吉田拓郎&かぐや姫

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吉田拓郎&かぐや姫

伝説のコンサートから31年。今年9月に聖地「つま恋」で行われた、
吉田拓郎&かぐや姫によるコンサートを特別編集でDVD化!
"あの頃"と"今"を繋ぐ歴史的記録集。

(初出『Groovin'』2006年12月25日号)

吉田拓郎&かぐや姫-A.jpg 時は21世紀。平成になってからはもう18年。昭和は何年までだったか思い出せないことが度々ある。ブログでは小学生が"あの頃"を振り返っている。そんな時代だ。
 1975年8月。静岡県掛川市のつま恋多目的広場で開催されたオールナイト・イヴェント「吉田拓郎・かぐや姫 コンサート インつま恋」。そして時は流れて、2006年9月。同じ場所で、同じ出演者によるコンサートが再演された。「吉田拓郎&かぐや姫 Concert in つま恋2006」。31年という時間の経過を物語るタイトル。"あの頃"を振り返るには充分過ぎる年月だ。オールナイトには及ばなかったものの、実に8時間を超える長丁場。しかも2組のアーティストによる"ジョイント・ライヴ"としては、異例の3万5千人を集めた一大コンサート。本作はそのライヴ映像を特別編集し、オフステージ、リハーサル映像を交えてDVD3枚にまとめた、「'06つま恋」の記録集である。
 往年の人気バンドの再結成や、「懐かしの〇〇」といった趣向のプログラムでは、ミュージシャンとしての衰え、プロ意識が欠落した同窓会的ユルさ、長いリスナー歴をことさら吹聴したがる信者とその教祖の姿に、気後れしたり、ガッカリさせられたり、居心地が悪いことも多いのだが、このライヴにそんな雰囲気は皆無。吉田拓郎、かぐや姫から放たれる"当たり前の現役感"がそうさせるのだろう。客演として迎えられたロックの不老長寿・ムッシュかまやつと、凛とした佇まいを見せた不変の歌姫・中島みゆきも同様だ。あの頃、若者だった演者と若者だった観客との交歓は、群れとしてではなく、あくまでも1対1。しかも懐かしさを超えた"今"がそこにある。その自由な空気の中、時に時代を共有した同朋として、また時には憧れとリアルの象徴として、互いに存在しつづけていることを強く印象付けてくれる。
 団塊の世代を昔も今も熱狂・心酔させる拓郎やかぐや姫の、何が凄くて、何が格好良かったのか。活字で読むデータや逸話だけではなく、今、自らの目で確認するのも悪くない。

Text by 篠原美江

『Forever Young Concert in つま恋2006』
吉田拓郎&かぐや姫-J.jpg




インペリアルレコード
発売中
DVD(3枚組)
TEBI-12040〜2
¥12,800(税込)

全5部構成、約8時間にも及んだコンサートを特別編集しての3枚組DVD。都内でのリハーサル風景や本番直前のつま恋合宿、本番のバック・ステージ等の模様を特典映像として収録し、田村仁氏撮影による貴重なオフショット写真やコンサート当日の写真をフォトギャラリー仕様で収録。収録時間は約260分!初回盤はピクチャーレーベル仕様。

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