ブリトニー・スピアーズ

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ブリトニー・スピアーズ

「完全復活」宣言は嘘じゃなかった!
世界のポップ・アイコン、ブリトニー・スピアーズの堂々たる新作は
自らの誕生日&トップシーンへのカムバックを祝う会心の1枚

(初出『Groovin'』2008年11月25日号)

ブリトニー・スピアーズ-A.jpg 「十年一昔」とはよく聞く言葉。子供は大人に成長し、景色は移り、自分はさておき周囲の目線も変わり…。それは成功した人間ほど感じるだろうし、成功した人間を見ている側の我々も常に気になる動向である。来年、デビューから10年を経過する彼女は、まさにそれを体現している。抜群のスキルとセンス、持って生まれたスター性。だからこそ常に注目を浴びてしまう正真正銘の「アイコン」。それがブリトニー・スピアーズだ。
 今から9年前、颯爽とポップス界に現れた彼女はデビュー・アルバムを世界中で3,000万枚以上売り上げた。その後の偉業はもはや語るまでもなく、アメリカを代表するアイドル/シンガーとして活動を続け、3年前には自身の愛息を出産した。しかし順風満帆に見える彼女はこの数年、心無いゴシップや「アイコン」という重圧が多大なプレッシャーとなり、葛藤と苦悩を繰り返し輝きを失いかけていた。そんな中、昨年にアルバム『ブラックアウト』がリリースされた。
 結婚、妊娠、出産という大きな経験を経て、リリースされた前作はアスリートにおける"アップ・トレーニング"のような1枚だった。「アイドル」の枠を本格的に壊し、自身の尊敬するマドンナのような「アーティスト」への階段を今まで以上に一気に駆け上がり、輝きを取り戻す為のウォーミング・アップ…。そんなアーティスト活動とプライヴェートの充実した日々を経過し、葛藤と苦悩を突き抜け、遂に彼女は「完全復活」を果たした。今年の9月にはL.A.で行われたMTVのビデオ・アワードに出演し、キレのあるパフォーマンスを見せつけ、超満員の観衆、そして世界中に「復活」をアピール。そしてリード・シングル「ウーマナイザー」は96位から1位というビルボード史上最高のジャンプ・アップを記録し、自身2度目のシングル・チャート1位を獲得した。
 そしてこの「復活」を「完全」にする決定打が新作『サーカス』である。先述のリード・トラックは4thアルバム『イン・ザ・ゾーン』を彷彿とさせるエレクトロ・ポップなサウンドに、彼女のセクシーなヴォーカルが冴え渡り、「This is ブリトニー!」とガッツ・ポーズしたくなるような仕上がりだ。また今作も豪華なプロデューサー/ソングライターが多数参加している。参加メンバーはドクター・ルーク、マックス・マーティン、ブラッドシャイ&アヴァーント、ガイ・シグワース(手掛けたアーティストは、それぞれアヴリル・ラヴィーン、ボン・ジョヴィ、マドンナ、ビョークなど)というポップス界の超一流ばかり。このメンツを集めただけで本気度を窺えるし、そして何より今までのブリトニー・サウンドを継承しつつ、新しい次元に突入するという高いハードルを充分にクリアする内容に仕上がった。
 「十年一昔」。人はその「十年一昔」から今に至るまで遠回りも失敗も繰り返す。だけど失敗の中で掴んだものは、成功ばかりしていたら掴めないものである。そして彼女は失敗で掴んだものを手に入れて輝きを取り戻した。
 Happy Birthday! & Welcome back! Britney!

Text by 藪上 逸(東越谷店)

『サーカス』
ブリトニー・スピアーズ-J.jpg



BMG JAPAN
12月3日発売
CD
BVCP-24152
¥2,300(税込)
※3ヶ月限定スペシャル・プライス

96位→1位というビルボード史上最高のジャンプ・アップを見せたリード・シングル「ウーマナイザー」収録の6thアルバム。今までのサウンドを継承し、新しい次元に突入したブリトニーの完全復活を象徴する1枚。日本盤のみボーナス・トラック1曲収録。

【ブリトニー・スピアーズ 日本公式サイト】http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/BV/britneyspears/

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