ブルース・スプリングスティーン of Groovin2009

ARTIST PICK UP

ブルース・スプリングスティーン

ボスは、歌い続ける。「俺は夢を追い続けている」と。
決して、今に満足することなく、
何時も何かを追い求めている男たちの姿がココに在る。

(初出『Groovin'』2009年1月25日号)

BRUCE SPRINGSTEEN-A.jpg 2007年発売の『マジック』は、ロック・ファンの間で最大級の賞賛を持って迎えられたアルバムだった。全米・全英で大ヒットした事がそれをきちんと証明し、そのアルバムは「ロックの何たるか」を至極ストレートに伝えてくれていた。まさに「心」「技」「体」共に充実した1枚だったと思う。
 そんな"気迫"を感じた『マジック』から早1年。発売される新作が『ワーキング・オン・ア・ドリーム』だ。タイトルが示すとおり、ここには直向に"夢"を追い続ける男たちの姿が存在する。"夢"とは本当に素敵なサムシングだと思う。でも、それに向かって邁進する事こそが美しい。
 タイトル曲の「ワーキング・オン・ア・ドリーム」の一節でもこう歌われている。"俺は夢を追い続けている。とても遠くに感じられるが、諦めない。夢を叶えるために努力を続けるんだ。いつか俺のものになるはずだから…日が昇り、新しい1日が始まる。そして、俺は夢を追い続けている"あまりにもシンプルで、ポジティヴなメッセージ。このメッセージを正面から受け止める覚悟は、僕らにあるだろうか?
 今作のプロデュース&ミックスは、前作同様にブレンダン・オブライエンが担当。90年代の主要ロック・アルバムの多くを手掛けた彼の手法は、ブルースのロックン・ロールをよりダイナミックに響かせて、新鮮なグルーヴ感を与えている。このアルバム制作に関して、ボスは次のように発言している。「前作『マジック』のレコーディングが終盤にさしかかるに従って、ポップなサウンドに回帰していく自分に興奮し、俺はその後も曲を書き続けたんだ。友人であり、プロデューサーであるブレンダン・オブライエンがそれらの新曲を聴いたとき、彼は"このまま続けていこう"と俺に言った」と。ブレンダンの発言と直感は、ブルースとE ストリート・バンドにとっても最高の効果をもたらしたと言ってよいだろう。
 2009年の初頭を飾るに、ふさわしいこのニュー・アルバム。あなたの"夢"の実現を後押ししてくれるものになれば、最高だと思う。

Text by 松本昭仁

『ワーキング・オン・ア・ドリーム』
BRUCE SPRINGSTEEN-J.jpg

SMJI
1月28日発売
CD
SICP-2136
¥2,520(税込)
表題曲「ワーキング・オン・ア・ドリーム」は、全ての夢を叶えようと努力し続ける人々への力強いメッセージ。ボーナス・トラックはソロ作品で、映画『ザ・レスラー』の主題歌。新曲12曲+1曲のボーナス・トラック収録。

【ブルース・スプリングスティーン 日本オフィシャルサイト】http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Special/BruceSpringsteen/

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