Salyu

ARTIST PICK UP

Salyu

箱にしまった大切なもの。サヨナラの後で見えてきた景色。
新たな出会いと新しい自分を求めて歩き出したSalyuが歌う、
『レイトン教授と悪魔の箱』テーマ曲。 

(初出『Groovin'』2007年11月25日号)

salyu-A.jpg これまでのSalyuは小林武史プロデュースのもと、きわめて大切に音楽を作り、世に出し、時に可愛らしく、時に神々しささえおぼえる独特の世界観の中で、ゆっくりとその存在を大きくしていった希有な存在だったと思う。その彼女がアルバム『TERMINAL』以降、小林武史の手を離れ、新たなスタートを切ったのが前シングル「LIBERTY」だった。充分すぎるほど恵まれた環境に身を置き、楽曲と出会うことが何よりの喜びだと語っていたSalyu。だが、これまでの経験や刺激が彼女のミュージシャンとしての在り方に変化をもたらし、巣立ちの後押しをした。「まだ始まっていない」「この空ではもう足りない」「私が私を解き放つ」と歌った、そのほとばしるような気持ちは「LIBERTY」の自作詞にもその歌声からも溢れ出ていて、こちらはただただそれを受け止めるしか術がなかった。「向かい風が強く吹けば吹くほど高く舞い上がれる」。今の彼女には相当な覚悟があるのだと思う。「LIBERTY」と同時にアナウンスされた、シングル2ヶ月連続リリース。その2作目が本作「iris〜しあわせの箱〜」だ。この早急な展開は、もちろんプロモーション的な側面もあるのだろうが、表現したいという衝動が堰を切って止まらないという、彼女の今の状態が想像に難くない。
 ニンテンドーDS用ソフト『レイトン教授と悪魔の箱』の主題歌として書き下ろされたこの曲は、ゲームのストーリーを元にSalyu自身が詞を書き、数々のドラマティックな名バラードを生み出している松本良喜が曲を寄せた。前作に続きプロデューサーとしてコンビを組んだのは渡辺善太郎。心のひだに寄り添うようなメロディ、鍵盤、弦を基調とした生音中心のシンプルなプロダクションの中で、過去への慈しみとそこから繋がる新たな景色を目にした希望を、丁寧すぎるほど丁寧に紡いでゆくSalyu。遠くを望む声、今に臨む声。本能的な歌から、"本能からの歌"へ。天上の歌姫が自身のリアルを携えて、地上の歌い人になる日も近いかもしれない。
 タイトル曲が表なら、こちらはその陰。深い余情を残すカップリング曲「WHEREABOUTS〜for Anthony〜」は「LIBERTY」の国府達矢が再び作曲を手掛けた。もう一方「River」はジョニ・ミッチェルのカヴァー。"ジングルベル"のフレーズをフィーチャーし、ピアノの弾き語りで歌われたオリジナルに対し、こちらはキラキラ舞う電子音のプリズム、鐘や鈴の音でクリスマス感を演出。その奔放さがチャーミングなジョニとSalyu。平易でストレートな言語感覚、しなやかな歌声…共通点はほかにもいろいろありそうだ。

Text by 篠原美江

『Salyu Clips 2004-2007』
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トイズファクトリー
11月28日発売
DVD
TFBQ-18076
¥3,600(税込)

デビュー・シングル「VALON-1」から2ndアルバム収録曲「I BELIEVE」まで、そのクオリティーの高さと斬新なアイディアに定評のある全10曲のPV+特典映像を収録した初のクリップ集。シングル「iris〜しあわせの箱〜」とのW購入者抽選特典はSalyu×mercibeaucoupのオリジナルTシャツ。

『iris〜しあわせの箱〜』
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トイズファクトリー
11月28日発売
Maxi Single
[期間限定盤]TFCC-89225
[通常盤]TFCC-89226
各¥1,050(税込)

シングル2ヶ月連続リリースの第2弾はニンテンドーDS用ソフト『レイトン教授と悪魔の箱』のテーマ曲となった珠玉のバラード。期間限定盤は三方背スリーヴ・レイトン仕様。レイトン関連グッズ応募抽選特典あり。music CLIP集とのW購入者応募抽選特典はSalyu×mercibeaucoupのオリジナルTシャツ。

※写真は[期間限定盤]のジャケットです。

【Salyu オフィシャルサイト】
www.toysfactory.co.jp/salyu
www.salyu.jp

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