GOING UNDER GROUND

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GOING UNDER GROUND

"ロマンティック・ファンタジスタ" GOING UNDER GROUND、
活動の軌跡を辿るコンプリート・シングル・コレクション。
10年の月日を重ねても色褪せない、不変&普遍のピュア・ロック。

(初出『Groovin'』2008年5月25日号)

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 インディーズ・デビューから10年という歳月を重ねたGOING UNDER GROUND(以下GUG)。13歳で既にバンドの原形があった事を思えば、今年三十路へ突入する彼らの活動は17年…思春期の少年が大人になるまでの間、彼らに限らずどんな経験をするのだろうか。初恋もすれば、将来の夢を掲げたりと、精一杯自分の足で歩こうと奮闘するだろう。思いが通じて浮き足立つような幸せが訪れたり、思うようにいかずに苦い経験をすることもあるだろう。大人になればなるほど足踏みを許されず、変わらざるを得ない事態に直面することだってある。
 GUGのメンバーも人生の半分以上を共に過ごし、作品を生み出す喜びや苦労を分かち合いながら歩き続けてきた。今作はそんな彼らの10年の軌跡を綴った、インディーズ時代のシングル/表題曲から最新シングル「初恋」(村下孝蔵のカヴァー)までの全シングルに新曲「My Treasure」を加えたコンプリート・シングル・ベスト。時系列に並べられた楽曲群には確かに10年が刻まれており、荒削りだががむしゃらなエネルギーが眩しい初期、技が着々と磨かれ個々のアレンジが際立ちを見せる中期、そして熟した技に課せられた普遍的なサウンド・アプローチで多くの人気を獲得してきた近年と、順を追って聴くと彼らの進化は目覚ましい。けれど、そんな進化の中でも決して変わることのない、彼らの絶対的な"ピュア"さ。実は女性よりも男性の方がロマンティスト、なんていう話をよく耳にするが、GUGの音楽を聴く度にそれを実感する。想いを口にして欲しい女性の気持ちとは裏腹に、言わなくても分かるだろうなんて突き放しがちなのが大概の男性。けれど彼らの音楽は照れるどころか、想いに伴う喜怒哀楽を全て吐き出し高らかに想いを伝える。焦燥感に煽られ疾走したり、幸せな気持ちにキラキラ輝いてみたり…誰の心にも存在する"ピュア"な部分に語り掛けるGUGサウンド。年を重ねるとその扉に鍵をかけてしまいがちだが、彼らの曲を聴くとその扉が自然と開け放たれるよう。そう、ピュアな気持ちは本来制御不能なもの。だから、こそばゆいけどいつまでも聴いていたい、そんな気持ちにさせてくれる。老若男女、全てのピュアなハートに届いて欲しい、GUGの不変&普遍のピュア・ロック。

Text by 浜田幸子(編集部)

『COMPLETE SINGLE COLLECTION 1998-2008』
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ビクターエンタテインメント
発売中
CD(2枚組)
[初回盤]VICL-62824〜5
[通常盤]VICL-62826〜7
各¥3,300(税込)

インディーズ時代から最新シングルまでの全シングルに新曲1曲を収録したコンプリート・シングル・コレクション。時系列に並んだ楽曲にバンドの歴史を感じつつも、決して変わることのないピュアなメッセージに自然と顔がほころぶ。初回盤はボーナス・トラックとして「初恋〜アコースティック・ヴァージョン〜」を追加収録。

【GOING UNDER GROUND official website】http://www.aquamusic.co.jp/going/

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