MEG of Groovin2009

ARTIST PICK UP

MEG

トータル・プロデュース能力バツグン!
中田ヤスタカとのタッグでドロップするニュー・アルバム、
その風光は正しく"BEAUTIFUL"の一語に尽きる。

(初出『Groovin'』2009年5月25日号)

MEG-A.jpg 音楽シーンで"中田ヤスタカ"というキーワードを頻繁に目にするようになっていた2008年秋。そんな時代の機運を先取りするかのごとく、2007年10月にMEGのシングル「OK」はリリースされた。この時は作詞:MEG、編曲:中田ヤスタカという布陣だったわけだが(ちなみに作曲&共同作詞として蔦谷好位置が参加)、その後のシングルやアルバムでは作詞:MEG、作曲・編曲:中田ヤスタカという、まさに二人三脚体制のもとに怒涛のリリース・ラッシュを展開。12ヶ月で3枚のシングルと2枚のアルバムをヒット・チャートに送り込んだ。と同時に多くのミュージシャン/クリエイターとも積極的に交流を深め、UKAWANIMATION!(宇川直宏)、スネオヘアー、TOWA TEI、Sound Around等の作品に参加。今年2月には「SUMMER SONIC 08」で同じダンス・ステージに立った、UKのニューレイヴ・バンドHadouken!とのコラボ・シングル「FREAK」をリリース。最近の活動を振り返ってみただけでも、彼女がいかに興味深い存在であるかが分かる。
 かたやガーリーなヴィジュアルで楽しませてくれる"キャッチー性"を、その一方でアイコンのような"カリスマ性"を併せ持つMEG。そしてここからが重要なのだが、その活動に"やらされている感"が欠片も感じられない。そんな"自由度の高さ"に、受け手は特にドキドキしたり、時に眩しさに目を細めたりしながら、立ち居振る舞いに振り回され、魅了されていくのだろう。
 さて、そんなMEGが前作に引き続き中田ヤスタカのプロデュースによるアルバム『BEAUTIFUL』を完成させた。今回は全10曲、全てのタイトルが単語(ワン・ワード)で表記されている。こういった構成ひとつをみても、今回の作品の成熟ぶりが窺えるというもの。まずは挨拶がわりに、聴く者の心を良い意味でぶっ壊しにかかるイントロダクション的な「Days」からはじまり、アコースティック風アプローチを再認識する先行シングル「Precious」を経て、更にその応用的「Telephone」では完成度の高さにただただ脱帽するばかりだ。このあたりは既発シングルとはいえ、アルバムの流れを盛り上げるために惜しみなし!といったところ。その後もブリブリの低音にニヤニヤしっぱなしの「Lies」、エフェクト・ヴォイスなのにMEGの歌詞が驚く程素直に聴く者の胸に染み渡る「Star」などなど…その後の展開は、初めて聴いた時の初期衝動に優るものなしということで、是非あなた自身の耳で味わっていただきたい。
 現在は夏以降のリリースを予定しているミニ・アルバムを制作中で、N.Y.系の海外勢とのコラボになるとか。そちらを聴けることも非常に楽しみだが、とにかく今作は中田ヤスタカのトータル・プロデュース力に「恐れ入りました」の一言に尽きる。

Text by 喜嶋紀行

『BEAUTIFUL』
MEG-J通常盤.jpg



ユニバーサル J
5月27日発売
CD
UPCH-1714
¥2,500(税込)
通算6枚目のオリジナル・アルバム。

【MEGWEB.JP -MEG OFFICIAL SITE-】http://megweb.jp/

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