アックス・リヴァーボーイ

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アックス・リヴァーボーイ

Tahiti 80のフロントマン、グザヴィエ・ボワイエが遂にソロ・デビュー!
ウワサの大型新人の気になる名前は、アックス・リヴァーボーイ!!
今回もあなたにハッピーでポップな世界をお届けします。

(初出『Groovin'』2007年5月25日号)

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 「Tahiti 80のヴォーカル、グザヴィエがソロ・アルバムをリリースするらしい」。そんなニュースが飛び込んできたのは、春の気配を感じ始めた2月の終わり頃だった。Tahiti 80といえば2005年に3rdアルバム『フォスベリー』をリリースしたきり何の音沙汰もなし。1998年に母国フランスでのデビュー、2000年にワールド・デビュー、2002年のセカンド・アルバム、そして2005年のサード・アルバムのリリースと考えると、新作発表まではもう少し待たなくてはならないのかもしれないが、昨年は彼らと同じフランス出身のバンド、FUGUの新作をプロデュースするなどファンには嬉しい出来事もあったものの「やっぱりグザヴィエのヴォーカルでなくっちゃね…」などとわがままなことを思っていた矢先のニュースだけに、今回のソロ・アルバムの発売は本当に嬉しい。
 ソロ名義となるアックス・リヴァーボーイ(AXE RIVERBOY)とは、グザヴィエ・ボワイエ(XAVIER BOYER)のスペルを組み替えたアナグラムから命名されたものだそう。このあたりからもグザヴィエの洒落っ気が伝わってきて、思わずニヤニヤしてしまうのはきっと私だけではないはず。気になるアルバムの構成だが、13曲収録(うち3曲は日本盤のみのボーナス・トラック)、全曲Tahiti節満載の美メロが贅沢に盛り込まれている。エレクトリックなサウンドに変化した『フォスベリー』よりも、初期Tahiti 80ファンにはたまらないシンプルでアコースティックなサウンドなのも嬉しい。アルバム収録曲中数曲のミックスはグザヴィエと並んでTahiti 80のもう1つの頭脳と言える盟友ペドロ・ルスンド、Tahiti 80のドラム、シルヴァンや前述のFUGUも参加するなど、グザヴィエのよりパーソナルな部分が前面に押し出されている1枚とも言えそう。またアート・ワークを手がけるのは、デビューからTahiti 80の作品には欠かせない存在のローラン・フェティス。今回もご覧のようなお洒落なジャケットを手がけている。Tahiti風セツナ・サウンドとバブルガム・ポップが融合したような「キャリー・オン」、アルバムからのファースト・シングルでもある「ラウンドアバウト」は軽快なドラムのサウンドとバックで鳴るハンド・クラップにノック・ダウン、ライヴでの盛り上がりはマストなはず。グザヴィエのフレンチ風英語が耳に心地よい「ロング」は、短いながらもアルバム中最も印象に残る1曲。70年代のソフト・ロックと言っても疑いの余地なしといった感じの「オン・アン・アイランド」、ストリングス+ピアノとグザヴィエのヴォーカルとが1つの楽器となって壮大なメロディを奏でる「クロス・ザ・ライン」など、どこから聴いてもポップでハッピーなサウンドが溢れている。日本盤のボーナス・トラックには、60年代のロック・グループ"ザ・マッコイズ"から、テクノ界の鬼才、エイフェックス・ツインのカヴァーまでを収録。こちらにもグザヴィエの音楽センスと幅の広さを感じずにはいられない。特にエイフェックス・ツインの「ミルクマン」はグザヴィエ流に料理され見事の一言。最後までじっくりお楽しみあれ。

Text by 大野裕子(パルシェ店)

『チュチュ・トゥ・タンゴ』
アックス・リヴァーボーイ-J.jpg




ビクターエンタテインメント
発売中
CD
VICP-63785
¥2,520(税込)

Tahiti 80のヴォーカル、グザヴィエ・ボワイエがソロ・アルバムをリリース。全13曲収録(うち3曲は日本盤のみのボーナス・トラック)。Tahiti節満載の美メロとセツナ系ヴォーカルはそのままに、初期Tahiti 80好きにはたまらないシンプルでアコースティックな構成が嬉しい。

【アックス・リヴァーボーイ 日本オフィシャルサイト】http://www.jvcmusic.co.jp/axeriverboy/

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