を呼んだ「カラス」、強烈なスカ・サウンドと男臭い歌詞が印象深い「覇王樹」といったヒット・シングルを含む今作は、ほとんどのトラックがレゲエの本場ジャマイカでレコーディングされたもの。脇を固めるプロデューサー陣には、Def Techを手掛けたことでも知られるSONPUBや、「純恋歌」のヒットの立役者であるsoundbreakersらが参加。また、湘南乃風ファミリーであるMINMIも、フィーチャリング・ヴォーカリストとしてパワフルな歌声を聴かせてくれている。アコースティック・ギターをバックに真っ直ぐなメッセージが響くメロウ・チューン「いつも誰かのせいにしてばっかりだった俺」を始め、悠々としたビートとコーラスが最高に気持ちいいピースフルなナンバー「Sanctuary」、ホットなリディムが炸裂するアップ・チューン「JUMP AROUND」、ニューオリンズのスタンダード曲「聖者の行進」を取り入れた「Happy Today」等、コテコテのダンスホール・サウンドから切な系ナンバーまで、彼らが持つ"引き出し"を全部ひっくり返して、一番濃厚な部分のみを取り出したようなヴァラエティに富んだ内容だ。ジャパニーズ・レゲエのコアなリスナーはもとより、J-POPファンも十二分に楽しませてくれる作品である。
 今年の夏フェスでも大活躍した湘南乃風は、このニュー・アルバムを引っ提げ、9月より待望の全国ツアーをスタートさせる。日本中を熱くさせている彼らの男気を肌で体感してみて欲しい!

Text by 池 佐和子

『湘南乃風 〜Riders High〜』
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トイズファクトリー
8月30日発売
CD
TFCC-86204
¥3,000(税込)

驚異のロング・ヒットとなった「純恋歌」を始め、「カラス」「覇王樹」といったヒット・シングルを含む待望の3rdアルバム。コテコテのダンスホール・サウンドから切ないメロウ・チューンまで、小細工ナシの真っ直ぐなメッセージ性に溢れたナンバーが満載!初回盤はオリジナル・ステッカー封入。

【湘南乃風 オフィシャルサイト】http://www.134r.com/

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