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V.A.
『JUDY AND MARY 15th Anniversary Tribute Album』
人気アーティストが大挙参加、
未だ存在感を放ち続けるJUDY AND MARYのデビュー15周年記念盤。
ヒット曲満載、世代を超えて楽しめるトリビュート・アルバム、その金字塔的作品。
(初出『Groovin'』2009年3月25日号)
ジュディマリことJUDY AND MARYのデビューも、全盛期も、解散も、ついこの間のことのような気がしてならない。いくつか理由はある。今、聴いても彼らの曲はまったく色褪せていないこと。某誌のランキングで顕著だったように、彼らが今も若い世代に支持され続けていること。バンド解散以降のYUKIのソロ活動が順調だということも関係しているだろう。90年代に一世を風靡したモンスター・バンドの中で女性ヴォーカルを擁していた彼らのその存在感は特別なもので、シングル・ヒットも、出現しては儚く消えていったフォロワーも数知れない。そのJUDY AND MARYのデビュー15周年を記念して制作されたトリビュート盤がこれ。彼らを"伝説"のバンドとするにはいささか尚早のような気もするが、彼らの下の世代にとっては十分に伝説の存在なのだろう。参加アーティストを見ればそれも納得だ。
本家のカヴァーをすることによってYUKIのヴォーカル・スタイルからの影響が浮き彫りになった格好のトラックもあるが、自分のカラーをまぶしつつ、基本的には素直に歌い上げたものがやはり多い。中でも完璧に持ち歌の域に達しているPUFFYと、唯一、シングル曲ではなくアルバム収録曲をチョイスした木村カエラのストレートな歌と個性的な原曲をより斬新にしたアレンジとの鮮やかなコントラストが印象に残った。意外なところでは、甘すぎずクールすぎずの絶妙なさじ加減で異彩を放つFreeTEMPOこと半沢武志(ヴォーカルは彼がプロデュースを手がける女性シンガー、SAWA)の「RADIO」、ジュディマリのコピー・バンド経験があるというschool food punishmentによる「Brand New Wave Upper Ground」もエレクトロニカな雰囲気がいかにも同時代的で、思わず惹きつけられる。
こういった企画で面白いのは彼らと同年代、もしくは上の世代のミュージシャンによるカヴァーだ。偶然にも今回はそれが男性アーティストで固められているが、箸休め的雰囲気でいい味を出した奥田民生「散歩道」、自身の声の良さと楽曲の良さをカヴァーにより際立たせたスネオヘアー「小さな頃から」、いつも通りのYO-KING節がどこか可愛らしくさえ聴こえる真心ブラザーズ「ドキドキ」と、いずれも独特の妙味を放ち、ジュディマリをより立体的に見せることに一役買っている。
Text by 篠原美江
★JUDY AND MARY デビュー15周年!トリビュート・アルバムと併せて、オリジナル・アルバムもチェック!
『J・A・M』
Epic Records
発売中
CD
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¥2,854(税込)
『Orange Sunshine』
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『MIRACLE DIVING』
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『WARP』
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『JUDY AND MARY 15th Anniversary Tribute Album』
Epic Records
発売中
CD
ESCL-3177
¥3,059(税込)
★収録曲
01. クラシック / いきものがかり 02. motto / PUFFY 03. Over Drive / mihimaru GT 04. 散歩道 / 奥田民生 05. RADIO / 半沢武志(FreeTEMPO) 06. Brand New Wave Upper Ground / school food punishment 07. ラッキープール / HALCALI 08. DAYDREAM / SCANDAL 09. Happy? / 木村カエラ 10. そばかす / 中川翔子 11. ミュージック ファイター / ミドリ 12. LOVER SOUL / 大塚 愛
13. KYOTO / シギ 14. 小さな頃から / スネオヘアー 15. ドキドキ / 真心ブラザーズ
JUDY AND MARYのデビュー15周年を記念して、豪華アーティストが参加したトリビュート・アルバム。未だ色褪せない名曲たちが新たな生命を宿し、ここに集結。