HIGH and MIGHTY COLOR

HEAVYとPOPが共存する個性派6人組ロック・バンド、
"ハイカラ"ことHIGH and MIGHTY COLORが、
初のシングル・コレクションをドロップ！彼らの成長の軌跡がここに！

（初出『Groovin'』2007年12月25日号）

　男女ツイン・ヴォーカル＋7弦ツイン・ギター＋5弦ベース＋2バス・ドラムを擁する沖縄出身の6人組ロック・バンド、HIGH and MIGHTY COLOR。"ハイカラ"という通称の響きの通り、その個性的な編成から繰り出されるヘヴィネスなサウンドは、J-POPシーンで眩しいほどの異彩を放っている。とりわけ、骨太でメタリックなサウンドと、男性ヴォーカリスト・ユウスケのタフなラップに絡む、紅一点ヴォーカリスト・マーキーの存在が面白い。男性メンバー5人は、メタリカなどのヘヴィ・メタルのコアなリスナーだそうだが、そんな男性陣が奏でる男くさいロックに、マーキーのポップな歌声は、違和感すれすれのスリリングな調和を見せている。一見合いそうもない素材やデザインを組み合わせる"ミスマッチ"は、ファッションの人気の着こなしだけれど、HIGH and MIGHTY COLORの"異なる魅力の合わせ技"も、その新鮮さで多くの音楽ファンの耳を惹きつけている。
　そんな独自のサウンドで支持を得ているHIGH and MIGHTY COLORは、発売1ヵ月で限定1,500枚を完売させたインディーズ盤『OVER』を経て、2005年1月にメジャー・デビュー。彼らのこれまでの3年間の歩みは、実に華やかなものだ。デビュー・シングル「PRIDE」がアニメ『機動戦士ガンダム SEED DESTINY』のオープニング・テーマに大抜擢され、いきなりチャート初登場2位をマーク。ヘヴィネスとキャッチーが共存するこのナンバーは、その後ロング・ヒットとなり、30万枚を超えるセールスを記録。レコード大賞新人賞も受賞し、まさに順風満帆の船出となった。デビュー2年目となる2006年は、"ライヴの年"と銘打ち、年間50本以上ものライヴを敢行。アメリカでのライヴも経験し、バンドとして大きな飛躍を遂げた。2007年は、紅一点ヴォーカリストのマーキーが映画『あなたを忘れない』の主演を務めるなど、フレキシブルな活動を展開し、人気の裾野をさらに広げた。
　休むことなく走り続けた濃密な3年間。その軌跡を詰め込んだ初のシングル・コレクションが『10 COLOR SINGLES』だ。記念すべきデビュー曲「PRIDE」を始め、恋する気持ちをストレートに歌ったハイカラ流サマー・チューン「RUN☆RUN☆RUN」、人気アニメ『BLEACH』のオープニング・テーマとしても話題を呼んだメロディアスなナンバー「一輪の花」、マーキー主演映画『あなたを忘れない』主題歌「辿り着く場所」、ツイン・ヴォーカルを最大限に活かした、新境地を切り開くバラード「Dreams」等、デビュー曲から2007年8月発表の「Dreams」までのシングル11曲を完全網羅。リリース順に収録されているので、彼らの軌跡と成長をより実感できる。また、ボーナス・トラックとして、「一輪の花」のスタジオ・ライヴ・ヴァージョンも収められており、"ハイカラの今"が味わえる点も嬉しい。
　デビュー当時は17歳だったマーキーも、今や20歳。この『10 COLOR SINGLES』が、大きな節目の年の最後を飾る。2008年に向けて新しいスタートを切り拓くHIGH and MIGHTY COLORから目が離せない！

Text by 池 佐和子