ケニー・G

ARTIST PICK UP

ケニー・G

インストゥルメンタル・アーティストとして世界一のセールスを誇る、ケニー・G!
誰もが知っているロマンティックなメロディをソプラノ・サックスの音色で堪能する極上の1枚。
ファン待望の完全インストゥルメンタル・バラード・アルバムがリリース!!

(初出『Groovin'』2006年12月25日号)

 いつ頃からケニー・G=ウィンター・シーズン(クリスマス・シーズ ン)になったのだろうか? 今年も、このアーティストが似合う季節がやって来た。最初にケニー・Gと出会ったのは、何十年も前の事だったと思う。 通称"月9"(昔は"トレンディ・ドラマ"と言っていたような…)ドラマで何気なく流れていた曲があって、それを探すのに大変苦労した。結局その曲はケニー・Gの「シルエット」だという事が分かり、早速CDを購入をしたのを今でも覚えている。
 ケニー・ Gは1956年6月5日、ワシントン州シアトル生まれ、本名ケニー・ゴーレリック。6歳からピアノを始めたが、10歳のころ『エド・サリヴァン・ショー』でのサックス・プレイヤーの演奏を見て魅力に取りつかれたという。17歳の頃、バリー・ホワイト&ラブ・アンリミテッド・オーケストラがシアトルに来た時、高校の教師の薦めで、ソリストとして彼らのバンドで演奏したことが、彼のプロとしてのキャリアの第1歩となった。大学卒業後、22歳でジェフ・ローバー・フュージョンの全米ツアーに参加、 各地を廻るうちに当時のアリスタ・レコードの社長、クライヴ・デイヴィスに見出され、ソロ・プレーヤーとして契約、デビュー・アルバム『シティ・ライツ』を発表。そんな彼の転機となったのが、4thアルバム『デュオトーンズ』からのシングル「ソングバード」の大ヒットだろう。当時、インストゥルメンタル・アルバムとしては異例の全米600万枚セールスを記録し、92年のグラミー賞に輝いたアルバム『ブレスレス』では、2年間で全世界1,000万枚のセールスを突破、4年間もチャート・インし、インストゥルメンタル作品史上初の快挙となった。その後もベイビーフェイス、トニ・ブラクストンの参加が話題となった『ザ・モーメント』やベスト・アルバムのリリース、更には初のスケニー・G-A.jpgタンダード・カヴァー・アルバム『クラシックス〜キー・オブ・ケニー・G』を発表するなど、彼の精力的な活動は留まる事なく続いていった。
 また2001年には、日本のバラエティ番組で「病弱の父にサックスを聴かせたい」という姉妹の夢を叶えるべく、彼女たちがケニー・Gの自宅を訪問する場面では感動的なドラマとなり、多くの人の涙を誘った。これにより飛躍的に知名度がアップし、その後の来日公演は全公演が売り切れとなった。また昨年4月にリリースされた、名曲の数々を取り上げ豪華ゲストと共演したアルバム『デュエット』の大ヒットも記憶に新しい。
 常に新境地を開拓し続け、終わりを知らないアグレッシヴなアーティスト、ケニー・Gが2年ぶりの新作として放つ今作『ムード・フォー・ラヴ』は、心にしみる歌として今年最大のヒットとなったジェイムス・ブラントの「ユア・ビューティフル」をはじめ、ケルティック・ウーマンやアリシア・キーズのヒット曲、そして名画『追憶』(1973)、『カサブランカ』(1942)、『いそしぎ』(1965)のメイン・テーマ曲や、ビートルズの定番「イエスタデイ」、ジャズのスタンダード・ナンバー「恋の気分で」「今宵の君は」など、とにかくおしゃれで、バラエティに富んだ選曲で構成されている。この時期、数多くのウィンター・ソングのコンピや、クリスマス・アルバムが発売されているが、今年はちょっと雰囲気を変えて、この『ムード・フォー・ラヴ』で過ごしてみてはどうだろうか?

Text by 勝又祥治(御殿場店)

『ムード・フォー・ラヴ』
KENNY G-J.jpg




BMG JAPAN
発売中
CD
BVCM-31212
¥2,548(税込)

ここ最近の来日公演は、常にソールド・アウト!サックス・プレイヤー、インストゥルメンタル・アーティストとして、日本でも絶大なる人気を誇るケニー・G。今作では名画のテーマ曲や永遠のポップス、ジャズ・スタンダードから最新ヒットまで、変幻自在のパフォーマンスでカヴァー。ケニー・Gをじっくりと味わえるアルバム。

【ケニー・G 日本オフィシャルサイト】http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/BV/Kenny_G/

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