MAY'S of Groovin2009

SPECIAL INTERVIEW

MAY'S

メジャー1stアルバム『Dreaming』のスマッシュ・ヒット、大盛況のファースト・ツアーを経て、MAY'Sの第2幕が始まる!最新ナンバーは永遠の愛を歌ったウエディング・ソング。インディーズ時代の名曲も収録し「特別な1枚」になった本作について伺うべく、ツアー終了直後の2人を直撃しました!BLOGでは本誌未掲載分を含むインタヴュー完全版を公開中!作品以外にも結成当時のお話やツアー終了直後の心境など、お二人にたっぷりお話頂いてますので、是非ご覧下さい!

(初出『Groovin'』2009年4月25日号)

MAY'S-A.jpg■MAY'S結成秘話を語る!
−−:まずはMAY'S結成のきっかけを教えてください。
片桐舞子:音楽専門学校の同じクラスの「河井君」と「片桐さん」で、出席番号が前後だったんです。…席は私が前かな?
河井純一 a.k.a NAUGHTY BO-Z:そうそうそう。
片桐:で、本当に最初に話したのは…河井君は当時ロック・バンドをやっていて、白のジャージ上下にサンダルで何も持たずに学校に来ていて。「後ろの人は何をしに学校に来ているのかな」って思っていたくらいなんですけど(笑)。そんな河井君がある日「ペン貸してください」って言ってきて。
河井:こう…肩をトントンって(笑)。
片桐:そう(笑)。本当に今でも覚えているよね。それから話すようになって、「ああ、この人そんなに悪い人じゃないな」って思って。席も近いし少しずつ話すようになっていったんです。で、仲良くなって、仲間達と学校さぼってマクドナルドで喋ってたりとか(笑)。そんな中で、曲を作って提出する課題が定期的にあったんです。最初の頃、私は別の人の曲を歌ったりしてたんですけど…NAUGHTYさんは1人で作ってたよね?
河井:ロッカーだったから(笑)。
片桐:そう。だから「俺は1人でやる」みたいな感じで。でも、やっていたロック・バンドが解散して「俺はロックでやりたいことはやったから、こんどは打ち込みをしっかりやりたい」みたいなことを言ってて。話しているうちに「じゃあ、なんか一緒にやろうよ」っていうことになって。それがMAY'S結成のきっかけですね。
−−:気軽な気持ちで始めたユニットが今まで続いているんですね(笑)。
片桐:ここまで長く続くとは思っていませんでした(笑)。でも始めてみたら続けていきたくなってきたんですよ。私にしても(専門学校の課題制作等で)いろんな人の曲を歌ってきたんですけど、(河井さんは)本当に自分がやりたいことをさせてくれる存在なんだなって思えてきて。
河井:学校自体はさぼりまくっていたんですけども(笑)、制作とかは凄い真面目だったんです。初っ端からしっかり作ったんですよ。それこそジャケットとかPVとかも作って。それが友達や専門学校の先生とかに評判になったみたいで。次第に「もったいないからライヴ・ハウスとか紹介するから」って言われたりして、渋谷のクラブでライヴをするようになって。そこからどんどん拡がっていって、仲間も増えてきて…今に至るって感じですね。


■初ライヴ・ツアーの感想
−−:「MAY'S ファーストツアー "Dreaming"」も凄く盛り上がりましたね!終了直後ですが、今の心境をお聞かせ下さい。
片桐:そうですね。メジャー・デビューは去年だったんですが、インディーズで活動していた期間も割と長かったんですよ。なので、昔から応援してくれているファンの子達へ「こうやってツアーに回れるようになったよ!」っていうお礼をしたい気持ちがあったんですよ。あとは、メジャー・デビュー以降から知ってくれた人が凄く多いと思うんですが、そんな初めてMAY'Sのライヴにくるファンの子達への「MAY'Sってこんなグループなんだよ、はじめまして!」っていう気持ちもあって。今回は名古屋、大阪、東京と3箇所を回らせて頂いたんですが、本当に各地3箇所とも凄く沢山ファンの子達が来てくれたので、そういう2つの気持ちを沢山伝えられたのは凄く良かったなと思います。
−−:特にファイナルの東京公演はソールドアウトの大盛況でしたね。そのファイナルで、ファンの皆さんがアンコールのコール代わりに「My Everything」を大合唱していたのが印象的でした。
片桐:後から聞いたんですが、ファンの子達の間でMAY'Sに逆サプライズをしようって考えてくれていたみたいなんですよ!スタッフに後で見せてもらったんですけど、ファンの子達が手書きで〈アンコールで「My Everything」を歌いましょう!〉って書かれたチラシをコピーして、会場で配っていたみたいなんです。
−−:その光景が凄く感動的でした。片桐さんは「ステージ上では泣かない!」って決めていたとMCでおっしゃってましたが、正直あれはかなりグッと来たんじゃないですか?
片桐:さすがにアンコールも終わって、ステージから捌けたときは「終わった〜!」っていうこう…いろんな気持ちからジンと来るモノはあったんですけれどもね。ファイナルの1日だけじゃなくて、ツアーって意味で何日間にも渡って、マネージャーやスタッフさんだったり、関わってくれている多くの人たちの努力に支えてもらっているんだなって、あの瞬間に改めて感じましたね。…今はホッと一安心してます(笑)。
河井:よく泣かなかったよね?俺は泣くと思ってたもん。
片桐:でしょ?(笑)
河井:結構、インディーズの時にもワンマンとか大きなイヴェントはやっているんですけど、絶対泣くんですよ!ステージ上で泣いちゃって、歌えなくなっちゃうみたいな(笑)。
片桐:感極まるとワンマンじゃなくても泣いてたもんね(笑)。
河井:そういうのもあって、ツアー・ファイナルでは泣かないって言ってたんだよね。
片桐:うん。


■インディーズからメジャーへ〜楽曲の幅広さについて
−−:ライヴでは、斬新なアレンジをしていたり、ハードなトラックをプレイされたりしていて、とても新鮮に感じました。
河井:でも意外と…ライヴで斬新さを出すつもりはなかったりして(笑)。(メジャー1stアルバムの)『Dreaming』だけ聴いてもMAY'Sの幅の広さを感じてもらえるとは思うんですが、それまでの…例えばアルバムに入らなかったシングルのカップリング曲だったり、インディーズ時代の曲も結構幅広くて。それを東京公演だと全28曲、結構詰め込んでしまったので、幅広さっていうのは良い意味で見せられたかなって思います。
−−:そのインディーズ時代の作品は、よりR&B色が強いというか、比較的ディープな事をしている印象があったんですよ。でもメジャー・デビュー以降の作品群は女の子らしい可愛さとか、キラキラ感が増している感じですね。
河井:やっぱり日々、制作スタンスっていうのは変わっていくものだと思うんですよね。音楽をやっている人に共通して有ると思うんですけど、結構テクニックを見せたかったりして、カッコいい事をしようとしちゃうんですよ。でもそれって意外と簡単だったりするんですよね。それよりも難しいのは、人を感動させたり笑顔にさせたりする事だと思うんですよね。そういうのがインディーズ時代には少なかったのかな…ちょっとカッコつけてる部分が大きかったんだと思う(笑)。自分たちのやりたいことだけをやっていた…じゃないけど。もちろん、今も自分たちのやりたいことをやっているんですけどね。活動していくうちに、お客さんもだんだん増えてきて、反応もダイレクトに見えてきて。感動させる喜びっていうのを知ってきたんですよね。
片桐:それこそインディーズでの活動や、コラボレーションも色々やっているんですが、そういうこともなければ多分、よりお客さんを感動させたいとは思えてなかったと思います。断片的に見ちゃうとその作品ごとのカラーが目立つと思うんですけど、一連の流れで見ていくと全て繋がっていることなのかなあと思ってます。


■最新シングル『I WISH』について
−−:「I WISH」はどんなきっかけで作ったんですか?
片桐:ちょうど1年前くらいに酒井彩名ちゃんプロデュースのウエディング・ドレス「Aya na ture(アヤ ナ チュール)」のコレクション・ショーのライヴに呼んでもらって。せっかくライヴさせてもらうんだったら、「ウエディング・ソング」って今まで作ったことないし、「作っちゃおうか!」っていう、サプライズ的な気持ちで作ったのがきっかけだったんです。少しずつ温めて、ようやく今回こういう形でリリースする事になりました。
河井:ライヴの1週間前位に作り始めて、時間もなかったんだけれども、結構そういうのに燃えちゃうんですよね。「誰かの為に作る」っていうのが結構好きで。
片桐:このときも時間が無いながら俄然やる気になって作ってたもんね。
−−:今までは「恋愛中」のラヴ・ソングが多かったですが、今回は「恋が愛に変わった」後のウエディング・ソングですね。作詞するにあたってはいかがでしたか?
片桐:まだ私自身も(結婚を)経験していないので、私が普段思い描いている結婚への希望だったりとか、そういう部分がメインになっているのかなって思います。女の子って結婚式に凄く夢を持っていて、「結婚式でどんなドレス着ているのかな?」とか想像するんですよ。そういう気持ちを基にして作っていきました。結婚って恋愛の延長線上だと思うんですけど、恋愛から1つステップ・アップして、好きな人と同じ人生を歩むっていうのが恋愛との違いなのかなって。サビの「あなたとだから 幸せになれるよ」っていうのも「あなたが居るから、今幸せだよ」じゃなくて「これから幸せにして欲しいよ」っていうメッセージで、そこから先の未来に対しての「I WISH」なんですよ。そういった意味で単なるラヴ・ソングでは終わらない胸の内を描けたらなっていうのを思いながら歌詞を書きました。
−−:そんな「女の子の夢」が描かれたウエディング・ソングのトラックを作るのは大変でしたか?
河井:MAY'S結成当初から片桐の世界観を曲にするっていうのは変わらないので、そういう苦労はなかったです。ただ、結婚式の曲なんで、普通のラヴ・ソングよりも全編に渡って凄くハッピーな感じや神聖な感じを表現しつつも、間奏部分のストリングス・ソロでは、いろんな困難や苦労を乗り越えてっていう雰囲気を出すためにちょっと暗めにしてて。陰と陽じゃないけど、苦難を乗り越えた幸せみたいな部分を表現しました。
−−:c/wの「MaMa(2009)」もウエディングを連想させるような温かい素敵な曲ですね。
片桐:(インディーズ・リリース時は)全くウエディングというのは意識していなくて、お母さんへの、言葉にするとちょっと恥ずかしいような…そういう感謝の気持ちとかを曲にしようっていうことで作ったんです。でも、ファンから「結婚式に使いました」とか「結婚して、子育てが凄く大変なんだけど、いつか自分も子供にこんな風に思ってもらえるんだったら頑張れる」っていうリアクションを貰ったんです。最初はそういうつもりは無かったんだけど、時間が経つにつれて、お母さんへの感謝ってだけでなく家族っていうのも考えさせられる曲に変化してきていて。そういった意味でも今回のシングルに収録することになったんです。
−−:c/w「Brave Heart(Remix)」は闘病中のファンの為に作った曲とお伺いしてますが…。
片桐:闘病中で凄く大変みたいなんだけど、ライヴに来てくれるたびに「いつも励まされています、ありがとう」って声を掛けてくれるファンの子がいて。その子が一番辛いはずなのに「ありがとう」って言える事が凄いって思うんですよね。その姿にどれだけ周りの人が沢山勇気を貰っているんだろうっていうのを、その子自身にも伝えてあげたかったし、周りの人達にも「私たちみんな誰かから勇気もらってるんじゃない?」っていうことを伝えたいと思って作ったんです。そういう意味ではこの曲も「生きること」というか、人生における1つのテーマを歌っていると思うんですよ。だから今回は凄くスペシャルな1枚。(3曲とも)全部、変わらずにある気持ちを歌った曲なので。
−−:1枚のコンセプト作品として凄く完成されてる印象ですね。
河井:今までのシングルでは収録曲によって雰囲気をあえてがらっと変えていたんですよ。でも、今回「I WISH」っていう凄い大事なテーマを扱った曲の説得力を弱めたくなかったし、プレゼントにも使って欲しいなっていうのも凄くあるんで、カップリングを含めてハートフルな1枚に仕上げたかった。サウンド面でも聴き心地をわざと全部似せているというか…温かい感じにはしてますね。


■今後の活動について
−−:様々なアーティスト達と精力的にコラボレーション活動もされてますが、今後一緒に活動してみたいアーティストはいらっしゃいますか?
河井:まあ、挙げるとキリがないですよね(笑)。でも意外と僕みたいに曲作る人間って、例えばその辺の女子高生とかに曲作って歌ってもらったりしたいんですよ(笑)。変な話、ネームヴァリューじゃなく、その子の素材を生かしつつ、どこまで出来るのかみたいな。それって結局プロデュース力じゃないですか。そういうのは興味有りますね。
−−:じゃあ、そのうちオーディション開催しちゃったりとかするかもしれない…(笑)?
片桐:数年後にカーディガンを肩に掛けてたりしてテレビに出てたりして…(笑)。
−−:片桐さんは、ブログで秋元順子さんとコラボレーションしたいとおっしゃっていましたね。
片桐:私、秋元さんの大ファンなんです。まだお会いしたことは無いんですが、同じレーベルなんですよ。「こんなに歌が上手い人が居るんだ!」って思ってちょっと感動して。人柄も大好きで、テレビ見てて「お母さん!」みたいな(笑)。いつかコラボレーションができたらなーってブログで勝手に書いてみただけなんですけど(笑)。でも共演してみたいっていえば、傳田真央さんですね。今回、ツアーに参加していただいたんですけど、もう2人とも大好きで。MAY'Sを始めたときに、「こういう曲やりたいよね」っていってた代表が傳田真央さんだったんですよ。
河井:青春だよね。
片桐:ずっとずっと憧れだし、「CDまた出してくれないかな」って思ってたんです。今回、ツアーに参加して頂いて、「MAY'S続けててよかったー!」って思いましたね(笑)。
−−:今回はフィーチャリング・ゲストとして共演は出来なかったんですね?
片桐:スペシャル・ゲストっていう形で傳田真央さんだけで歌って頂いたんです。でも一方的に共演してました(笑)。
河井:傳田真央さんが歌っているのにあわせて、ステージ裏で大熱唱してハモってたよね(笑)。
片桐:終わった後に「聞こえませんでしたか?」って確認するくらい大熱唱してました(笑)。いつかは同じステージ上で共演させて頂きたいですね。
−−:今後、MAY'Sとしての野望や目標はありますか?
片桐:初めてのツアーを終えたばっかりでとりあえず一安心しているところなんですが…(笑)。また次、ステージの大きさにしても、廻る箇所の数にしても、もうちょっとヴォリューム・アップした形でツアーが出来たらいいなって凄く思ってます。…ね、ツアーは絶対やりたいよね?
河井:うん。第2幕じゃないですけど、ここからまたステップ・アップして、大きいステージだったり、いろんな作品を出したりっていうのは勿論やっていきたいですね。

−−:最後に『Groovin'』読者に一言お願いします。
片桐:今年も沢山、静岡の方に会いに行ける機会を作ろうと思っていますので、そのときは是非ライヴに遊びに来てください!
河井:CDでも十分伝わるように心がけて作品を作ってますが、ぜひ動くMAY'Sのパフォーマンスも見て欲しいですね。
片桐:特に動いたり喋ったりしているNAUGHTYさんは凄くレアなので(笑)。
河井:ライヴとかラジオの公開録音とかに来てくれたら見てもらえると思います(笑)。

インタヴュー&構成:宮城 宙(編集部)
(2009年3月23日/キングレコードにて)

『I WISH』
MAY'S-J.jpg
Venus-B/
KING RECORDS
発売中
Maxi Single
KICM-1275
¥1,200(税込)
絶好調のMAY'Sが放つ最新シングルは、「永遠の愛」をテーマにしたウエディング・ソング!c/wにはインディーズ時代の名曲「MaMa」のリメイク曲と、1stアルバム収録の「Brave Heart」のリミックスを収録。心の中に変わらずにある大切な気持ちを思い起こさせる温かな1枚に仕上がってます。

【MAY'S OFFICIAL WEBSITE】http://www.clubmays.com/

inserted by FC2 system