FLOW of Groovin2009

ARTIST PICK UP

FLOW

1年以上の長い長いライヴ・ツアーの果てに、
ひとめぐりして還ってきたFLOWの居場所。
原点回帰、初期衝動、そんな言葉が似合う5thアルバム!!

(初出『Groovin'』2009年1月25日号)

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 デビュー5周年の「5」、5ピース・バンドの「5」、そして5枚目の「5」。奇しくも重なったいくつもの「5」をタイトルに掲げたFLOWの最新アルバム『♯5』は、インディーズ時代の初作品「FLOW ♯0」を思わせるシンプルなアルバム・タイトルどおり、バンドの初期衝動、原点にとても近い作品だと思う。4thアルバル『アイル』からはわずか10ヶ月ぶり、そして1年以上におよぶツアーの最終公演を初の日本武道館で成功させてからもまだ4ヶ月足らずで完成された今作には、今、FLOWから溢れ出る制作意欲、抑えきれない衝動をビリビリと感じさせてくれるナンバーが数多く収録されている。
 それはバンドの初期の楽曲群に見受けられたパンクやヘヴィ・ロックにラップをのせるミクスチャー・スタイルのナンバーに特に顕著に現れていて、なかでも「HEAVENLY STARS」や「MUSIC」という2曲は共にライヴ会場でのステージと客席の相互で起こる交歓、ヒート・アップする感情をスピーディに綴っている。聴く側がこの手の曲を早くライヴで体験したいと思うのは当然のことだが、メンバーの方こそ一刻も早くツアーに出たくでうずうずしてるんじゃないだろうか、そんな風に思わせるナンバーだ。緊迫感のあるパンク系ナンバー「赤いサイレン」や、人生の"マスト・アンセム"としての友の大切さを歌った「ANTHEM」なども、この類。お茶の間で人気の分かりやすいエンターテイナーには甘んじない、ライヴ・バンドとして確固たる姿勢を貫いてきたFLOWの実力を垣間見れるはずだ。
 その分、FLOWのもう1つの魅力でもあるバンドの振り幅は少し控えめかもしれない。哀愁漂うミディアム・ナンバーやキャッチーなサビが心地よいシングル曲があるものの、前作『アイル』が大きく振り切ったヴァラエティ豊かな内容だっただけに、『♯5』はぐっと削ぎ落として挑んだ渾身のロック・アルバムという印象。総じて過去のどのアルバムとも全く違う内容の作品に仕上がった。前作の成功に妥協しないアグレッシヴな姿勢こそが、メジャー・デビュー5年目のバンドとして、とても好ましいと思う。

Text by秦 理絵

『♯5』
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Ki/oon Records
1月28日発売
CD
KSCL-1357
¥3,059(税込)
渾身のロック・アルバムに仕上げた5th!BONUS TRACKにはノリノリでカヴァーした「学園天国」を収録。シングル『SNOW FLAKE 〜記憶の固執〜/PULSE』とのW購入者プレゼント応募券封入。通常盤の初回生産限定盤には3曲のミュージック・ビデオ等を収録。

【FLOW OFFICIAL SITE】http://www.flow.mu/

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