Aqua Timez

Aqua Timez、2007年の第1弾シングルをリリース！
タイトル・ナンバー「しおり」は、三ツ矢サイダーCMソングとしてオンエア中。
「今日もあなたが好きでした」…そんな恋愛小説の1ページを読んでみて下さい。

（初出『Groovin'』2007年4月25日号）

　普遍的でメッセージ性豊かな歌詞を、感情に直接的に訴えかけるような印象的なメロディにのせて優しく歌う…Aqua Timezを紹介する文面によく見かける一節。普遍的で直接的で印象的って、何となくイメージは出来るけれど、本当はどういうこと!?みたいな感じがしませんか？ちょっと、国語辞典をひいてみちゃいましょうか。普遍的…広く一般に行き渡る（あてはまる）様子。直接的…間に隔てる物が無く、直に対象に接する様子。印象的…何かを見たり聞いたりした時に、その人なりに受けとめてしっかりと心に刻みつけておいたような様子、とある。訳してみると、広く多くの人たちにあてはまるメッセージ性の豊かな歌詞を、人々の心に刻みつけてしまう、そんなメロディにのせ優しく歌う。…うーん、分かりやすい。
　ということは、Aqua Timezの音楽は何も特殊なことではなく、誰にでも分かりやすい言葉をメロディにのせ、直接ハートに響き渡らせてしまうってこと!?ですよねぇ。それって、実はスゴイ音楽なんじゃないでしょうか。日常の中で感じることや、普通の恋愛で想うこと、そんな特別でも何でもない普段の気持ちを歌にして届けてくれる…、だから心に沁みるんですね。故に彼らの「等身大のラブソング」はホント、メッセージ性の強いストレートな歌詞が若者を中心に共感を得て、それが大ヒットにつながった！というのも納得出来ます。その後も「決意の朝に」「千の夜をこえて」と、確実にヒットを飛ばしているのが何よりの証拠。普遍的であるのがAquaの音楽だけれども、でも他にはない何かを持っている特別なバンドなんですよね。
　今回の新曲「しおり」は、1人の主人公の中にある恋のお話ですけど、タイトルになっている"しおり"という言葉は歌詞のどこにも出てきません。この歌の中の1つの恋愛を1冊の本に例えて導かれた言葉で、歌自体がまるで恋愛小説のようになっています。本を読むには"しおり"が必要ですよね。この物語を読むあなたはどんな印象を受けるのでしょうか。最後まで読んでから自分の心で感じ取ってみて下さい。

Text by 知久裕乃（磐田南店）