Dew

ARTIST PICK UP

Dew

朝露(Dew)を浴びて咲き誇る花。
音楽を心から愛し、真摯な姿で追求し続ける、Dewが長い時間をかけて
丁寧に作り上げた『花図鑑』に続く"別冊"は珠玉の花のカヴァー・アルバム。

(初出『Groovin'』2008年9月25日号)

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 沁みるなぁ…。『花図鑑 別冊』のオープニングを飾る「赤いスイートピー」が耳に入った瞬間、思わず出てきた言葉。「沁みる」といっても傷口がひりひりするような感覚ではなく、見えないほどの小さな擦り傷にふんわりとかけられるガーゼの包帯のような優しさ、目を瞑ると涙がこぼれてしまいそうになる感情。
 歌っているDewは清水 悠と大西春奈による現役大学生ユニットである。Dewとは「朝露」という意味であり、自分たちの楽曲が朝露のように透明で、時代を越えて人の心を潤すものであって欲しい、という願いをこめて命名された。Dewという名前に聞き覚えはなくとも、昨年11月にリリースされた1stシングル「プレゼント」は綾瀬はるか出演のMAX FACTORのCMソングに起用され、その輝くように美しい映像と共に話題となった、といえば思い出される方も多いだろう。そして今年7月、誰もが待ち望んでいたミニ・アルバム『花図鑑』をリリース。花をテーマにした楽曲で構成された『花図鑑』は構想に3年を費やしたという。その別冊にあたるのが今回ご紹介するカヴァー・アルバム『花図鑑 別冊』であり、こちらも全曲花をテーマにした楽曲のセレクション。冒頭でご紹介した「赤いスイートピー」(松田聖子)、「ばらの花」(くるり)、「ハルジョオン・ヒメジョオン」(松任谷由実)、「コスモス」(スピッツ)など10本の花々がDewによって新たな命を吹き込まれ咲き誇っている。言葉の美しさを丁寧に歌い上げた「ハナミズキ」(一青窈)、オリジナルのポップな感覚をピアノとヴォーカルのみのセッションで楽しんだ「Daisy」(BONNIE PINK)、凛とした美しさをハーモニーで聴かせる「SAKURAドロップス」(宇多田ヒカル)、「THE ROSE」(Bette Midler)は多くのアーティストにカヴァーされているが、私は本作のDewヴァージョンが一番好きだ。
 音楽を心から愛し、真摯な姿で追求し続けるDewが長い時間をかけて丁寧に作り上げた2冊の『花図鑑』。聴く人の心の中へと、朝露を浴びて美しく咲く花の種が、一粒一粒蒔かれていくようなアルバムだと思う。

Text by 大野裕子(パルシェ店)

『花図鑑 別冊』
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ビクターエンタテインメント
10月1日発売
CD
VICL-62886
¥2,300(税込)

★収録曲 ※( )は原曲アーティスト名
01. 赤いスイートピー(松田聖子) / 02. ばらの花(くるり) / 03. ハナミズキ(一青 窈) / 04. ハルジョオン・ヒメジョオン(松任谷由実) / 05. Daisy(BONNIE PINK) / 06. SAKURAドロップス(宇多田ヒカル) / 07. ポロメリア(Cocco) / 08. THE ROSE(Bette Midler) / 09. コスモス(スピッツ) / 10. エーデルワイス(ミュージカル『サウンドオブミュージック』より)

7月発売のミニ・アルバム『花図鑑』に続く本作は全曲"花"をテーマにしたカヴァー・アルバム。「赤いスイートピー」「ばらの花」など様々な楽曲がDewに新たな命を吹き込まれ咲き誇っている。7月30日発売の『花図鑑』とのW購入者に全員プレゼントも実施。是非セットで聴いてみては?

【Dew Official Website】http://www.jvcmusic.co.jp/dew/

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