福山雅治

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福山雅治

ミュージシャン…福山雅治、17周年。これまでを総括するという意義あるツアーを
全国各地で開催する彼が、"最今"を見据えつつ"あの頃"に立ち返る。
ニュー・シングル『東京にもあったんだ/無敵のキミ』リリース。

(初出『Groovin'』2007年4月25日号)

福山雅治-A.jpg この3月21日で、デビュー17周年を迎えた福山雅治。4月15日まで行われていた全国アリーナ・ツアー≪WE'RE BROS.TOUR 2007「十七年モノ」≫、そこには"福山雅治、17年の深化と進化"とあった。途中、紆余曲折ありながらも、ミュージシャンとして常に第一線で活躍してきた人だ。年齢を重ね、人間として、表現者としての重みも加わった。キャリアを重ね、その音楽性は幅を広げ、重層感を増した。それを深化であり、進化と呼ぶ。彼の17年間を統括するに相応しい言葉だと思う。
 そんな福山がニュー・シングルをリリースした。リリー・フランキーの大ベスト・セラー『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』、その映画化にあたり、リリー氏からオファーを受け、主題歌を書き下ろした。九州の筑豊と東京を舞台に、著者自身とその母の半生を描いた私小説だ。周知の通り、福山は同じ九州出身。夢を抱き、単身故郷から"上京"するというボクと福山の設定もさることながら、時折ラジオなどで彼の口から飛び出す、母親の絵に描いたような九州女ぶりも、そのオカン像とピッタリと重なる。これ以上ないキャスティングだ。タイトルは「東京にもあったんだ」。なんと飾り気のない、なんと少年っぽい、なんと優しいタイトルだろう。
 何かを吹っ切るように突っ走っていた男が、ふと立ち止まる。くすんで見えていた東京の空の美しさを知る。心の奥深くにしまってあった想い、ずっと抱えていた孤独感がふと行間からこぼれ落ちる。歌が心なしか揺れている。都会のルールに染まり、それでもルールに逆らいながら生きる主人公。表向きは華やかでも、生真面目に生きてきたであろう彼の弱さと、その弱さを認めてこそ得られる強さを、初めて見た気がして胸がつぶれそうになった。長い歳月と環境と重責が、福山雅治をわきまえのあるミュージシャンに、たしなみのある男に変え、多くのファンはそこに眩しさと逞しさを見出しているだろう。だがこの曲の中の彼は、上京当時のままの彼であり、デビュー当時と変わらない寂しげな眼差しを宿している。その驚きと喜びを同時に知った。これからも続く福山のミュージシャン人生、そのターニング・ポイントになる曲…そんな気がして仕方がない。
 カップリングにはKOSE「BEAUTE de KOSE ESPRIQUE PRECIOUS」CMソングの「無敵のキミ」を収録。これまで「squall」「milk tea」などのバラード曲で"女心のわかる男"の名を欲しいままにしてきた彼だが、今回はファンキー・チューンで女心にハッパをかける。あなたに向けての歌であり、自分自身に向けた歌、なのかも知れない。

Text by 篠原美江

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O.S.T.
『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
東京タワーサントラ-J.jpg
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福山雅治-A初回盤.jpg福山雅治-J通常盤.jpg
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今春公開の映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の主題歌「東京にもあったんだ」と、KOSEコスメティックのCMソング「無敵のキミ」を収録した22ndシングル、リリース。「東京にもあったんだ」のミュージック・クリップを収録したDVD付きの初回限定盤は10万枚生産限定!

※写真は左が[初回限定盤]、右が[通常盤]のジャケットです。

【福山雅治公式サイト「ましゃまろ出版」】http://www.amuse.co.jp/fukuyama/mashamaro-shuppan/

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