m-flo

Crystal Kayを迎えての初"Loves"から約4年…。
ジャンルレスに多彩なアーティストを巻き込んでの"Loves"シリーズ最終章となる、
待望のニュー・アルバム『COSMICOLOR』をドロップ！

（初出『Groovin'』2007年3月25日号）

コラボレーションでもなく、フィーチャリングでもなく、"Loves"…。複数のアーティストが1曲に携わる際に、その参加スタイルによって表現される言葉だが、前者の2つは洋楽、邦楽問わずによく耳にするが、"Loves"においては、紛れもなくm-floだけの"特許"と言える呼び名である。ヴォーカリストのLISAがユニットを離れた際、次期ヴォーカリストは誰かと注目される中、彼らは予想外の動きをみせた。ヴォーカリストを固定せずにその都度アーティストを迎えるという、誰もが予想をしなかったスタイルを実行。その迎えられるアーティストも、リリースを重ねる度に男女問わずにジャンルも多彩になっていく。迎えるアーティストへの敬愛とも取れる"Loves"というスタイルは、m-floでありながらヴォーカリストのカラーも取り込みつつ、互いの良さを昇華させるものばかり。Crystal Kayを迎えての初"Loves"から約4年、その間にリリースされた"Loves"シリーズのシングルは8枚、アルバムは2枚と精力的に"Loves"を行う中、いよいよシリーズに終止符を打つ（！）、注目のニュー・アルバム『COSMICOLOR』（コズミカラー）をリリースする。
　とにかく今作も、超豪華なアーティストが多数参加している。甘く囁く女性＆男性ヴォーカルにシャープなVERBALのラップが絡むという、贅沢なトライアングルを披露している日之内エミ&Ryoheiとの「Summer Time Love」、m-flo名義以外の"外シゴト"を収録した『m-flo inside -WORKS BEST Ⅱ-』で、灼熱の太陽のごとく一際輝きを放っていたMINMIとの「Lotta love」は、昨年の夏を大いに盛り上げた1曲だ。単調なリズムがループする中に、BONNIE PINKの妖艶なヴォーカルがクールに浮かぶ「Love Song」、デジタルとロックのハイブリッドな融合に酔いしれるDOPING PANDAとの「she loves the CREAM」、"逆Loves"で記憶に新しいMONKEY MAJIKとのコラボレーション作「Picture Perfect Love」は、m-flo仕様に新たなアレンジで収録。その他にも、倖田來未、melody.、Chara、安室奈美恵など、紹介しきれない程の"Loves"が実現されており、初代"Loves"であるCrystal Kayとの"再Loves"も聴き逃せないところである。
　タイトル通り、無限に広がる多彩なサウンド・アプローチと個性豊かなヴォーカルがひしめき合う今作『COSMICOLOR』。m-floの楽曲には、これまでにもタイトルに「Love」が付く楽曲が多数あるが、今作はなんと全曲のタイトルに「Love」が付いているという拘りよう。そんな愛情たっぷりのLove Songを、同志の敬愛を込めて"Loves"というスタイルで紡いでいく…。これぞ究極のラヴ・ソングといったところか。耳に心に身体に刺激的なこの"Loves"、じっくりと味わって頂きたい。

Text by 浜田幸子（編集部）