クレイジーケンバンド

ARTIST PICK UP

クレイジーケンバンド

もはや夏の風物詩!?CDデビュー10周年にして、10枚目の記念すべきアルバム!
原点(ZERO)に立ち戻ったかのごとくフレッシュで自由奔放な
新たなるCKBワールドがここに完成!

(初出『Groovin'』2008年7月25日号)

クレイジーケンバンド-A.jpg 1988年6月の1stアルバム『PUNCH! PUNCH! PUNCH!』を世に送り出してから早10年。そして通算10枚目という節目中の節目に発表されるアルバムのタイトルは『ZERO』。過去の9作品の上に成り立つのではなく、その時、その時のやりたいこと、やれることを迷うことなく投入し「ZERO」の気持ちで作り出したフレッシュなサウンド。前作のキャッチ・フレーズ「考えるな、感じろ!」から一転して「ちょっと待て!考えてから行動しろ!」ということで、細部に至るまで緻密に考え抜かれた楽曲の数々。神が舞い降りたとしか思えない横山 剣が紡ぎだす個性的なリリック。こうした素材を基にクレイジーケンバンドにしか成し得ない独自の製法によって生み出された「東洋の神秘」とも言うべき奇跡的な傑作アルバムに仕上がっている。さらに過去の作品では定番だった曲間ジングルだが、本作では収録曲が大豊作で、収録時間が足りなくなってしまったためカットされている。アルバム1枚を1つの番組のように演出し、楽曲の合間の「箸休め」的な存在を担ってきたジングルをはずしてでもファンに聴いてもらいたい「メインディッシュ」を優先した形だ。
 大豊作というだけあって、今回も世界各国津々浦々からさまざまなサウンドを吸収し、「俺たちに鳴らせない音はない!」と言わんばかりに何でもこなせる「東洋一のサウンド・マシーン」の本領発揮、その引き出しの多さはドラえもんの四次元ポケットのごとし。実際に横山 剣の脳内に流れる多岐多彩な楽曲を忠実に演奏できるのは彼ら以外にはいないだろう。
 ドラムを使わず、パーカッションだけでリズムを作った、エネルギッシュな「蜂」、和のテイストとハングルの歌詞を融合させた「福富町ブーガルー」、インド、ジャマイカにチャイナのテイストを注入したクンビア仕様のサマー・チューン「夏」、とあるホテルでの心を引き裂くような異臭にインスパイアされて出来上がった「宇宙興業」などなど、半ば無茶振り状態の剣さんの要求に実にフレキシブルに対応している。
 そして今回も冴え渡る唯一無二の横山 剣の生み出す摩訶不思議な詞世界。英語っぽく聴こえる日本語の言葉遊びが楽しい「ランタン」、「お前だけがいればペットなんかいらない」と正論なのか屁理屈なのかよく分からないけれど、なんだか共感できてしまう「ハマ風」。「ニッサンダイハツヒノホンダトヨタ…」という耳から離れないフレーズで怪しい雰囲気漂う「中古車」。レトロなサウンドと「カセット・テープ」といったワードがどこか懐かしさを感じさせる。日米親善盆踊りの夜、メリメリなアメ車で産業道路を間門から本牧埠頭方面に飛ばしたら、そのまんま1960年代後半のモータータウンであるデトロイトに意識が飛んだ、みたいな曲と表現されている「デトロイト音頭」。「デトロイト」と「盆踊り」というワードをたぐり寄せてくっつけてしまうセンスには脱帽だ。
 「音を楽しむと書いて音楽。そんなの当たり前だけど、それは非常に深いことなんですよ」と語る横山 剣がその類まれなる才能を詰め込めるだけ詰め込んだ、こだわりの全23トラック。記念すべき10周年の夏を思いっきり楽しみましょう!

Text by 矢部信之(市原白金通り店)

『ZERO』
クレイジーケンバンド-J.jpg



Almond Eyes
8月13日発売
CD
XNAE-10017
¥3,150(税込)

他には類を見ない幅広い音楽性と、常人には考えも及ばないリリックで独自の音楽を追求してきたCKBの通算10枚目となるオリジナル・アルバム。毎回恒例の曲間ジングルをカットしなければならないほどの大豊作、こだわりの全23トラック。応募抽選ハガキ封入。

【クレイジーケンバンド OFFICIAL WEB SITE】http://www.crazykenband.com/

inserted by FC2 system