編集長のおすすめ!

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この春は、新作/リイシュー盤共にリリース・ラッシュです。特に紙ジャケなどでの再発が洋楽/邦楽共に進んでおり、なかなか全部をチェックするのは難しそう。中には初回生産限定盤も多くありますので、気が付いて店頭に行ったときには既に品切れで入荷予定なし…なんていうこともありそうですので、このコーナーでは個人的な視点でお薦めアイテムをセレクトして今月は12タイトルをご紹介します。メジャーとインディーズの垣根も大分無くなってきた昨今の音楽シーンですが、インディーズ盤は全部が店頭に並ぶわけではないので要注意。気になったものはすみや各店&サイバー・ショップなどで、素早くチェックしておきましょう!

Text by 土橋一夫(編集部)
(初出『Groovin'』2007年4月25日号)

Niagara CM Stars
『ナイアガラCMスペシャル Vol.1 3rd Issue』
 Niagara CM Stars-J.jpg



Sony Music Records
発売中
CD
SRCL-5007
¥2,100(税込)

恒例となった発売30周年記念リイシュー・シリーズだが、今回は77年にリリースされた大瀧詠一によるCM作品集が登場し早くも大きな話題に。特にはっぴいえんど解散後からナイアガラを設立するまでの数年間は作品リリースがなく、本作に収録された「サイダー73」などを通じて当時のサウンド的な試行錯誤を知ることが出来る重要作。しかもゴスペラッツがカヴァーした「スパイス・ソング」など未発表曲満載の全70曲入り!

V.A.『細野晴臣トリビュート・アルバム
-Tribute to Haruomi Hosono-』
細野晴臣トリビュート-J.jpg



commmons
発売中
CD(2枚組)
RZCM-45511〜2
¥3,400(税込)

数多くのトリビュート盤の中でも、大本命登場!ミュージシャンからのリスペクトも厚い細野作品を、国内外のアーティストがカヴァー。しかも坂本龍一、高橋幸宏、高野寛、スカパラ、コーネリアス、寺尾紗穂らに混じって自身によるデモ2曲と、何とヴァン・ダイク・パークスや、ジョン・サイモン、ジョン・セバスチャン、ジェフ・マルダーらによるウッドストック・ヴェッツも!心から細野作品を愛する彼らの演奏を、是非じっくりとお聴きを。

ムーンライダーズ
『1979.7.7 at 久保講堂』
ムーンライダース/久保講堂-J.jpg




MOONRIDERS RECORDS
発売中
CD(2枚組)
XPCA-1005〜6
¥3,675(税込)

昨年結成30周年を迎え、様々なアイテムのリリースが続くムーンライダーズだが、話題となった映画『マニアの受難』を含むDVD BOXに続き、79年の久保講堂でのライヴ音源…しかもほぼ全編をCD2枚に収録して発売!時代を反映してニュー・ウェイヴ色が強まっていた時期の貴重音源で、この後に発表される『モダーン・ミュージック』等に彼らの志向は受け継がれていくことに。なおシングル『Cool Dynamo, Right on』も同時発売。

ムーンライダーズ
『LIVE 9212』
ムーンライダーズ/LIVE 9212.jpg




デジタルサイト/株式会社ハピネット
発売中
DVD
DEJR-1008
¥3,990(税込)

一足先にリリースされた本作は、92年のクリスマス・イヴにNHKホールで行われたムーンライダーズのライヴを収録した貴重なDVD。翌年3月にSPACE SHOWER TVでO.A.されたが、もちろん初製品化だ。91年の『最後の晩餐』と92年の『A.O.R.』からの曲を中心に構成されているが、「くれない埠頭」など代表曲も含まれ、また斬新なステージ演出はファンならずとも驚くこと必至。ライダーズ・ファンならまさにマストな1枚。

村松邦男
『グリーン・ウォーター+8』
村松邦男/GREEN WATER-J.jpg



LOST HOUSE A.C./
ハヤブサランディングス
発売中
CD
LHAC-7004
¥2,500(税込)

元シュガー・ベイブのメンバーにして大滝詠一の多羅尾伴内楽團のメイン・ギタリスト、村松邦男が83年9月にリリースした1stソロ・アルバムが、ボーナス・トラックを追加して限定紙ジャケ&リマスターで再発。ポップなサウンドの中に美メロとアイディアの煌めきが光を放つ好内容で、ナイアガラ・サウンドが好きな若いリスナーにもお薦め。また初収録となるデモ・ヴァージョン5曲は、彼の当時の制作過程を紐解く上でも興味深い貴重音源だ。

村松邦男
『ロマン+9』
松村邦男/ロマン-J.jpg



LOST HOUSE A.C./
ハヤブサランディングス
発売中
CD
LHAC-7005
¥2,500(税込)

こちらは85年1月にリリースされた、2ndソロ・アルバム。なお今回は、1stと本作の間である84年6月発表のミニ・アルバム『TOURIST』を全曲収録(初CD化)し、しかもシングル曲やカラオケもプラスしたデラックスな内容。上原裕、富倉安男、長岡道夫、難波弘之、乾裕樹、浜田金吾ら豪華メンバーを迎え制作され、しかも吉田美奈子が2曲で作詞を担当するなど、充実した内容。中でもストリングスの響きと美メロが心を打つ「雨糸」は絶品!

村松邦男
『アニマルズ+6』
村松邦男/ANIMALS-J.jpg



LOST HOUSE A.C./
ハヤブサランディングス
発売中
CD
LHAC-7006
¥2,500(税込)

85年6月にリリースされた3rdソロ・アルバム。前作から半年も経たずにリリースというローテーションの中で発表された作品だが、M-1のトッド・ラングレン作「I Saw The Light」の完璧なカヴァーに驚き、吉田美奈子とのコンビによる「Love Discovery」「柊」、EPOがシュガー・ベイブを想って書いた「Band(1973-1976)」など内容は充実。しかもボーナス・トラックとして86年11月のミニ・アルバム『Christmas Present』を追加収録。

寺尾紗穂
『御身 ONMI』
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ミディ
発売中
CD
MDCL-1478
¥3,150(税込)

昨年インディーズで発売されたミニ・アルバム『愛し、日々』が一部で人気を集め、また堂島孝平のツアーにも参加するなどそのファン層を急速に拡げている寺尾紗穂が、待望のフル・アルバムをリリース。彼女の音楽を形容する時に「大貫妙子と吉田美奈子に矢野顕子が…」といった文字が踊るのをよく目にするが、確かにそういったテイストを含むものの、何よりも驚きなのはピュアで繊細でありながら大胆なその表現力。メロディも最高!

ありましの
『コノセカイ』
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KatAri records/バウンディ
発売中
CD
DDCZ-1414
¥2,500(税込)

アコースティックで飾らない素直な音が魅力的な、シンガー・ソングライター、"ありましの"の3rdアルバムが遂に登場。強さと繊細さが同居する彼女らしいヴォーカル・スタイルと、生ギターなどを中心とした優しさ溢れるサウンドとの相性も良く、それらによって増幅された歌詞が真っ直ぐ心に響く名盤。ネット配信で先行発売されていた「くじら橋」を含む10曲のそのどれもが、彼女ならではの素敵な空気感を創り出す。大推薦盤!

ビューティフルハミングバード
『カレン/エーデルワイス』
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コロムビア
ミュージックエンタテインメント
発売中
Maxi Single
COCA-50984
¥1,260(税込)

『細野晴臣トリビュート・アルバム』にも参加の小池光子(Vo)と、田畑伸明(AG)によるビューティフルハミングバードの両A面シングル。ワールドスタンダードの鈴木惣一朗プロデュースによる本作は、美しい映像と共に話題となった郵便局「手紙CM」テーマソングの「カレン」に、WORLD Reflect CMイメージソング「エーデルワイス」、2人だけで演奏される「Dolphin」をプラスした3曲入り。たおやかに流れる美しいメロディと無添加なサウンドがとても印象的だ。

ペコンボ
『セレンディピティ』
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HIGH CONTRAST RECORDINGS/
ヴィヴィド
発売中
CD
HCCD-9520
¥2,625(税込)

女性3人&男性2によるスキャット・コーラス・グループ、ペコンボの2ndアルバムが登場!ブラジリアン・ミュージックや映画音楽など幅広いお洒落サウンドをベースにした洗練されたコーラスの技は、本作でも遺憾なく発揮されている。クラブ受けする内容でありながらきっちりした鑑賞にも耐えうる、完成度の高い1枚だ。そして何と言っても注目なのは、山下達郎の名曲「SPARKLE」のカヴァー!あのテレキャスのカッティングをこう表現するとは!

アメリカ
『インディアン・サマー』
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SMD
発売中
CD(2枚組)
MHCP-1322〜3
¥3,780(税込)

オリジナル作品としては久々となるリリースの本作(原題は『HERE & NOW』)は、デビュー35周年を記念してリリースされたスタジオ盤+ライヴ盤という充実仕様の2枚組。しかもスタジオ盤はスマパンのジェームス・イハらがプロデュースを担当し、アコースティックな感触の中に新たな決意を感じられる好内容。ライヴ盤は2005年10月の録音で、「ヴェンチュラ・ハイウェイ」に始まり「金色の髪の少女」「名前のない馬」までヒット曲満載!

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