隼人加織

ARTIST PICK UP

隼人加織

ブラジルと日本、2つのDNAが生み出した天性のシンガー…隼人加織。
魅惑のファルセット・ヴォイスとキュートなルックスを持つ彼女が、
春風にのってメジャー・デビュー!

(初出『Groovin'』2008年3月25日号)

隼人加織-A.jpg 寒かった日々も終わり、陽光が暖かく感じられるようになってきた今日この頃。冬コートをクリーニングに出して、ファッションも気分もすっきり軽やか、思わず鼻歌まじりにスキップをしたくなる。そんな嬉しい季節の到来とともに、春風のような歌姫がJ-POPシーンに舞い降りた。
 透明感溢れるファルセット・ヴォイスとキュートなルックスが魅力の2008年期待の新星、隼人加織。日本人の父とブラジル人の母を持つ天性の女性シンガーだ。2001年にインディー・レーベルより"ORHA(オルハ)"の名でデビュー、当時16歳の彼女が描き出す等身大の楽曲が話題を呼び、北陸地区を中心に人気を集めた。その頃からすでに独自の世界観を確立していた彼女だが、今回のメジャー・デビューにあたり、自らのアイデンティティである日本とブラジル両国の血を融合した新たなスタイルを模索。メジャー第1弾を飾る『pluma』は、ブラジル音楽とポップス、アコースティックと打ち込みサウンドの垣根を越えたオリジナリティ溢れるアルバムに仕上がっている。
 フェイヴァリット・アーティストとして、アントニオ・カルロス・ジョビンやベベウ・ジルベルトといったボサ・ノヴァの代表選手と並び、ボン・ジョヴィ、椎名林檎、BONNIE PINK、SUPERCARらを挙げている彼女。そんな隼人らしく、今作に収録されている10曲のカヴァーは、洋邦・新旧を織り交ぜた実に幅広いセレクトだ。昨年生誕80年を迎え再び脚光を浴びているA.C.ジョビンの「FELICIDADE」を始め、イギリスの人気ロック・バンド、コールドプレイの「SPEED OF SOUND」、80年代を彩ったユーリズミックスの「THERE MUST BE AN ANGEL」、サザンオールスターズの名バラード「Ya Ya(あの時代を忘れない)」、東京事変の楽曲をポルトガル語で歌った「化粧直し」等、多彩なナンバーがズラリ。それぞれが異なったバック・グラウンドを持つ名曲たちだが、それらをハヤトカオリ色に見事に染め上げ、1枚のアルバムとして素晴らしい調和を醸し出している。もちろん、サウダージ感とポップ感を融合させたオリジナル曲も、魅力的な輝きを放っているのは言うまでもなく、特に「虹〜arco iris〜」のスタイリッシュなサウンドは、一聴の価値アリだ。
 J-POPファンからブラジル音楽ファンまで、あらゆるリスナーを魅了するであろうこの『pluma』。春をより軽やかに過ごしたい方にオススメしたい。

Text by池 佐和子

『pluma』
隼人加織-J.jpg




ビクターエンタテインメント
3月26日発売
CD
VICP-64059
¥2,800(税込)

日本人の父とブラジル人の母を持つ23歳の女性シンガーのメジャー・デビュー・アルバム。"羽"という意味を持つアルバム・タイトル通り、軽やかで優しい1枚。ボサ・ノヴァの名曲から、コールドプレイ、ユーリズミックス、サザンオールスターズ、東京事変まで、多彩なカヴァーを収録。

【hayato kaori official web】http://www.hayatokaori.com/

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