MY BEST CHOICE!

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第103回
富田和樹(TSUTAYAすみや静岡平和町店)

(初出『Groovin'』2008年10月25日号)

 今回僕がご紹介するアルバムは、僕がギターにのめりこむきっかけとなったヴァン・ヘイレンの1stアルバム『炎の導火線(原題:VAN HALEN)』です。このアルバムを買った時僕は確か16、17歳くらいでしたが、その時の衝撃度はかなりのものでした。当時はまだ洋楽を聴き始めたぐらいの時期で、どのアーティストがいつの時代の人だとかどんなジャンルの音楽をやっている人だとか全然知らずに、とりあえず気になったものや目についたものをひたすら聴いていました。なので、今思うとへたに知識がついてしまった今よりもその当時のほうが素直に音楽を聴いていたと思います。
 そんな中でなぜ数ある洋楽の中からこのアルバムを買ったのかは忘れてしまいましたが、たぶん雑誌か何かの「洋楽必聴盤コーナー」で紹介されていて、このアルバムをいつか聴いてみようと思っていたのだと思います。そして、家に帰ってこのアルバムを聴いてから「これはもっとギターを練習するしかない」と思いました。それまでギターを始めてからいまいち上達もせず、先行きも見えない不安定な状態で練習していたのですが、このアルバムはそれまで聴いてきたどのアルバムよりもギターというものの存在感が大きく、それを強烈に印象づけられた作品でした。このアルバムがその当時から今現在までの僕の人生の方向性を決めてしまった、と言ってもおかしくはないです。逆にいえば、もしこのアルバムに出会うことがなければ、ギターは押入れにしまって無駄な買い物をしたと思い、その後の人生で出会う友人たちにも出会うことがなかったのかも知れません。そのように考えると、このアルバムは僕にとって非常に大切なものであり、このアルバムを聴いた時の気持ちはいつまでも忘れたくないと思います。

*なお次回は、三津山貴之氏(TSUTAYAすみや玉川高島屋S・C店)が登場します。

ヴァン・ヘイレン
『炎の導火線』
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ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
CD
WPCR-75054
¥2,000(税込)

このアルバムの代名詞と言ってもいいのが、2曲目の「暗闇の爆撃(原題:Eruption)」です。このアルバムが発売された当時、多くのギター・プレイヤーが度肝を抜かれたらしいです。特にこの曲の後半で聴けるクラシカルな旋律は、まさにギター史に残る名演です。

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