今回のこのコーナーでは最近のリイシュー作品を中心にご紹介いたします。夏と言えばやはりビーチ・ボーイズですが、今年は凄いものが色々と出ています。中でもデニス・ウィルソンのソロ・アルバム『パシフィック・オーシャン・ブルー（レガシー・エディション）』は、まさに待望のリイシュー！さらに未発表音源を含む『鈴木 茂 ヒストリー・ボックス クラウン・イヤーズ 1974-1979』や、懐かしいCM満載の『The Coca-Cola TVCF Chronicles』など、どれも興味深いものばかり。すみや各店で是非チェックしてみて下さい。店頭にない商品はお取り寄せも出来ますので、お気軽にどうぞ。
Text by 土橋一夫（編集部）
（初出『Groovin'』2008年7月25日号）
鈴木 茂
『鈴木 茂 ヒストリー・ボックス
クラウン・イヤーズ 1974-1979』
日本クラウン
発売中
CD（6枚組）
CRCP-50060〜5
¥9,000（税込）
再評価の進むPANAMレーベルの中でも人気の鈴木 茂。ソロ作5枚…『BAND WAGON』〜『COSMOS '51』に、初登場となるレア・トラックを満載したボーナス・ディスクをプラスした6枚組BOXが登場！未発表写真満載のブックレット、そしてFM東京やTVK、荻窪ロフトなどでの貴重なハックルバックとのライヴなど、どれも目から鱗の凄い内容！リマスタリングされ音もクリアになり（特に『CAUTION!』以降）、何よりこれ以上ない詳細な資料が充実。ファンならマスト！生産限定なのでお早めに。
デニス・ウィルソン
『パシフィック・オーシャン・ブルー
（レガシー・エディション）』
SMJI
発売中
CD（2枚組）
EICP-1024〜5
¥3,780（税込）
これは快挙！ビーチ・ボーイズのデニスが1977年に発表した1stアルバムが、何と未発表の2nd『Bambu』などレア音源を追加した2枚組で遂にリイシュー！ビーチ・ボーイズにあってはどちらかと言えば「きかん坊の次男」的存在だったが、実はその音楽的才能は素晴らしいものであったことが、本作で分かるだろう。繊細で独特の美意識を持つ音楽性を堪能できるCD2枚と、ワイルドなルックスも楽しめる写真も満載のブックレットが付いた超充実盤。今こそまさに彼を正統に評価するその時だ。完全生産限定盤なのでお早めに。
ビーチ・ボーイズ
『US シングル・コレクション』
EMIミュージック・ジャパン
発売中
CD（16枚組）
TOCP-70553〜68
¥20,000（税込）
遂にシングル・コレクションが限定の紙ジャケ・ボックス・セットで登場！このBOX、既に輸入盤も出ていて、この国内盤は輸入国内盤仕様（輸入盤に日本語解説などを添付）。キャピトルでのデビュー・シングル「Surfin' Safari」（1962年）から1965年の「California Girls」までの15枚のシングル（EP含む）をそれぞれUSオリジナルのピクチャー・スリーヴなどを再現した紙ジャケで収録し、それにボーナス・ディスクをプラス。それぞれモノ・ミックスに加えてステレオ音源なども追加。
ビーチ・ボーイズ
『ビーチ・ボーイズ・イン・コンサート』
EMIミュージック・ジャパン
発売中
CD
TOCP-70549
¥2,600（税込）
南アフリカ出身のリッキー・ファター、ブロンディ・チャップリンを正式メンバーとして迎え入れ生まれ変わったビーチ・ボーイズの、1972年冬と73年夏に行われたツアーからセレクトされたライヴ・アルバム（1973年11月発表）。カール・ウィルソンが中心となり、ワイルドなロックン・ロールとグルーヴィーでパワフルなサウンドを聴かせる。これが今聴くと、すごく格好いい。バンドとしての新たな側面を見せ、その辺りがパワー・ポップ系好きにも再評価される所以だろう。紙ジャケ仕様。
ビーチ・ボーイズ
『15ビッグ・ワンズ』
EMIミュージック・ジャパン
発売中
CD
TOCP-70550
¥2,600（税込）
グループの表舞台からしばらく姿を消していたブライアン・ウィルソンが「ブライアンズ・バック」の大キャンペーンのもと、遂に本格復帰を果たし完成した本作（1976年7月リリース）は、先行でシングル・カットされた収録曲「ロック・アンド・ロール・ミュージック」が全米5位を、本作も全米8位を記録しセールス的にも成功を収める。内容的にはオールディーズのカヴァーが多くを占めるが、かつて『サタデー・ナイト・ライヴ』でブライアンが歌った「バック・ホーム」はこのアルバムに収録。紙ジャケ仕様。
ビーチ・ボーイズ
『ラヴ・ユー』
EMIミュージック・ジャパン
発売中
CD
TOCP-70551
¥2,600（税込）
本作は『15ビッグ・ワンズ』でグループに本格的に復帰したブライアン・ウィルソンが全作曲（共作含む）＆プロデュースを手がけた作品（1977年4月発表）で、ラフでシンプルな仕上がりながら非常にクオリティの高いアルバム。1970年代後半というサウンド的にも機材的にも変わり目の時期にあって、かつてのブライアンらしさと才能の煌めきがそこかしこに散りばめられた本作は、今なお特にビーチ・ボーイズ・ファン上級者からは人気の高い1枚でもある。紙ジャケ仕様。
ビーチ・ボーイズ
『M.I.U.アルバム』
EMIミュージック・ジャパン
発売中
CD
TOCP-70552
¥2,600（税込）
当初ビーチ・ボーイズとしては2枚目のクリスマス・アルバムとして企画されながら、その企画自体がボツとなり、そこに収録予定だったナンバーを中心に新たに手を加えてまとめ上げたアルバム（1978年9月発表）。インドの文化やマハリシ・ヨギの提唱する瞑想などの精神世界に傾倒していたマイク・ラヴの考え方もあって、マハリシ国際大学で録音されたため『M.I.U.アルバム』となった。ポップさと時代の狭間から来る独特の空気感が同居する、聴く度に味わいが増幅する1枚。紙ジャケ仕様。
ディオン
『ザ・ロード・アイム・オン：ア・レトロスペクティヴ』
SMJI
発売中
CD（2枚組）
SICP-1917〜8
¥2,835（税込）
ディオン＆ザ・ベルモンツとしても大活躍したディオン･ディムーチの、コロンビア時代の音源を2枚のCDにコンパイルしたファン待望の作品が再登場。1997年に一度リリースされたことがあるが、廃盤のため再発売を望む声も多かった本作には、多くのミュージシャンにも影響を与えた彼の実力を堪能できる計37曲を収録。この中には、シングルのみで発表された2曲も今回新たに追加されており（ただし日本盤のみ）、さらに最新マスタリングで音質も向上。
V.A.
『The Coca-Cola TVCF Chronicles』
avex io
発売中
DVD
IOBD-21044
¥4,725（税込）
かつて若者の憧れであったアメリカ文化。そしてこれを好む者が愛したコカ・コーラ。1960〜80年代に日本で放送されたコークのCM、84作品をまとめた奇跡のDVDが登場！単なるCMにとどまらず、ここには当時の若者文化とアメリカとの距離感、CMと音楽の関係などが凝縮されている。加山雄三やザ・ワイルドワンズ、ピンキラから赤い鳥、森山良子、矢沢永吉、早見優まで世代によってツボは異なるはずだが、新しさを訴求しようとする意識と映像美は共通。個人的には杉真理作品を見られたのも収穫。初回盤のみコンツアーミニボトル封入。
※写真は通常盤のジャケットです。
鈴木祥子
『SHO-CO-SONGS collection 1』
SMDR
発売中
2CD＋DVD
MHCL-1328〜30
¥6,000（税込）
今年、デビュー20周年を迎えた鈴木祥子が1988〜90年に発表した1st『VIRIDIAN』〜4th『Long Long Way Home』までの4作をCD2枚に収録し、さらに当時のPVや未発表ライヴなどレアな映像をまとめたDVDが付いたファン必携のボックス・セット。ポップな側面とシンガー・ソングライターとしての確固たる個性が同居する初期作品からは、1980〜90年代というサウンドの転換期にありながら、そこを貫くだけの彼女の強いパワーを感じ取ることが出来る。若いリスナーには入門編としても最適。
戸川 純
『TOGAWA LEGEND SELF SELECT
BEST & RARE 1979-2008』
SMDR
発売中
CD（3枚組）
MHCL-1285〜7
¥6,000（税込）
ソロとして、あるいはゲルニカ、ヤプーズなどのヴォーカリストとして活動してきた戸川 純は、デビュー30周年を迎えた。そこでアルファからテイチク、コロムビアなどレーベルを超えて本人が選曲した豪華3枚組が登場！2万字ライナーや未発表写真も凄いが、ゲスト参加曲などを集めたレア・トラック集が何と言っても嬉しい。椎名林檎がデビューした時に一部で再評価されたが、独特の存在感と幅広い音楽性は今こそ若いリスナーに衝撃を与えることだろう。初回限定紙ジャケ・ボックス仕様。
V.A.
『懐かしの洋楽ヒットL盤50〜ラジオ黄金時代』
SMJI
発売中
CD（2枚組）
SICP-1846〜7
¥2,940（税込）
TBSラジオ（番組スタート時はラジオ東京）で1950〜60年代に放送された『L盤アワー』で取り上げられたイージーリスニングやポップスなど、いわゆるオールディーズを50曲収録した充実のコンピが登場。『S盤アワー』と共に人気を博したこの番組では、パーシー・フェイスに始まり、ドリス・デイやブラザーズ・フォア、サークルやバーズまで、今となっては古き良き美しいメロディのナンバーが紹介されたが、その雰囲気を手軽に味わえる好企画盤だ。なお『S盤50』もBMGから発売中！
