ORANGE RANGE

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ORANGE RANGE

まるで遊園地のような、音の遊びが詰まったモンスター作品。
前向きな心になれるフレッシュな出来が心地よい、
ジャンルの垣根を超えた、待望の4th ALBUMが遂に完成!

(初出『Groovin'』2006年11月25日号)

ORANGE RANGE-A.jpg ハードなパンクやロックな曲で飛ばしまくり、テクノっぽい宇宙世界やレゲエ調でレンジ・ワールドへとワープさせ、懐かしく親しみやすいメロディで心を掴む。エンターテイメント性を持ち、やりたい放題の今作は、スカッとしたジューシー・オレンジのような傑作だ。
 私はよく、お堅い系のギター・ロックを聴く。自分を追い詰めて生み出された音が重く心に響いてきて、病んでる心を更に病ませる。そこが魅力なのだが、時に傷口に塩を塗り込むようで聴くのが辛い事もある。そんな時には、このアルバムこそ頭を空っぽにして楽しくハイになれる良薬となるのではないだろうか?
 言うまでもなくORANGE RANGEは有名なバンドで、爆発的セールスを記録する売れっ子だ。その反面「何で、このバンドが売れるの?」といった批判も聞く。今時の格好で、今時の言葉を用いた歌詞に、私もチャラついたイメージを持っていた。でも、歌詞を読んだり音を聴いていくうちにわかった事がある。それは彼等の人気は必然で、"とんでもないプラス思考"を持つバンドの音を聴けば、前向きな気持ちになれるということ。アルバム全体を通して、前向きで陽気に生きるエネルギーが漲っている。誰のせいにも、何のせいにもしない、自分に責任を持ってシンプルに生きる真っ直ぐさ。辛いこと全て、自分次第でどうにでもなる。真のプラス思考の世界がここにはある。
 NHKサッカー・ドイツ大会放送テーマ・ソングだった2曲目「チャンピオーネ」では、"でもよく見りゃ皆 悲しみから描き出した 成功 ちっぽけな夢でさえ"と、後ろ向きな気持ちさえ前向きに捉えて進んでいこうとする詞と歌に、爽快な気分になる。グリコ「ポッキー極細」CMソングの、踊り出したくなるような3曲目「DANCE2 feat.ソイソース」のテーマは"意味のわからない曲"というだけあって、めちゃくちゃに展開するテンションがおもしろい。5曲目「BEAUTIFUL DAY」は生活水準があがっているこの世の中でも戦争は未だに起こっているという辛い矛盾がテーマの曲だ。けれど、"壁に囲まれた 部屋に暮らしている となりの部屋から声が聞こえてくる この壁を高くしたのがボクならば ブチ壊せるのもボクなんだ…"と、自分自身で世界は変えられるという前向きな要素が前面に出ている。8曲目「Walk on」では笑う事の大切さ、ハッピーさをしっとりと優しく歌い上げる。尊敬している先輩達と共にノリとパワーで作りあげた10曲目「FIRE BUN feat. GOD MAKING」では楽しさと熱気が伝わってくる。TBS系日曜劇場『鉄板少女アカネ!!』主題歌の16曲目「SAYONARA」では、別れの歌だけどありがとうと、成長していこうという姿勢が潔い。失望や悲しみを歌う中にも、彼らの前向きで包み込むような優しさがある。心に効くビタミンがたっぷりなアルバムだ。
 モチベーションが高く、楽しんで生み出された音は聴く側に伝わる。そして聴く側までも巻き込んで、幸せな気分にさせてくれる、そんな音が詰まっている。音楽は "音を楽しむもの" 。演奏する側がやりたい事をやって素直に楽しんでいるバンド、それがORANGE RANGEなのだと思う。本作はそれを堪能出来る会心作だ。

Text by 星野あや

『ORANGE RANGE』
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gr8! records
12月6日発売
CD
[初回生産限定盤]DVD付  SRCL-6446〜7 ¥3,300(税込)
[通常盤] SRCL-6448 ¥3,059(税込)

大ヒット・シングルや、大型タイアップ曲を含む4th ALBUMが遂に発売!! 初回生産限定盤はDVD付きで、「チャンピオーネ」「Walk on」「Un Rock Star」「SAYONARA」のフル・ビデオ・クリップ他を収録。通常盤はコネクティッドCD仕様(期間限定で特典映像視聴可能!)。

※写真は左が[初回生産限定盤]、右が[通常盤]のジャケットです。

【ORANGE RANGE OFFICIAL WEB SITE】http://orangerange.com/

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