ジェフ・ベック

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ジェフ・ベック

二度あることは三度ある!ギター・ヒーローの三度の凱旋!
リヴィング・レジェンド、ジェフ・ベックの最新ライヴ盤が登場!
先の読めないギター・プレイは今尚健在。来日公演を首を長くして待つべし!

(初出『Groovin'』2008年11月25日号)

ジェフ・ベック-A .jpg 永遠のギター・ヒーロー、ジェフ・ベック!キャリア40年以上を誇る彼のイメージは「孤高のギタリスト」「永遠のギター少年」等々、まさに我が道を行く、だ。よく言えば自分を貫く。悪く言えばわがまま、気分屋。どれを取ってもジェフの魅力には違いない。よく言われる3大ギタリストの中でも(他の2人はエリック・クラプトン、ジミー・ペイジ)老成や安定とは真逆の方向へ常に進んでいる。本人も、とあるインタヴューで「ミュージシャンというよりはギタリストでありたい」と発言したこともあるほど。ギター表現の可能性の追求、そして進化し続けるギタリスト、それがジェフ・ベックだ。
 40年のキャリアと書いたが、その割には寡作でしかも同じメンツでのアルバムが3枚以上続いた事がない。これが、きまぐれとかやりたい事が次々と変わっているという印象を作っているのではないか。原点はロカビリー、ビート・グループを経てサイケデリック、ハード・ロック、R&B、そしてフュージョン。近年はデジタル・ロックからテクノへと、もはやジャンルも自分のやりたい放題。
 今作はオフィシャル・ブートレッグだった『ライヴ・ベック』の第3弾だ。かつてジェフのライヴ盤はヤン・ハマーとの『ライヴ・ワイヤー』と、BBAの『ライヴ・イン・ジャパン』の2枚しかなかったが、わずか数年の内で3作の発表という事は余程ライヴが充実しているのか。その答えは2009年の来日公演を目撃するしかないが、今はこのライヴ盤で予習をしておこう。
 前作まではアメリカでのライヴであったが、今作はお膝元のロンドンはロニー・スコッツ・ジャズ・クラブ。観客にはクラプトン、ペイジ、クイーンのブライアン・メイ、ブラック・サバスのトニー・アイオミといった錚々たるメンバーがいたそうな。選曲は前作までのデジタル的な部分は薄れ、ジャズ・フュージョン時期の曲が中心になっているのが特徴か。イントロはもう定番、「ベックス・ボレロ」。オリジナル曲のドラマーはザ・フーの今は亡きキース・ムーン。ドラム・ソロに雪崩れ込む時の叫び声が最高の1曲。今回はカヴァーが3曲あり、マハヴィシュヌ・オーケストラとビリー・コブハムといったジャズ・ロック系だ。オリジナル・ギタリストはジョン・マクラフリンと、リッチー・ブラックモアに代わってディープ・パープルに参加したトミー・ボーリン。当然挑戦する相手としては文句無し。ジャズ・ロックとジェフの関係考察というのも今後考えてみたいテーマですな。ラスト近くにビートルズの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」をもってきて泣かせてくれるなんて役者だね。ジェフ・ベック。

Text by 遠藤 栄(本庄店)

『ライヴ・ベック3〜ライヴ・アット・ロニー・スコッツ・クラブ〜』
ジェフ・ベック-J.jpg




SMJI
11月26日発売
CD
SICP-2111
¥2,520(税込)

孤高のギタリスト、ジェフ・ベックのライヴ盤が登場。今まで一切過去を振り返らなかった男が何と第3弾をリリース!ライヴでの充実ぶりが堪能でき、2009年の来日公演にも期待が高まる。予習には必携の1枚。

【ジェフ・ベック 日本公式サイト】http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/ES/JeffBeck/

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