KREVA

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KREVA

大ヒット・アルバム『愛・自分博』から1年7ヶ月。
いよいよリリースされるKREVA渾身の3rdアルバム『よろしくお願いします』。
これは彼からの決意表明だ!!

(初出『Groovin'』2007年8月25日号)

KREVA-A.jpg 日本のHIP HOPシーンは今、まさに空前の「バブル状態」を迎えている。90年代半ば頃からJ-POPシーンに入り込み、徐々にその勢力を拡大させてきた。今世紀に入りその勢いはさらに加速し、今や日本の音楽シーンのメイン・ストリームを担うまでに成長した。そして現在、実に様々なHIP HOPアーティスト達が作品を発表したり、TV出演や大規模な全国ツアーをするなど、充実した活動を行っている。ここまでHIP-HOPが日本で市民権を得た理由は色々とあるのだが、その中で最も大きな理由として「HIP HOPの持つ自由さ」が挙げられると思う。そして、今回紹介するKREVAのニュー・アルバム『よろしくお願いします』は、その要素を大きく生かしたアルバムであると考える。
 HIP HOPが持つ自由さというのを簡単に言い換えれば、他アーティストや他の要素とのコラボレーションのしやすさと言うことである。元来、HIP HOPというのはサンプリングされたトラックにMCが情報量の多いリリックを乗せていく、というごくシンプルな形のものであった。起伏のあるメロディーは存在せず、リズム・メインのトラックにラップが乗るものであった。それを、日本ではメロディーをつけたり、リリックをより親近感の沸くものにし、トラックをよりメロディアスかつ派手にしていった。それによって、シーンが拡大できたのだと思う。そしてそれを行う上で使われた手法が、コラボレーションである。KREVAはその使い方が絶妙なのである。一見、全く合いそうにないアーティストでも彼の用意したトラックに乗せてしまうと、なんとも不思議なことに心に残ってしまうのである。特に今回のアルバムに収録されている「くればいいのに feat.草野マサムネ from SPITZ」は本当に素晴らしい楽曲となっている。草野マサムネとHIP HOP。全く畑違いの2人が作り上げたこの楽曲は、トラック、リリック、KREVAのラップ、そして草野マサムネによるサビでのメロディー、その全てが素晴らしい。間違いなく今年を代表する1曲である。この曲のためだけに、このアルバムを買っても全く損はしないと断言できる。その他にもSONOMI、DJ TATSUYA、ALI-KICK、千晴といった同じフィールドで活躍するアーティストとのコラボも行っている。多くのアーティストとコラボすると、コラボ・アーティスト達に存在感を奪われてしまう場合が多いが、どの曲でもKREVAはしっかりとオリジナリティを発揮しており、いい具合で融合を果たしている。まさに絶妙である。
 1st『新人クレバ』、2nd『愛・自分博』では自身のHIP HOPのエッセンスと、他アーティストとのコラボから得られるエッセンスとの融合を図ろうとしていた。そしてそれは今作『よろしくお願いします』で1つの地点に辿り着いたのではなかろうか。だから、タイトルも『よろしくお願いします』になっているのではなかろうか。これがKREVAの決意表明と私は受け取った。どうとるかはあなたが聴いて決めて欲しい。

Text by 西村大輔(静岡イトーヨーカドー店)

『よろしくお願いします』
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ポニーキャニオン
9月5日発売
CD
[初回限定盤]DVD付 PCCA-03333 ¥3,360(税込)
[通常盤]PCCA-03334 ¥2,940(税込)

前作から1年7ヶ月という長いスパンを経てリリースされるKREVAのニュー・アルバム。過去のアルバムから得られたエッセンスを取り込んだ楽曲が目白押し!! 初回限定盤はシングル4曲のPVに加え、Bonus映像として「今夜はブギーバックfeat.スチャダラパー」のLIVE映像を収録したDVD付き。

※写真は左が[初回限定盤]、右が[通常盤]のジャケットです。

【KREVA OFFICIAL WEB SITE】http://www.kreva.biz/

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