キマグレン

ARTIST PICK UP

キマグレン

湘南・逗子の海岸から生まれまた2人組"キマグレン"。
3つの「L」(=LIFE+LOVE+LOCAL)がキーワード。
温かくもオーガニックなサウンドと素直な言葉で伝えるPOP MUSIC。

(初出『Groovin'』2008年2月25日号)

キマグレン-A.jpg 潮の香りが何処からともなく漂って来るようなこの出会いを嬉しく思った。港町で育った私にとって潮の香りは決して珍しいモノではなく、あって当たり前のものだった。呼吸をするのと同時に体の中に入ってくる空気には、すでに潮の匂いが混じっていたのだ。今は町もずいぶん変わってしまい、私が子供の頃遊んでいた浜辺、本当は遊んじゃいけないテトラポットのジャングル、岩場などが今は懐かしい。"潮の香り"という字面からはもしかすると観光地にある"海"をイメージするかもしれないが、私の思い描く"海"は生活の一部にある海で、湘南・逗子から生まれた2人組キマグレンが育まれた海とはひと味違うのだろう。私の頭の中にもある数少ないイメージから逗子の海→海水浴→海の家という具合になっていくわけだが、皆さんも頭の中にある海のイメージを広げて貰えたらキマグレンの音楽を親しみやすくしてくれるかもしれない。
 キマグレンの音楽の中にはハッキリと嗅ぎ取れる海のイメージがある。イメージ・カラーは海と空の青、そしてアース・カラー。疲れた頭とカラダが今まさに思い描き求める音楽聴こえてきた。単純にオーガニックなサーフ・サウンドで片づけられない、ごく身近でごく自然なサウンドを作り上げている。また聴きたいと思うよりも、気付いたらもう聴いていた、もうずっと聴いていた、そんな感じなのである。1つのイメージを形にしていくならば、例えば防波堤に腰掛けてぼ〜っとなんにも考えず眺めていた海で何かがぽっとひらめく感じ。ふとラジオから流れた音楽に何となく聴き入ってしまったり、意味を為していなかった言葉が、ふとした瞬間心の全部を占領してしまったり。覚えようとしたわけではないのに、いつの間にか耳に残り、そのフレーズだけを繰り返し口ずさんでみたり。そんな親しみやすさがこのキマグレンの世界にはあるように思う。
 キマグレンの描く音楽。レゲエ、ヒップ・ホップ、ボッサそしてサーフといったジャンルを超えたサウンドを澄んだ海水に浮かべてぐるっとかき混ぜたら、綺麗に混ざり合った。海と陸と想いが生活の一部と出会い、そしてオーガニックな匂いのする、胸に響くポップなサウンドが生まれたんじゃないだろうか。とにかく親しみやすいし、明朗なサウンドだ。
 キマグレンの2人が自ら経営する逗子海外の海の家ライヴ・ハウス「音霊(おとだま)」。そのホーム・グラウンドを中心に昨年来ライヴ活動を続けてきたキマグレンが、満を持した形でいよいよメジャー・デビュー・シングルとなる「あえないウタ」をリリースした。コレがまたやばい!別れをテーマにした何とも胸にグッと迫る男泣きのウタなのだ。こんな経験一度はしたことあるんじゃないだろうか?ひとつひとつ胸に焼き付いていく言葉にほろりと一筋…。かっこつけた言葉じゃないから、よく分かる。シャラシャラランラ…。この呪文は潮風にのってきっと想いを届けてくれるだろう。

Text by 有田裕子(パルシェ店)

『あえないウタ』
キマグレン-J.jpg




ユニバーサル シグマ
発売中
Maxi Single
UMCK-5192
¥1,000(税込)

湘南・逗子発!新たなユニット出現!新しさと懐かしさが混在する、いつもも近くで聴いていたい。オーガニックな匂いのする親しみやすいポップ・サウンド!生活の中に息づく言葉がすとんと胸に落ちてくる。夏に出会った2人の真冬の恋の行方は?大切な人に伝えたい心からのラヴ・ソングをあなたに!

【キマグレン Official Site】http://www.kimaguren.com

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