スリップノット

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スリップノット

「ラウドパーク08」ヘッドライナー決定!!
9人の怪物たちが産み出す混沌と狂気が全ての希望を消し去る…。
超激烈仮面鋼鉄音軍団4年ぶり圧巻の再始動!その先にあるものとは一体!?

(初出『Groovin'』2008年8月25日号)

スリップノット-A.jpg 前作の頃はメンバーのソロ活動があったため解散説が流れるなど、緊張感の漂う中でリリースされた記憶があった。しかし今作に至っては、時が来れば自ずと4枚目がリリースされるのだろうという確信もあったし、間にライヴ・アルバムやDVDのリリースもあったので、結構あっという間だったなと感じている。来年で10周年のバンドがまだ4枚目か…と思わなくもないが、無事4枚目がリリースされた事が嬉しいのでこの際文句は言うまい。
 さてアルバムの内容だがまとめてしまえば、前3作全ての要素が全て詰め込まれ、さらにそれが今までにないほど洗練され、高い次元で融合している傑作だと言える。1stの時のような荒々しさと勢い、2ndの時のような怒り、3rdでのメロディアスな感情のディープさ、これらが1枚のアルバムの中に表現されている、まさに総決算とも言える内容だ。そして、今まで以上にドラムの音が大きく非常にリズムが強調されているため、とてもリズミックな印象を受けた。
 ではアルバムを1曲目から追っていこう。お約束のイントロから始まり、非常に彼ららしいグルーヴを撒き散らすファスト・チューンの2曲目「ゲマトリア(ザ・キリング・ネーム)」だが、こういう曲も今作は非常にリズミックで、バンドがパワー・アップして帰ってきたと思える。続く「サルファー」はイントロからヴァースまではヘヴィでファストだが、サビのハッとするような美しいメロディが特徴でギター・ソロもメロディアスで印象的だ。次に第1弾シングル曲でもある覚えやすいサビを持つ「サイコソシアル」、そして、これでもかと言うぐらいキャッチー&メロウで押しまくるミディアム・テンポの「デッド・メモリーズ」。続く「ヴェンデッタ」もミッド・テンポだが、グルーヴの強調された味のある曲で中間部には「アイ!アイ!」と唱和できる部分が用意されており、ライヴで演奏されるのが楽しみ。個人的にはファストな曲は勿論好きだが、こういったグルーヴィーな曲も大好きだし、ミドル・テンポでもこういうノリのある曲を作れるようになった事にミュージシャンとしての成長を感じた。ちょっと変わったリフのあるヘヴィ・グルーヴ・チューン「ブッチャーズ・フック」に続いて、ドゥーミーな導入からゴシックなサビへと続く「ゲヘナ」で落ち着いたら、当然次は来ました!最高にクールなイントロからとにかくリフで押しまくるスラッシーな「ディス・コールド・ブラック」。ギター・ソロまで最高にカッコイイ、キャッチーなサビのヘヴィ・チューン「ホエアイン・ライズ・コンティニュー」に続いて登場するのが、なんとアコーステック・バラード「スナッフ」。スリップノットのアルバムの中にあって、こういう曲がはまってしまうという事がバンドのポテンシャルの奥深さを感じさせる。そしてラストはタイトル・トラックでもある、これぞスリップノットといいたくなるようなファスト・チューンで締め(ガッツポーズ!)。
 4年ぶりではあるが、これだけ洗練された分かりやすいアルバムだと今回もさらにファンの裾野が広がりそうだ。「ラウドパーク08」でのヘッドライナーも決定して、まだまだ彼らの快進撃は治まりそうもない。

Text by 三津山孝之(玉川高島屋S・C店)

『オール・ホープ・イズ・ゴーン』
スリップノット-J.jpg



ロードランナー・ジャパン
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【スリップノット 日本オフィシャルサイト】http://www.roadrunnerrecords.co.jp/artist/Slipknot

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