編集長のおすすめ!

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 まずは御礼から。この『Groovin'』も本誌で記念すべき100号を迎えることとなりました。まずはいつもお読みいただいている読者の皆様、そしていつもお世話になっているレコード会社や映像制作メーカー、ゲーム制作会社、出版社、そしてアーティストやその所属事務所、関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
 『Groovin'』がスタートしたのは1999年10月のこと。それ以来8年以上に渡って毎月発行して参りましたが、その間にも音楽シーンは様々な変革を遂げ、音楽を聴くスタイルも、そして流行も大幅に変わってきました。しかし生活スタイルや流行、聴く方法が変わっても、音楽に対する気持ちや好きなサウンドを追い求めるリスナーの心は変わらないと思います。それはアーティストにとっても同じ事で、自分の好きな音楽を作り続ける、追い求めることは、時代が変わっても決して変わらない純粋な行為なのです。良い音楽の情報を少しでも多くリスナーの皆様にお届けすべく、『Groovin'』はこれからもポジティヴな気持ちで発行を続けていきたいと思っております。これからの『Groovin'』にご期待下さい。どうぞ宜しくお願い致します。
 さて今回はちょっと変則構成ですが、今月リリースの6タイトルと、P09でご紹介した杉 真理のニュー・アルバムの裏話をお届けいたします。

Text by 土橋一夫(編集部)
(初出『Groovin'』2008年1月25日号)

arcorhyme
『甘い日々 -la douce vie-』
arcorhyme/甘い日々-J.jpg




ヴィヴィド
発売中
CD
ARTO3390
¥2,415(税込)

元ピチカート・ファイヴの高浪敬太郎が、西村郁代とのユニット"arcorhyme"としてアーティスト活動を本格再始動!しかもアルバム2枚同時発売。ジャケでお分かりの通り、ソフト・ロック的なテイストを前面に置いた本作は、スプーンフルの「魔法を信じるかい?」やシティの「SNOW QUEEN」などといったカヴァーに加え、オリジナルも充実。鈴木智文、中原信雄、宮田繁男らピチカート作品でもお馴染みの面々も参加した、21世紀的最強ソフト・ロック!

arcorhyme
『Soundmatic Brain』
arcorhyme/Soundmatic〜-J.jpg




ヴィヴィド
発売中
CD
ARTO3391
¥2,415(税込)

『甘い日々 -la douce vie-』と同時発売の本作は、一転してテクノ・ポップの21世紀的解釈による内容。中にはキンクスの「You Really Got Me」をボッサ・テイストで取り上げるなど、遊び心も満載。本作でのスピード感溢れるテクノ・ポップと、『甘い日々 -la douce vie-』でのソフト・ロック…この一見相反する音楽性の併存こそがarcorhymeの持ち味なのだ。サリー久保田、ヒックスヴィルの中森泰弘らも参加し、高浪敬太郎の新たな挑戦がここにある。

ラヴィン・スプーンフル
『魔法を信じるかい?』
魔法を信じるかい?-J.jpg




BMG JAPAN
発売中
CD
BVCM-35234
¥2,310(税込)

数年前にボーナス・トラックを加えて再発されたラヴィン・スプーンフルが、今回は紙ジャケ仕様の初回生産限定盤でリイシュー!ただし24bitリマスタリングなので、これを機にいい音で揃えてみてはいかがでしょう?本作は1965年にリリースされた、記念すべき1stアルバム。ヒット曲「魔法を信じるかい?」をはじめ、ロネッツのカヴァーである「ユー・ベイビー」など、色褪せない名曲揃い。なおボーナス・トラックも5曲(2003年の再発盤と同内容)と充実!

ラヴィン・スプーンフル
『デイドリーム』
デイドリーム-J.jpg




BMG JAPAN
発売中
CD
BVCM-35235
¥2,310(税込)

1966年にリリースされた、2ndアルバム。全米2位を獲得した大ヒット曲「デイドリーム」や、「うれしいあの娘」「つらい僕の心」など、こちらも『魔法を信じるかい?』に劣らない名曲揃い。フォーク・ロック的な手法を使いながらも、様々なエッセンスを曲毎に使い分ける、ジョン・セバスチャンらのセンスには驚きだ。こちらもボーナス・トラックを5曲(2003年の再発盤と同内容)収録!紙ジャケ仕様の初回生産限定盤なので、お早めにお求めを。

ラヴィン・スプーンフル
『ハムズ・オブ・ザ・ラヴィン・スプーンフル』
ハムズ・オブ・ザ〜-J.jpg




BMG JAPAN
発売中
CD
BVCM-35236
¥2,310(税込)

1967年にリリースされた、3rdアルバム。何と言っても全米1位を獲得した「サマー・イン・ザ・シティ」の収録で知られる本作だが、他にも「レイン・オン・ザ・ルーフ」「ナッシュヴィル・キャッツ」などヒット曲揃い。フォーク・ロック的なテイストをベースにしながらも、そこにカントリーやブルーグラス的なサウンドを加え、バンドとしての幅の広がりを見せたベスト・セラー作だ。ボーナス・トラックを6曲(2004年の再発盤と同内容)収録した、紙ジャケ仕様の初回生産限定盤。

ラヴィン・スプーンフル
『エヴリシング・プレイング』
エヴリシング・プレイング-J.jpg




BMG JAPAN
発売中
CD
BVCM-35237
¥2,310(税込)

1967年にリリースされた、4thアルバム。プロデューサーがジョー・ウィザードに交代し、またレコーディング途中にザル・ヤノフスキーが脱退して新たにMFQのジェリー・イエスターが参加するなど、変革期を迎えた彼らの作品だが、特にジェリー・イエスターの新たな才能が加わったことによって完成度の高い作品に仕上がっている。ボーナス・トラックを3曲(2004年の再発盤と同内容)収録した紙ジャケ仕様の初回生産限定盤なので、どうぞお早めに。

【杉 真理『魔法の領域』レコーディングこぼれ話】

魔法の領域_銀次_杉-A.jpg P09でご紹介した杉 真理のニュー・アルバムの『魔法の領域』のレコーディングは、8月末から12月初旬までの約3ヶ月強の期間に、集中して行われました。今回は私が制作ディレクターを担当したので、ここでエピソードをいくつかご紹介します。今回収録した13曲はそのほとんどが数年前からライヴで歌われていたもので、基本的には初披露のライヴで演奏したメンバーがレコーディングにも参加という形をとりました。そのため、既に演奏経験があることと、アレンジが何度もの演奏を経て完成していたことが、スタジオでのレコーディングにも好影響を与えました。レコーディングは、リズムと鍵盤楽器は基本的に一発録り。Pro Toolsを使っての綿密な作業は、1980年代から杉 真理作品を担当してきたエンジニア、安部徹氏。参加したミュージシャンは総勢40名以上。これは通常のアルバム録音では異例の多さです。ピカデ魔法の領域_BOX-A.jpgリーサーカスやBOXをはじめ、堂島孝平バンドや伊藤銀次氏とのマイルド・ヘヴンなど、様々なバンドが参加しましたが、中でも印象深いのは竹内まりや氏、安部恭弘氏、青山純氏といったレッド・ストライプスのメンバーを再集結した「僕らの日々」のセッションでした。これはこの中では唯一、レコーディングが始まってから書き下ろしたナンバーで、学生時代からの仲間が集まってのセッションはまさに当時のノリそのものでした。30数年を経ても変わらない友情と、音楽に対する想い…この辺りに思いを馳せて、「僕らの日々」を是非聴いてみて下さい。そして嶋田陽一氏&京田誠一氏というかつてのザ・ドリーマーズのキーボーディスト2人のコラボに小池ストリングスが加わった感動巨編「あの夏の少年」も聴き所です。なお3/19にはソニー時代のソロ・アルバムの再発も決定。これからの杉 真理の活動にもご注目下さい!

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