ローラ・イジボア of Groovin2009

ARTIST PICK UP

ローラ・イジボア

ソウル・ミュージック、魂の音楽。1人のレディー・ソウルが
歴史に新たな1ページを書き加え、新時代の到来を告げる。
魂を震わせ、圧倒的な存在感を魅せる、"本物"の1枚。

(初出『Groovin'』2009年6月25日号)

20090706162005f50.jpg 皆さんはソウル・ミュージックを聴いていますか?
 一般的にはゴスペルやブルーズを基としたアフリカ系アメリカ人によって鳴らされる音楽、R&B/ソウルを指すが、直訳すると…そう、"魂の音楽"。その様に形容するに相応しい音楽を、心揺さぶられる音楽を聴いていますか?という事。答えがどちらでも、彼女の音楽が貴方に"YES"と答えさせてくれるはずだ。
 21歳のシンガー・ソングライターにして自らの1stアルバムをプロデュースした才女は別段、音楽一家に育った訳ではなかった。5人の兄妹を抱えるワーキング・クラス出身のローラはソウル・ミュージックに目覚め、15歳でアイルランドのコンテストで優勝、17歳の頃から4年かけて本アルバムを大事に育てる。その間、自らのショウは勿論、ジェイムス・ブラウンやアレサ・フランクリン、ジョン・レジェンド、ザ・ルーツなど、数々のアーティストのサポート・アクトを務め、絶えずパフォーマンスを行い、オーディエンスからはアイルランドのソウル(魂)という名誉な称号を受けるまでになった。
 原題で『Let The Truth Be Told』と名付けられた本作(何とも潔いタイトル!)は、前述のアレサ・フランクリンやロバータ・フラック、昨今ではローリン・ヒルやアリシア・キーズの系譜に連なるソウルの本質を捉えた素晴らしい作品だ。心躍る、跳ねるピアノの旋律、聴く者を鼓舞させるオーケストレーション、切なく心に響くストリングス…。とても秀逸なプロダクションが行われたサウンドであっても、それら全てがローラのヴォーカルの前では引き立て役にならざるを得ない、という事実。それ位、彼女の声は魂を揺さぶり、あらゆる情感を喚起させる。美しさ、逞しさ、慈しみ、愛し、涙し、歓喜する。この圧倒的な存在感は新たな時代の到来を告げるとともに、本作が歴史的な名盤となることを予言している。
 ソウル・ミュージック。魂の音楽。そんな音楽に出会えたなら、それはとても幸せな事であるし、日々の生活を彩るはずだ。この1枚が皆さんの魂の音楽である事を願ってやまない。

Text by 中野智人

『素顔のローラ』
20090706162012693.jpg
ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
CD
WPCR-13470
¥1,980(税込)
※初回限定スペシャル・プライス
弱冠21歳の彼女は真のアトランティック・ソウルの救世主だ。1人でプロデュースまで手掛けた100%ローラの実力を映す本当に素晴らしい名盤。アレサ・フランクリン、ロバータ・フラック、ローリン・ヒル等、名アーティストの系譜に連なる歴史に名を刻むアーティストの誕生。

【ローラ・イジボア スペシャル・サイト】http://wmg.jp/lauraizibor/



inserted by FC2 system