Ken of Groovin2009

ARTIST PICK UP

Ken

約2年半前に始まったソロ・ワークスの集大成となるであろう、
L'Arc~en~Cielのギタリスト、Kenの1stアルバム!
今、内に秘めた想いを解き放つ!

(初出『Groovin'』2009年4月25日号)

Ken-A.jpg 3月5日にリリースされたKenの最新シングル『Deeper』。そのCDのみの盤には「1st Album Previews」というタイトルの曲が収録されていた。その名の通り、すでに発売が決定していた1stアルバムのインタールードとなるトラックだ。アルバム収録曲の一部が断続的に繋がるインスト曲。それを聴き、雲を掴むようなもどかしさを感じながらも、この先、1ヶ月後には聴くことのできるであろうアルバムの全貌へと、否応なしに気分を掻き立てられた。
 そして、いよいよリリースとなったKenの1stアルバム『IN PHYSICAL』。今作には、およそ2年半前、Kenが初めてのソロ・ワークとしてリリースした1stシングル「Speed」ももちろん収録されている。ラルクのプロデューサーとしてもお馴染みの秦野猛行によるピアノのイントロからはじまる繊細なメロディと、サビへ向けて広がる豪快なハード・ロック・サウンド。めぐる季節の果てにある、安らぎを祈るという日本語詞がとてもよく似合うナンバーだ。もう1曲のシングル曲「Deeper」は、深く深く潜水しながらも、どこか燃えたぎるような激情を感じる1曲で、Kenのギタリストとしての魂が炸裂すると同時に、曲の山場では渾身のハイトーン・ヴォーカルも披露している。その他、アルバムには、80年代メタルを彷彿とさせるナンバーをはじめ、バラード、打ち込みまで幅広いサウンドを取り入れた。母体であるバンドの音楽性でさえすでに多岐にわたり、バンドでできないことは、もはやほとんどない状態でありながら、あえてヴォーカリスト、Kenとして挑んだ今回のソロ活動。ラルク的世界との近似値をとりながらも、作り手、イコール、歌い手となって表現した楽曲は、またひと味違う意味を帯びているのではないだろうか。
 6月からはソロ初のツアーもスタートさせるKen。世界的人気バンドのギタリストでありながら、ソロ・ヴォーカリストとしては、あくまで新人のポジションで挑んでほしい。今はその立ち位置を大いに利用して、ペース配分も、限界すらも知らない男の、体当たりのパフォーマンスを期待したいと思う。

Text by 秦 理絵(編集部)

『IN PHYSICAL』
Ken-J CD.jpg 
デンジャー・クルー・エンタテインメント
発売中
[CD+DVD]
DCCL-6〜7
¥3,780(税込)
[CD]
DCCL-8
¥3,150(税込)
L'Arc~en~Cielのギタリスト、Kenの1stアルバム。ドラムス:長谷川浩二、ベース:TAKASHI(BUG)と共に最高の音を追求している。

【Ken OFFICIAL WEB SITE】http://www.ken-curlyhair.com/

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