みんなアニメが好きだった of Groovin2009

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みんなアニメが好きだった

R35世代に送るアニメ・コンピレーションの決定版が登場!
あらゆるメーカーから集められたテーマ・ソングが24曲、
アニメ・コンピでは初のHQCDとまさに究極!

(初出『Groovin'』2009年2月25日号)

みんなアニメが好きだった-A.jpg 私の世代はどちらかというと"アラフォー"なので若干世代はずれるが、特段意識しないながら、自分の子供時代〜結婚〜子育て(現在も3人と格闘中)と約30年あまり、アニメを見てきた世代に当たる。それこそ物心ついた時から常に、夕方〜ゴールデン・タイムに堂々とアニメ番組が放送されていた時代、そのテーマ・ソングはそのキャラクターを瞬時に連想させる(子供達を茶の間に速効で集結させる)ディープ・インパクトな名曲ばかりだった。職業柄ということもあるが、現在も子供達が居間でみるアニメの主題歌をチェックしたりするが、あの頃のような"熱さ(暑さ?)"がなくて、新人アーティストの見本市のような状況に一抹の寂しさを覚えたりもする(もちろん、全部じゃないですけど)。
 世代別コンピレーション全盛の中、ついにアニソン・コンピレーションの決定版が登場した。『みんなアニメが好きだった』というタイトルそのままに、誰もが口ずさめ、子供と一緒に歌える(そういえばなぜか小さい子供でも自分らの頃の番組を知ってます、歌えます。再放送?特番?CS?)キラー・チューンの連続。私自身がそうであったように、同世代の方はこの収録曲をみて、思わずテレビの前にかじりついた記憶とその映像がフラッシュ・バックするのではないか。リリース時のメーカーを飛び越えて編集された24曲、まずは拍手をおくりたい。「ルパン三世のテーマ '78」にはじまり、「マジンガーZ」で終わるその内容は、若干"男の子向き"(この表現もアラフォーか)なものの、「キューティーハニー」や「キャンディ キャンディ」といったメジャーどころは漏らさず収録、「銀河鉄道999」「Get Wild」や「CAT'S EYE」「想い出がいっぱい」といったベストテン時代のヒット・チャートとしても魅力溢れる1枚だ。さらに特筆すべきはアニメ・コンピレーションとしては初のHQCD仕様でのリリース。実際に試聴したところ、演奏の細部まで細かく把握できるクリアかつ迫力のある音に変わっている。ちょっとマニアックかもしれないが、この時期のアニソンには歌手も実力派揃い、バック・トラックに名演(濃厚ファンク、ブラス・ロック、アーバンAORなど)が多く、目からウロコのトラックも満載だ。
 ここまでくると、男の子・女の子別、コンセプト別、歌手別、名演編、エンディング・テーマの決定版(じつはエンディングに名曲多し!待望!)などの続編や、映像編などを期待してしまうが、まずは多くの人が聴ける、こんなアルバムがヒットすることを期待したい。そしてテーマ曲を適当に覚えて大声で歌っていた(実際、それで言葉を覚えた。いまの子供を見ていると、必死に覚えた頃には違う曲に変更…。ちょっとかわいそう)、あの頃のように、文字通りその番組の"テーマ"になる主題歌がもっともっと増えてほしい、と思う。また、ゴールデン・タイムに一家で見ることのできる普遍性をもった作品にもっともっとチャレンジしてほしい。今の子供世代がR35になった時、"みんなアニメが好きだった"といえるように。

Text by 作山和教

『みんなアニメが好きだった』
みんなアニメが好きだった-J.jpg
コロムビアミュージックエンタテインメント
3月4日発売
CD
COCX-35463
¥2,400(税込)

R35世代、もちろんその前後にも決定版となる究極のアニメ・コンピレーションが登場!強烈な個性を放つ24曲はどれも瞬時にキャラクターを連想させるツワモノ揃い。アニメ・コンピ初のHQCD仕様により、楽曲そのものを楽しむこともできるのがうれしい。

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