木村カエラ of Groovin2009

ARTIST PICK UP

木村カエラ

デビュー5周年を迎え、5枚目のアルバムが発売された木村カエラ。
今度のプレゼントは魔法のおまじない『HOCUS POCUS』。
カエラのスペシャルな魔法にかかれば、誰でも勇気が湧いてくる!

(初出『Groovin'』2009年6月25日号)

木村カエラ-A.jpg 今年5周年を迎えた木村カエラ。その5周年目の日にあたる6月23日の翌日に、通算5枚目のオリジナル・アルバムがリリースされた。タイトルの『HOCUS POCUS』とは手品やおまじないなどで使われる呪文のようなもの。それは例えば未来に迷ってしまったり、不安で気持ちがめげそうになってしまった時でも、「ホーカス ポーカス」と唱えることで気持ちや自分自身を変えていける、そんな意味がこめられたものだという。言ってみればカエラからの魔法のプレゼントってわけですね。
 今回のアルバムはトータルとしてのテーマを制作開始時に設けず進められた初めての作品。良いと感じた楽曲をデモの時点から厳選し構築していった結晶だ。「どこ」以外は全てカエラ自身の作詞による楽曲で、とてもヴァラエティに富んだ楽しげな作品に仕上がっている。
 ざっとアルバム収録曲を紹介すると…まずオープニングを飾るのは民族楽器(バグパイプ!?)の響くイントロでいきなり驚かされる「Dear Jazzmaster '84」、アップ・テンポなビートに早めのコード・チェンジが気持ち良い1曲。続くはヒット・シングル「マスタッシュ」。ハードなギターとポップなキラキラ感が融合したこの曲はリリース当時、本人出演のマンダム「ルシード エル」のCMソングとしても話題になったナンバー。3曲目はアップ・テンポなストロークのアコギがさわやかな「Phone」、ポッカ「キレートレモン」のCMソングになっている。5曲目はベルの音が響く構成に優しげなカエラの声が印象的な「Butterfly」。こちらは「ゼクシィ」CMソングなのだが、聴けばすぐに納得のドラマティックなナンバー。続くはヒット・シングル「どこ」。ピアノの音とアコギのアルペジオが響くミドル・テンポの楽曲。7曲目はアルバム・タイトル曲の「HOCUS POCUS」。トボけた曲調と歌詞世界の楽曲は彼女のアルバムではもはや定番だろう。10曲目の「キミニアイタイ」はカエラ流ダンサブル・ロックといった趣で、サビの盛り上がりが気持ち良い1曲。11曲目「Jeepney」はソリッドなギター・リフに独特の歌詞を乗せたナンバーで、マンダム「ルシード エル」のCMソング。続く12曲目はかなりエレクトロニカに振られたシングル「BANZAI」がアルバム・ヴァージョンとして収録されている。ラストを飾るのは「Super girl」。ポップ・サウンドにギターがかぶさる疾走感たっぷりのナンバーだ。
 個性豊かな作家陣に囲まれつつも、全13曲が木村カエラの楽曲として最高のクオリティを発揮しているのは、彼女自身の芯のある性格であったり、高い感受性であったり、確かな存在感を感じさせる声によるものだろう。かなりの高水準なアルバムの出来にテンションが思わず上がってしまうこと間違いない。今年7月には5周年ライヴの開催も予定されているので、こちらもぜひぜひ参戦したいところ。2009年夏、カエラの勢いはまだまだまだまだ止まらないぜっ。

Text by 柴崎元紀

『HOCUS POCUS』
木村カエラ-J通常盤.jpg



コロムビアミュージックエンタテインメント
発売中
CD
COCP-35635
¥2,940(税込)
カエラ通算5枚目のアルバム『HOCUS POCUS』。さながら魔法をかけられたような楽しさ満載。

【木村カエラ OFFICIAL WEB SITE「KAELA-WEB」】http://kaela-web.com/

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