9mm Parabellum Bullet

ARTIST PICK UP

9mm Parabellum Bullet

また1つ、時代に名を刻むバンドが誕生した。
今年の日本のミュージック・シーンに風穴を空ける4つの弾丸、
9mm Parabellum Bullet。

(初出『Groovin'』2007年9月25日号)

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 9mm Parabellum Bullet。この長い名前を発する事で産まれる感情というものが個人的にはある。鋭い突破力、複雑でクレヴァーな感覚、ちょっとしたかっこよさ、等がそうで、特に最後の「ちょっとしたかっこよさ」というのが肝だと思っている。そのバンド名を言うだけで何かの感情を喚起させるというのは、セレクトの段階で秀逸だし、センスを感じずにいられない。
 9mmパラベラム弾という拳銃の弾の名をバンド名に据えたこの4人組は、その名前から感じられる印象以上にエクセレントな存在だ。2004年結成、インディー・リリースを経て、今年5月にプレ・デビュー盤『The World e.p.』をリリース、そして真のデビュー盤として本作『Discommunication e.p.』をリリースする。『The World e.p.』ではっきりと感じられたまさに弾丸の様な突破力とプログレッシヴな曲構成をさらに研ぎ澄ましたタイトル曲は、デビューとしては破格のクオリティを誇っている。この曲をライヴで観るとさらに凄まじい訳だが、そのライヴがこのバンドのもう1つの、というか最大の魅力でもある。幸運にも彼らのライヴを観る機会に恵まれたのだが、スタートと同時にフル・スロットルで爆発する4つの弾丸はパラレルでアグレッシヴでストレンジだ。咆哮するVo、暴れ続けながらもタイトなリフを紡ぐG、腰よりも低い位置にコーラス・マイクを設置してフリーキーな雄叫びを発するBa、爆発の様なビートを叩き出すDsと、このケミストリーは絶品。2トラック目に35分に及ぶライヴ音源を収録しているので是非チェックを。
 大きな拡がりを見せている現在の日本のミュージック・シーンにおいても圧倒的に異端であり、オンリー・ワンな存在である事は間違いなさそうだ。すでに『The World e.p.』でスマッシュ・ヒットを見せている彼ら。このデビュー盤で更にヴォリュームを上げるのは確実。きっと今年の新人の中でも破格の成功を収めるバンドとなるだろう。今ならまだ間に合う。この波に乗らない手はないだろう。

Text by 中野智人(すみや本店 営業グループ)

『Discommunication e.p.』
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EMIミュージック・ジャパン
10月10日発売
CD
TOCT-26365
¥999(税込)

『The World e.p.』でスマッシュ・ヒットを記録した9mm。このデビュー盤も更に大きな拡がりを見せること必至。2トラック目には新宿ロフトで行われた前ツアーの模様を35分に及ぶヴォリュームで収録。最大の売りであるライヴを感じられるアイテムとなっている。

【9mm Parabellum Bullet 公式サイト】http://9mm.jp/

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